書類の手続きと神への誓い
「……何ですか?この書類は?」
手渡された数枚書類を見て、俺は怪訝な顔でおっちゃんに聞き直した。
「これはね転移者登録書といって君の世界でいう住民票の様なものだね。
本来、異世界へ干渉するのは他の創造神との決まりで禁止されてるんだよ。
でも極稀に君のように世界を越えてくるものがいるんだよね。
本当なら元いた世界に送り還すんだけど、君の場合は特殊だからこっちの世界に移る手続きをするわけだね。」
成る程、他県への引っ越しと同じような手続きを異世界でもするとは思わなかったが納得はした。
ファンタジーでは異世界転移は定番スタートなので、がっかりではあるが神同士の決まりなのでしゃーないとして諦める。
「では、書き漏らしがないように気をつけてね。
日本語になってると思うけど解らなかったら聞いてね」
「分かりました。」
さてと、それでは書類に記入していこうかねっと。
名前・・・御波 栄堂
性別・・・男
年齢・・・30歳
元の世界・・・地球
移転の理由・・・狭間震えによる異世界転移
・・・
・・
・
第一職業・・・潜水士・ダイバー
第二職業・・・漁師
・・・
・・
・
…よし、全部書けたかな?
にしても、やったら書く項目が多すぎて時間が掛かりすぎたな。
というか趣味の欄て何?
一応、料理・模型作り・釣りを書いたがこんなのが必要なのか?
取り敢えず、書き損じがないかチェックして……ないな、よしOK。
「書き終えましたよー」
「うん、どれどれ…良し大丈夫だね。
では、始めようか。」
「ん?何を…」
おっちゃんが書き終えた書類に手を翳すと書類が黄金色に輝きだし宙に浮いた。
そして書類を俺の方に向けると…
「ふぎゃあぁああぁぁあああぁーあぁ!?」
書類から黄金色の光線が発射され俺の胸を穿った。
その勢いは凄まじく後方に10m以上飛ばされていた。
そしておっちゃんはこう言った。
「やば!?力加減間違えた!?…生きてるかな?」
うん、よし殴ろうとこいつ以外の神(特に女神)に誓ったところで、そこで意識が途切れた。