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近いようで一番遠い彼女

作者: さくら

俺には幼馴染がいる。


幼稚園の頃からずっと一緒で、隣にいることが当たり前のようになっていた。


「もうすぐで卒業だねーなんか実感わかないや。」


下校中、彼女は来る卒業式の話を始めた。


「そうだなー卒業したら別の高校だろ?今までずっと一緒にいたから変な感じだな。」


内心俺は気が気ではない。


高校が別になれば、俺は自転車通学で彼女は電車通学だ。


登校時間も変わるし、知らないところでいつの間にか彼氏だって出来てしまうかもしれない。


俺は彼氏じゃないしどうこう言えた立場じゃないが、彼女のことが好きな身としては見過ごせない。


「えー笑、家もそんなに離れてないし別に今まで通りでしょ?」


この言葉もそうだが、彼女からは俺のことが好きだという雰囲気を感じたことはない。


望みがなさそうなのがまた、今まで好きだと言えなかった原因だ。


「いつも通りとはいかないだろ。朝も別々なんだしさー帰りだって別だしこの時間も卒業までだぞ。」


「そっかー言われてみればそうだね。彼氏だってできるかもしれないしね笑」


「!あのさ、俺…」


「卒業しても仲良くしてよね~あんたのこと結構好きなんだからさ~、ってごめんなんか言おうとした?」


「…いや!何でもない!」


「何よその間!絶対何か言おうとしてたでしょ~!」


「何言おうとしてたか忘れたんだって笑」


仲良くして、か。やっぱりただの友達としか思っていないんだろう。


いっそのこと幼馴染なんかじゃなく普通の友達として出会えていたら違ったのだろうか。


「いつか思い出したら言うよ笑」


上手くなった作り笑いをして、


今日も言えずに、


いつものように何の変哲もない会話で終わった。


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