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【完結】内気な聖女アンジェリカは目立ちたくない  作者: 安ころもっち
エルザード帝国・帝都の英雄編

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/// 61.武器を作ろう!

◆エルザード帝国・サウスダンジョン・101階層


今日もダンジョンを潜るアンジェ、キュル、ルビリアにローライト。養殖プレーは少し抑え気味で今は連携を深めることに重点をおいていた。


残念ながら100階層ではアンジェとキュルが討伐したばかりのため、ボスは出現しなかった。

養殖により鍛えられた二人は、どんどんその能力を伸ばし、最近は午後の勉強の合間に、訓練所で二人で体を動かす姿も見受けられるほど熱心に修行の日々を送っていた。


姉のルビリアは気が強そうに見えて実は臆病だったのだが、最近は妙に落ち着きを身に着けているようであった。法術師としては、最初から覚えていた防御力を上げる【守護者】、攻撃力上昇の【力の根源】、回避力が上がる【神回避】、命中精度を上げる【鷹の目】を習得、その効果も日に日に上昇していく。

妹のローライトは甘えん坊だ。しかし最近は幾分しっかりしてきた気がする。最初から覚えていた障壁を張る【(へき)】に任意の場所に障壁の壁を作る【城壁(ウォール)】は双子ちゃん自身を守るのに非常に役立つ。

どちらも英雄連合が目を付けるだけある。


そしてこの二人がまだ6歳であることに、周りの冒険者たちも当然驚いていた。

すでにパーティのお誘いも毎日のように来るし、餌付けもされつつある。マスコットキャラのように可愛がられ、ちょっと街に買い出しにいけば両手に抱えきれないお菓子をもって、帰ってくることも多く、それらを回収するために魔法の袋も買い与えていた。

養殖で能力をアップさせたとはいえ、発現したスキルを見事に使いこなしているのだから才能を感じざるえない。アンジェもニッコリである。



そして現在、4人は101階層で20体ほどの『オーク』の群れと遭遇する。やはりこのダンジョンは群れの数が多い。すぐにローライトが【城壁(ウォール)】で二人の身を守る。ルビリオは【力の根源】と【鷹の目】をアンジェとキュルに付与した。

まあこの程度ならいらないのだが、そこは連携を高めるため。アンジェの力と命中精度が上がった星切(ほしきり)での斬撃でその20体ほどの群れは殲滅される。キュルは出番がなかったことに少し拗ねた鳴き声を上げていた。

よし。今度はキュルに任せよう。そうして時間いっぱいまで次々と群れを殲滅していく4人であった。


お昼には一旦ギルドまで戻る。

そしてその日は、ラビからルドルフが到着したとの連絡が来ていることを聞く。ルドルフはドワーフの武器職人で、ついに武器工房『頑固な武器屋(すたぼんうえぽん)』帝都中央店を大樹の家のすぐ横に作り自身も帝都に活動拠点を移すという事らしい。

イースト地区のお店は後輩のドワーフに任せ、大急ぎでこちらへ来たのはもちろんアンジェから供給される素材ほしさと、自分が作った武具の成長をじっくりと見守るためである。そんなこともあり、午後からはラビと双子ちゃんも一緒に尋ねることとなった。


◆武器工房『頑固な武器屋(すたぼんうえぽん)』帝都中央店


「おい!久しぶりだな!元気してたか!」


店に入ると相変わらず声が大きいルドルフの声が響いた。初対面でびっくりしていた双子ちゃんを庇うように前にたったアンジェ。成長したものである。少し腰は引けている。


「早速だが・・・力の指輪!!!あるんだろ!見せてくれ!なっ!いいだろ!」


アンジェの指輪がはめられた指に一直線。目を血走らせて迫ってくるルドルフに、アンジェはびくっとなってラビの後ろに隠れてしまった。双子ちゃんは後ろ手でかろうじてではあるが、庇っているのだから、やはり多少なりとも成長したのであろう。


「もう!またアンジェちゃんを怖がらせて!もう二度と連れて来ませんよ?」

「お、おお。すまん・・・」


ラビの言葉で縮こまって謝るルドルフに双子ちゃんが「ぷぷぷ」と笑い出してしまった。


「そおいやーこの子たちは?ハーフエルフか。おっ!こいつは珍しい!ジョ、ブ・・・分かってるからそんな睨まんででくれ。ちょっと興奮しちまったんでよ」


ラビさんの睨みに怯むルドルフ。アンジェは「双子ちゃんに興奮とか事案発生!討伐するしかない!」と考えていた。


「今日はこの子たちに装備品を作ってもらおうと思ってきたんだけど・・・なんだか心配になってきたわ・・・」

「大丈夫だから、なっ?俺に作らせてくれよ。こんなチャンス滅多にねーんだ。すげーの作るからよ・・・」


「頼むこのとおり!」とどっちがお願いに来たか分からない状態で双子ちゃんの笑いもさらに続く。


結局、ルビリアには魔力補助のための杖と素早さ強化の腕輪、動きやすく軽い防具一式、ローライトには魔力補助のためのダガーと魔力盾、ルビリアと同じ軽い防具一式を作成することになった。

嬉しそうにニタニタと笑みを浮かべ、双子ちゃんを採寸する風景は、知らない人がみたら明らかに事案である。もちろんルドルフの頭にはどんな武器を作ってやろうか、という考えのみであった。

採寸が終わり、双子ちゃんを迎え入れたアンジェのルドルフを見る目は真冬の夜のように冷たかった。


さらに火竜の杖と星切(ほしきり)竜撃の爪(ドラゴニッククロー)氷撃の爪(アイシングクロー)も預けてほしいとのことなので、まとめて渡す。素材なども必要なものはないか聞いてみたのだが、正直イースト地区であふれた素材より上等の物をアンジェは持っていなかった。

帝都のダンジョンでは、もう少し深層に行かないとあれほどのものは無いようだ。

2週間待ってくれと言われたのでとりあえずはその間、ダンジョンには潜らず、まったりラビとのデートを堪能するアンジェであった。


そしてきっちり2週間後・・・アンジェら4人は、出来上がった装備をみてテンションが上がることなるのは言うまでもなかった。

お読みいただきありがとうございます。安ころもっちです。

現在毎日更新でがんばります!

期待してる! 早く続きを! 読んでやってもいいよ!


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