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魔令嬢ダムナティオメモリアエ  作者: はすたー
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第一話 魔族でもいいのか? その2

 アルシュバン大陸の東方ーーラビランド地方を一言で説明するなら辺境だ。

 理由は数多あるが、ここら辺、一体は人跡未踏の地が多くあり、それに伴い開拓も思うように進んでいないのが一番の理由かな、と俺は思う。

 それはともかく、そんなラビランド地方も領土内に含む王政国家であるマーテル王国内じゃ指折りの豪商であるハスワール氏の愛娘エリスが、先頃、流行り病で亡くなったとかーー。

 んで、キザな色男ことマリウスの話では、どうやらそんなハスワール氏の愛娘エリスと俺の容姿が瓜二つらしい。

 奇妙な偶然だーーが、件の話が本当のことならばの話である。


 さて。


「まったく物好きだなぁ。俺のような小汚ない魔族の小娘に食事を奢ったところでろくなことがないぞ」


「フフフ、僕は純粋に食事を奢りたかったのさ。おっと、それはともかく、さっき話をした豪商ハスワールが、今、僕らがいるエフェポスの町に来ているんだけど、これは何かの縁ということで会ってみないか?」


「俺の容姿が亡くなった娘さんにそっくりだっていうお人だっけ? さぁて、どうしたものか――」


 エフェポスの村は辺境の地ラビランドにある町である――ありていに言うと都市部から離れた田舎である。

 オマケに人跡未踏の地も多くあり、そのせいで開拓者が思うように進まない場所と前述したと思うが、こんな辺鄙な場所にどんな用事があって出張ってきたんだろうなぁ、件のハスワール氏は?

 豪商という肩書きを持っている人物なだけに、ラビランド地方を何かしらの金儲けの場所と見出だしたのかも!?


「おい、サカール鉱山へ往くんだっけ? やめておけよ。多額の金銭を得たいのは分かるが、お前の実力じゃ到着する前に殺されちまうぜ」


「何ィィ! お前、俺を馬鹿にしているのか!」


「ハハハ、いいのか? カルスス一行みたい全滅するのがオチだぜ」


「ふええ、その話を聞くと急にサカール鉱山へ往く気になくなったぞ!」


(サカール鉱山!? ふむ、レアな金属の原料となる鉱石が採掘できる鉱山か? もしかして――)


 ――と、そんな一攫千金に繋がるような会話で弾む連中の話が聞こえてる。ああ――察するに、そういうことか!


「うむ、俺の予想が正しければ……」


「フフフ、察したね。豪商のハスワールが、こんな田舎の村に来ている理由が――」


 レアな鉱石、そして豪商のハスワール氏――なるほどね。そういうモノには高値がつくし、件のハスワール氏のようなさらに一攫千金を狙う連中が集まるのは至極当然だろう。


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