思わぬ訪問者
「ダウビンさーん、今帰りました。」
「あれ、早かったな。おかえり!」
店に入り、ドアを開けるとダウビンさんは笑顔で迎え入れてくれた。
「疲れたろ?今日はありがとうな。ちょうど夕飯できたからちょっと早いけど食べるか?」
カウンターにはお肉料理が並べてあった。
「今日はダウビン特性照りマヨポークソテーだ!」
「うわぁ!すごい美味しそう!ちょうどお腹すいてたんです!すぐに食べてもいいですか?」
「もちろんだ!冷めないうちに食べろ食べろ!その前に手洗ってこいよ〜」
「はーい!」
「いただきまーす」
お肉にかぶりつき、同時にご飯を1口口に入れる。
「どうだ?美味いだろ!」
なんだこれめっちゃ美味い!死ぬ前もこんな美味しいお肉食べたことないぞ!この世界のお肉は新鮮なのかな?
「めちゃくちゃ美味しいです!」
1口食べるととまらない美味しさだった。
あまりの美味しさにペロリと完食してしまった。
「風呂も沸かしてあるから入ってあとはゆっくり休め。」
「ありがとうございます。」
なんだか悪いな、こんなに良くしてもらって。いつか必ず恩返ししよう。
「ダウビンさん、店の片付け手伝います。」
お風呂を上がり、ベッドに飛び込んで一息つく。
「はー…疲れたな。」
それにしてもハユンのやつ、食事に誘うとか言ってたけどあれまじなのかな?どうせ社交辞令だろうな。明日はどうするか…
そんなことを考えながら、いつの間にか眠りについていた。
…いや、いやいやいや、
「ん?どうしたんだいヤマトくん。苦手な食べ物でも入っていたかい?」
ハ…ハユン…社交辞令じゃなかったのかよー!!!
遡ること8時間前――
「…い、…おい!ヤマト起きろ!」
んーなんだ。もう朝か…
「おはようございます…今何時ですか?」
「今は10時だが、ってそうじゃなくて!
お客さん!」
10時、寝すぎたな。ダウビンさんは何故か焦った顔をしていた。
「お客さんがどうしたんです?今の時間忙しいんですか?俺手伝います…」
「違うよ!お客さん!お前の!」
「…は?」
俺にお客さん?この世界で俺を訪ねてくるような人はいないはずだけど。
「一体誰ですか?俺の知ってる人?」
「知ってるも何も…あいつだよ!あのハユンだよ!」
「……え?えぇ!?」
ばっと起き上がり、布団を出た。猛ダッシュで部屋を出て店の方へ向かった。
バンッ
「ハユンさん!?」
カウンターの席に足を組んであのハユンが座っていた。
「やぁ、おはよう。」
おはようじゃなーい!
「なななな、なんでここにいるんですか!?」
「なんでって…昨日言ったじゃないか、食事に行こうって。」
いやいや!あういうのって普通社交辞令だろ!?本当に、しかも翌日に誘うやつがあるかー!
「さぁ、顔を洗って着替えておいで。今日は私とお出かけをしよう。」
店を出ると見たことない車種の車が止まっていた。クソ…かっこいい。羨ましい…。
「さ、どうぞ。」
ハユンは助手席のドアをあけ、手招きした。
「どうも。」
「今日の夕食は私の家でなにか作るよ。もう11時だし、まずはお昼ご飯を食べに行こうか。」
「…あの、どうして俺の居場所がわかったんですか?」
ハユンはハンドルを握って前を見ながら爽やかな笑顔で答えた。
「君がパーティーを抜けたあと後をつけたんだ。」
顔を引きつらせ、ドン引いた顔で隣のハユンを見つめる。
「冗談だ。そんな顔をしないでくれ。」
気持ち悪い冗談言うなよな。びっくりした。
「ただ部下にちょっと調べさせただけだ。」
「え…」
調べた?それもそれで結構きもいんですけど…。
さっきよりも引きつった顔で横を見ると、話をそらすかのようにタイムリーにお店についた。
「店についたよ。食事に行こう。」




