狭間と人じゃない者そしてカード
…あぁー死ぬかと思った。
まさか書類から緑肌大魔王様の必殺技を喰らうとか……予想出来るかバカ野郎!!
「おい!こらっ!!てめえ神いやおっさんこら!!
俺を殺す気かこの野郎!?
何で記入した書類から魔○光殺法を喰らわにゃあかんのよ!?
しかもあんた『やっば』とか『間違えた』とか言ってなかったか?おい!?
これ移転者登録書やのーて移転者始末書かこら!!」
創造神?何それ偉いの?
偉けりゃ何でもやって良いと思ってんのか?
そんならこっちは殺って殺ろうかこん殺ろう!!
「いやぁごめんねー
移転者登録書を使ったの今回が初めてだったし、それに前例が数件だけで資料少なくてね。
しかもそのすべてが【人じゃない者】なんだよねー。」
ん?人じゃない者てなんだ?
「今のとこ転移で成功したものは精霊・つくも神・アンドロイドの三件だけなんだよ。
何故こんなに少ないかというと、全ての世界と世界の間は異空間【狭間】で遮られているんだよね。
で、この狭間は停止空間になっていてね、この空間に入ったモノは時間が停止した状態になっちゃうんだよ。
ただ、この空間で停止出来ないモノがあってね。
それが魂魄と精神体…もっと分かりやすく言えば命そのものだね。
その止まった世界で肉体がだけが停止して命だけが停止できないとなればどうなるか…分かるよね?」
…怖っ!?
つまり狭間に入った瞬間、身動きがとれず死んでしまうのか?
そんな空間行きたくねーなー…て、あれ?
「でも俺転移出来てますけど?」
そう俺が此処にいるということは狭間を抜けたことになるが、体に異変は無いし精神異常もない。
どゆこと?
「あぁそれは…『ピロリーン♪』ん?おお!ちょうど出来たようだからこれの説明がてら答えようか」
おっちゃんが喋ろうとした矢先、機械音が響いたと同時に目の前が淡く光りだし、そこから1枚のカードが出てきた。
「それが転移者登録書が受理されたときに届けられるカード【プレインズウォーカー】だよ。」
そのカードを手に取り、ぱっと見で思った感想は…
『…これ免許証じゃね?』