虚無から産まれた天才少女
銃弾を喰らってからずっと意識が朦朧としていて、やっとまともに意識が戻ってきた時最初に目に入ってきた光景は…
「ここは…じいちゃんとばあちゃんの家?」
懐かしい祖父母の家だった
一先ず混乱しきった脳で必死に状況を整理しようと試みる
「まず…身長は18だった前世から比べてかなり縮んでいる、幼児ぐらいだろうか?
次に…記憶は混乱しているのとは逆にハッキリとしている、前世の記憶をどうやら引き継いだようだ
周りに人は…台所らしき所に若い夫婦が居るな、祖父母の家そのままなのに祖父母は居ないようだ」
一先ず必死に整理したが、分かったことはこの程度だった
何も出来ずただ呆然とその場に座る
しばらくすると、夫婦の妻の方が皿を持ちこちらへ寄ってきた
夫の方は廊下を歩き別の部屋へ向かっていた
「〇〇ちゃん、ご飯が出来たよ〜
一緒に食べようね〜」
優しくて落ち着いた声、ずっと聞いていたいような気持ちになった
しかし、何故か名前の部分が聞き取れなかった
まだ脳が混乱しているせいだろうか
私は一先ず声のする方へ着いていく
暫く廊下を歩き別の部屋へと移動すると、木でできた丈夫でツルツルしたテーブルとすごく古そうなテレビが置いてある殺風景でレトロな…そして、見慣れた祖父母の家そのままのリビングへと着いた(私はこの時確か出た部屋を一度見返したような気がしたが、何故かさっきまでいた部屋のことすら思い出せなかった)
「今朝、〇〇が始まって18回目の¥。<,/$€が行われました
この催しは…」
またしても所々聞き取れないが、ニュースキャスターの声が耳に入ってくる
私は妻の方に抱えられ、少し高めの椅子に座らせて貰った
反対側にはさっきの夫がいた
「じゃあ食べようか、いただきます」
妻がそういうと、夫の方が
いただきます
と小声で、かろうじて聞こえる程度で言った
私もそれに合わせ一言言ってから食事を始める
今回はオムライスだった、私の大好物だ
「よく小さい頃母が作ってくれたなあ…
ん、母がどんなだったか思い出せない」
しかし、それも恐らく混乱しているせいだろうと思い私は好物のオムライスをひたすらに食べた
-月日は流れ、私は気がつくと前世の年齢と同じかそれより少し上くらいになっていた
ここに至るまで自分で言うのもなんだが、やはり前世の記憶が残っているせいか活躍に活躍を重ねた
私の事を周りは容姿端麗な上に出来ないことは無いのではないかと褒めちぎった
しかしたまに所々が聞き取れなくなる事は治らず、転生後の人生で過去の事を鮮明に思い出すことも出来ないままだった(思い出そうしても今回のようにざっくりとしか思い出せない)
そして何より、自分の姿や周りの人の名前や顔が認識できなかったし覚えられなかった
そんな状態の私だが、ある日運命の出会いをした
クライマックス1番面白くなるんで(確信)
ほんとよろしくお願いします!




