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オレ、参上!  作者:
7/12

レアキャラ、発動!!

ノロノロ更新ですみません……。

迷わず着いたオレを褒めて欲しい。この学校、無駄にでかいし広いしで迷う。

中に入れば叶がいて手招きしてきた。それに従い、隣の机に座れば、目の前の物に目が奪われた。


「高級牛肉弁当!!」

「ちゃんと買ってきたよ。お金は「いただきます!」人の話は最後まで聞こうね?姉さん?」


きっと怖い笑みを浮かべているだろう叶をスルーして弁当の蓋を開ける。

肉を焼いたとき特有の匂いは食欲をそそり、肉の焼けて茶色になってる部分には脂が光ってる。それに加えて香ばしい匂い。

我慢できず、行儀悪いがそっこう食べた


肉とご飯ってちょっとリスク高いけど食欲には勝てないよね!!

見た目だけじゃなくて当然味もおいしい!!冷めてないし暖かままなのがいい!!


次は海鮮がいいなぁ。マグロにサーモンにエビにイクラにウニに……カニもいいかも。考えただけでお腹が空くね!!

今度でも叶に頼めるならそれにしてもらおう!!


「請求はするから」

「えー、そこは前世の仲として免除してよ」

「嫌だ」


奢りだと思ったのに。即答でイヤだとか元姉さん悲しい。

別にいいけどね。三沢家は金持ちですから!

……それは叶も同じか。同じというか聞くとオレより格が上らしいけど。


格が上といえば今朝のこと思い出した。

あの失礼な奴が自分の婚約者だと思うと益々ここのオレ(王華)が理解できない。なんであんな奴が好きなんだ。

前世の年齢=彼氏いない歴のオレにはわかんない。仕事を生きる糧にしていたのもあるからそれもあるのかもしれない。あと二次元。

でも……やっぱあの常識知らずを好きになるのはわからん!!


「――の可能性もあるから……聞いてる?」

「ん、あー……うん」

「……聞いてなかったのかよ。はぁ……それじゃあもう一回いうね」

「すまん」

「姉さんが知らなくちゃいけないことだから気にしてない。今日、この学校に新しい英語の先生が来た。担当は俺たちの学年。姉さんはあまり接触しないかも」

「季節はずれじゃね?誰か長い休暇とったの?」

「誰かが停職とかされてもそれは決まってることなんだよ。その先生も言ってしまえばこの世界の攻略キャラ。……でもおかしいんだ。あの人はレア度が高いし最初の条件をクリアしていないと本当なら現れないはずなのに……主人公が落し物を貰っていないのがその証拠だ」


なるほど。つまりキャラ発動条件という奴か。

あれだろ?クエストっていうのをクリアしてその報酬を貰うっていう。


乙女ゲームではその報酬がキャラで、後はなんだ?好感度ってやつか?

確かに仲間との仲が悪かったら協力プレーできないよな。協力プレーであえて妨害してくる奴とかもいるけど、この世界ではないということにしよう。

いやでも競争とか何かを賭けていたら妨害ってのがあんのか?それを制御する何かが必要になるなぁ……。


「落とし物……そうだ、姉さんは落とし物どうなったの?」

「あ、そうそうその落とし物なんだけビックリしたんだよ。見てよこれ」

「……これって……」


叶もわかったみたいだ。

例の落とし物であるトンボ玉は今度はちゃんと落とさないよう固めにケータイに結び付けた。光が当たっているトンボ玉は薄く向こう側が見える。


叶はそれを穴が開くほどじっくり見て、その後急に顔色が悪くなった。

おお!?どうした叶!?


「嘘だろ……イベントが、あった?姉さんがあんな奴のルートなんて……」

「ルート?数か?これ同じクラスの子が届けてくれたんだ」

「どうしよ……ただでさえあの婚約者面倒……ってうん?クラスメイト?」

「そうそう。小動物みたいな子だったよ」


可愛かったなぁ、あの子。できれば仲良くなりたい。

落とし物を届けたのがクラスメイトだとわかるとまた叶はブツブツ呟き始めた。

そんなに呟いてるところ他の人に見られたら不審者扱いされるぞ?元お姉さん心配。けど前世の叶は世渡り上手なところもあったから大丈夫か。

あとなんだ?死んだこととか加算したら精神年齢ヤバいな。……精神年齢おばさんが中二病って確かに痛いぞ。


少しだけ今の自分を自覚しつつあると恥ずかしさがでてきた。

あー、どうしよ。そう思うと今朝の婚約者とのやり取りも羞恥心が出て来たぞ。元々頭に血がのぼりやすいけど……うー……。


「姉さん。まだ勝機はある!」

「……ごめん。なんのこと?」

「校内で白い髪の先生を見つけたら関わっちゃ駄目だ。絶対だよ」

「えー……」

「今週末、焼肉食べに行かない?」

「わかった。会わない」


決して焼肉に釣られたわけじゃない。

なんだか芽生えた羞恥心は一気に消えてどうでもよくなる。

でも一応言っておいた方がいいかもしけないな。なんかあの婚約者、叶のこと悪く言ってたし。


「後さぁ、オレ多分婚約者にケンカ売っちゃったと思うんだよね」

「は?喧嘩?蹴ったの?」

「手は出してないよ。けど口が……どうしよう」

「三沢家同士は同等の力があるから直接潰し合いとかにはならないと思うよ。人脈とか考えれば姉さんの方が上だし……もし運が良ければ 婚約解消になるかもね」

「……なんか嬉しそうだな」


人がどうしようと悩んだことを言ったのに叶の顔は嬉しそうだ。

なにお前。他人の不幸は蜜の味?


ムッとして叶を見ると叶は「違うよ」と言ってきた。

本当よお前。めちゃくちゃいい笑顔なんだけど。すごい稀に見る顔だぞ。

睨んでも叶はどこ吹く風のように自分の弁当を開ける。あ、オレもまだ食べてたんだ。


タイムリミットもあるから急いで食べる。次の時間移動だった気がするし。

綺麗に食べ終わって、叶が片付けるからという厚意に甘えて先に部屋を出る。

……あれ?オレなんか悩んでなかったか?



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