転移した訳 帰れない理由 そして愚痴
えぇーと話を纏めると、
ここは剣と魔法の世界で名前はアナトーレス。
この世界は人以外にもエルフ・ドワーフ・獣人といった様々な種族が存在し暮らしている。
文化レベルは地球でいう中世と近代社会がミックスしたような世界のようで、生活水準はそこまで低くないようだ。
まぁ低いところは低いらしいが、それは都市・町から離れた村にあたるがそれは農業・林業・畜業・漁業等に特化しているため一部を除いて少し低いぐらいらしい。
また、ファンタジーでお馴染みの魔物が存在するらしく被害も多いそうだ。
さてここで、何故俺がこんなファンタジーよろしくな世界にやって来たかというと理由が2つあり、まず1つはアナトーレス側で狭間震え(はざまふるえ)という災害が起きたそうだ。
この災害の特長は前触れもなく発生し別々の空間同士がくっつき繋がってしてしまうらしい。
但し、空間同士で繋がるには媒介となるモノが必要で、それさえ対処出来れば一概に酷い災害ではないようだ。
ただ今回の狭間震えは過去最大の規模らしく空間を超え俺がいた世界に繋がってしまっい、そして繋がった先が俺のいた海域だったようだ。
うん、確かに相当運が悪いようだ
そしてさらに運が悪いらしく、この狭間震えの影響で異世界同士の次元が不安定となり例え異世界へ転移出来る方法があっても現状次元を越えることが出来ないらしい………………。
「てな事で良いのかな?おっちゃん」
「えぇまぁそんな感じですねぇ……………ところで?」
聞かされた話を俺が簡潔に纏めてお復習したところでおっさんは呆れ顔で此方を覗いていた。
どしたの?おっちゃん?
「いやね、先ほど私の自己紹介したのに、えらくフレンドリーな感じで接してくるので少し驚きましてね」
あー成る程、確かにこの世界の住人だったら平伏す存在なのだろうが俺にはチャラいおっちゃんにしか感じないんだよなー…………それがたとえ
「この世界の創造神ですと言われても…………」
そう、このおっちゃんはこの世界を創造した神であり最上位に座する存在なのである。
「完全、名前負けしてるよね?」
「うっ…………気にしてること言わないでくださいよぉー
他の神たちからも『威厳がない』『チャラい』『不真面目そう』挙げ句の果てに『女癖が悪そう』『手が早い』『生理的に嫌』と女神達に嫌われる始末…
創成からこれまで真面目に仕事して、判らないことがあれば他の創造神から話を聞いたり相談したりして……」
…ヤバい。
触れてはいけないモノを触れてはしまったようだ。
にしてもこのおっちゃん随分と苦労しているようで、かれこれ一時間以上は愚痴を溢している。
このままだと日が落ち昇っても愚痴は止まらないだろう。
早々この愚痴を止めさせ、何故此処に創造神が来たのかを聞かなければならない。
「…この間も森の女神と大地の女神がね、荒れた土地について話してたからこうしたら良いんじゃないか?と助言をしたら『お前に聞いてない』と怒られたよ…助言しただけで何故怒られるのかが…」
「あぁー創造神様…そろそろ此方に来た理由を教えてもらっても良いですか?
そろそろ日が暮れそうなので…」
「?おや確かに少し時間を掛けすぎましたね。
これは申し訳ない、ついつい我を忘れて話し込んでしまったようだね。
それで私が此処に来た理由だけど、これをまず見てほしいんだよね」
そう言って自分の懐から何かを取り出し俺に手渡した。
これは…
「書類?」
この手渡された書類で俺の運命は前途多難な日々を送る羽目になることを、俺は未だ知るよしも無かった。
皆さんよく長い小説書けますねー
めっちゃ尊敬しますわー✨