目覚めたぜ!
まだまだ序盤……
『姉さん、本当にあれやるの?』
『やるやる!絶叫系でもあれは人気なんだって!この前のハゲ上司で溜まったストレス解消してやる!』
『……まあ、いいけど』
納得してなかった。
そりゃそうだ。あれを好き好んでする人なんて稀過ぎる。
オレは並んで自分の番を待つ。まだかまだかといい大人がはしゃいでた。
一番上に付くと風が強かった。それはまあ高いからな。
下で待ってるあいつが見える。手を振ると気がついたみたいで返してくれた。
で、自分の番になって準備する。いざ出陣ってしたら強風が吹いた。
そして―――
「……」
起きたらこれまた知らない場所にいた。……どこだよここ。
見回せす限り白い。ついでにオレの腕には管が繋がっていて、それは上と……何かの液体が入ってるパックに繋がっていた。
ここ、病院だ。このツンッて鼻をつく臭いはアルコールだし、てかこんなに白い場所はオレの中じゃ病院以外知らない。
「気が付いたか王華!!」
オウカ。それはなんとなく自分の名前だと思った。
オレに近づいてきたのはかっぷくが……少し太ってる男性。てか待て。何だその髪の色は。
男の髪は何故か青色。おかしいだろ。髪染めでもやってるのか。
「お前が屋上から落ちたと聞いて父さんは死にそうなほど心配だった!目が覚めて本当に良かった……」
……お父さん?え、まてまてコラ。オレの父親の髪は黒髪だ。
如何わし気に男を見てたら男は嬉しそうな顔から心配げな顔に変わった。
「まさか、父さんがわからないのかい?」
その質問は事実。だから首を縦に振った。あ、動かせた。
すると男の顔が青くなってく。おおすげー。オレこの表情見るの会社で重大なミスした同僚がしてた以来だぜ。
男は急に走っていく。少しでもメタボっぽいのに瞬発力すごっ!?え、太ってるけど運動できます系?
少しして騒がしい音がしたと思ったら白衣の人とさっきの男が入ってきた。白衣のほうは医者か。
医者に質問をされて答えていく。なんとなく本能が「これ言ったらアウト」と思った質問にはウソをついた。
数回のやり取りをして、男に医者は告げた。
「一種の記憶喪失だと思います」
「そんな……」
……普通、そういう話は本人がいないところでやるもんじゃないかな?
てか記憶喪失っていうのも少し違う。
大分思い出してきた。オレのこと、そして
私のことが。
オレは千葉元子。ОLでムカつくが独身だった。んでもって、36歳で死んだ。
死因は簡単に言えば墜落だと思う。ただ、パンジージャンプの縄が切れて、だ。今思うとある意味その遊園地には悪いことをした。事故なんて起きたら営業できなくなっちゃうもんな。けど設備が悪かったんだ!!とここではあえて言おう。
そして今のオレは私、三沢王華だ。言っちゃ悪いが前世の記憶が強すぎたせいでか今世の記憶のほとんどが消えてしまった。おいどうしてくれるんだよ前世の記憶。
覚えてる限りでは三沢王華は傲慢で我儘で嫉妬深くて……オレが言うのもなんだがさすがに女性でそれはいろいろやばいだろ。恨み買うぞ絶対。
屋上から落ちたのが前世の死因と重なったのかオレが目覚めたみたいだ。前の三沢王華よ、すまん。
だがこの体は返さないからな!私はオレでオレは私なんだからこの体が私だとしてもオレが……なんか頭ごちゃごちゃしてきた。この考えはもう止めよう。
今世での父親がまた入ってきて「また明日来る」と言って去って行った。
あれが父親かー。このことで関係ギクシャクしたくねーな。家族なんたがらフランクになってもらいたいものだね~。
まだ少ししか動かせない体に無知打って起き上がる。……頭おもっ!?いや重いっつーかなんか暑苦しい?
ゆっくりと動いて立ち上がり、室内に備えられてる鏡に寄る。
あー体だりー。早く健康になりたいものだね~
だるい体のおかげで正直寝たい。のでさっさと頭が重い理由を知ろうと鏡を見たら
そこには絶世といっても過言ではないほど美女がいた
「……は?」
思わず声が漏れる。青よりも濃い青の髪と目。
目は吊り目だからかクールキャラみたいだな。いやそれよりも髪!なんで長いの!?
オレは短くして……ああ、そういえばまだ王華スタイルだったな。よし、まず退院したら髪切ろう!!