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DEAD LIFE   作者: をか岡
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ワールドトリップ

【ニュース速報

今日0時42分 〇〇市で世尾大和(20)さんが通り魔と思われる刃物を持った男に殺害されました。】





『……ろ……きろ………起きろ!!』

「―んん...」

『まったく、間抜けな奴だな。通り魔なんかに刺されて死ぬなんて。』

目の前には全身真っ黒なフードを被った…人?が玉座に足を組んで偉そうに座っている。顔は隠れていてよく見えない。

「えっ、あれっ、俺は死んだはずじゃ…?もしかして…奇跡的に生きてたのか?」

『そんな訳ないだろバカが。』

なんだこの人。

「えっあっ、そうですよね。…ここはどこですか?」

確か仕事が終わって駅に向かう途中、知らない人に刺されたんだっけ。あれは通り魔だったのか?

『お前ら人間にわかりやすいように言うと"地獄”…』

「え!?」

『の1歩手前だ。』

「もぉ、びっくさせないでくださいよ。俺悪いことしてないのに地獄に堕ちたと思いました…」

目の前の人(?)は俺をじっと見つめている。あれ、俺睨まれてる?

「…あの、なにか?」

『いや、もっとこう、普通の人間ならもっと動揺するものだと思うんだが。』

もうすでに死んでいる人に何言っているんだ。

「死ぬ前も生きていて死んでいるようなものでしたから。それに地獄に堕ちてなくて安心してます。」

『そうか。』

「それより、ここって何なんですか?あと貴方は何者なんですか?」

『ここは、お前ら人間に分かりやすく言うと冥界という場所だ。冥界は現世で死んだ者がこれから地獄や天国などの何処へ進むか決める場所だ。ちなみに死んだ者のほとんどは天国で生活することになる。』

まるでギリシャ神話だな。冥界とか聞いたことはあるけど、本当に存在するのか。

『地獄や天国以外にも、特例ではあるが現界に生まれ変わる者などもいる。』

「生まれ変わりってほんとにいるんだ。」

『そして俺はここ、冥界に辿り着いた者の行き先を決める"審判”だ。』

「なるほど…。お名前はないんですか?」

『名前?』

「はい、名前。貴方のことをなんて呼んだらいいんですか?」

『名など俺にはない。好きに呼ぶといい。』

「じゃあ審判さんって呼びますね。それより、俺はこの先何処へ行くんですか?もう死んでるんですよね。」

『お前にはやってもらいたいことがある。』

「やってもらいたいこと?」

『あぁ。お前には、お前が生きていた世界とは別の世界へ行ってもらう。』

「別の世界?それってどういう…」

『この世にはいくつもの世界が存在する。そのうちの1つの世界が今ピンチなんだが...』

「それ、俺関係ありますか?」

『まぁ最後まで聞け。多数存在する世界の1つでも破滅してしまえば、全ての世界の滅亡に繋がる。世界を守護する存在によって。』

「守護する存在…?」

『世界を守護する存在は、全ての世界を"外”から見守る者であり、親みたいなもんだ。世界が破滅すればするほど弱っていつかは消えてしまう。そして消えてしまえばもちろん、世界は全て消えてなくなってしまう。だからお前を破滅寸前の世界へ送り、世界を変えてほしい。』

小さい頃読んでたヒーロー漫画みたいな展開だな。死んで俺が見てる夢の中か?なかなか痛い設定だな。

「そんな、俺はただの社会人です。世界を救うだなんて…無理ですよ。」

『俺達がお前を選んだのには理由がある。それに、救うなんて大層なことではない。ただお前が介入して、世界を少し変えるだけでいいんだ。』

「選んだ?」

『そうだ。理由は教えることはできないが、お前ならできる。お前を送り込む世界はお前が元いた世界とは違う。』

「どんな世界なんですか?バトル漫画の世界みたいなのは嫌ですよ。」

『その世界には異能が存在する。だが異能を発動する者は極めて稀だ。だからこそ争いが起きているんだ。力を得た者は弱者を奴隷にする者もいれば、弱者や世界を守ろうとする者もいる。』

「すごく簡単に言うと、仲間割れしてるってことですか?」

『その通りだ。』

「でも、そこに俺一人行ったところで何が変わるんですか?」

『その世界で、お前は異能を発動する。』

「え」

『お前の異能は人を動かすことが出来る。だから俺はお前を選んだんだ。』


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