55.投資を国内に!(原作)
近年、日本の貿易・サービス収支は赤字が続いており、もちろん、これは円安の要因になっています。この手の話題をすると、「日本は国外への投資益が増えているから問題ない」といった意見も出ますが、金融経済の動画チャンネルなどを参照すると、あまり良い評価を聞きません。
理由はシンプルです。それは、日本国内に投資先がない事の裏返しだからです(もちろん、それでも国外への投資益がないよりはあった方が良いのですがね)。日本国内に、投資すべき新事業があまりないから、国外に投資をしているのです。そして、日本の代わりに投資を受けた外国のGDPは増えているのです。つまり、投資先として選ばれていない分、日本は実質GDPを減らしてしまっているのですね。
ならば、当然、「何かしら日本に投資先を創るべきだ」という話になって来るはずです。では、その投資先に相応しい条件とはなんでしょうか?
それは“国内で資源が調達可能で、かつ輸出を増やし、輸入を減らせる産業”です。GDPを求める計算式を考えれば、これは簡単に分かります。
消費+投資+政府支出+(輸出-輸入)
この条件を満たす生産物の内の一つに、ペロブスカイト太陽電池が考えられます。
ただし、ペロブスカイト太陽電池の費用対効果は現在はそれほど高くありません。鉛を使っている物は毒性が強いので、廃棄処分のコストも考えるとかなりの高額になってしまいます。もっとも、ペロブスカイト太陽電池独自のメリットも存在するので、活用する道がない訳ではありません。弱光下でも発電効率があまり下がらず、柔軟性が高く、フレキシブルに設置できるという特性を考えるのならば、現段階ではシリコン太陽電池には不向きな場所に設置するという限定的な利用ならば十分に価値はあると考えられます。
もしかしたら、これを読んで、「費用対効果が低いのであれば、投資対象としては不向きなのでは?」と思った人もいるのではないかと思います。しかし、マクロ経済を考えるのであれば、「それほど心配しなくて良い」という点が理解できます。
ここで、軽く経済成長についておさらいをしましょう。
経済成長は生産性が向上し、それによって余った労働力で新しい生産物を生産する事で起こります。例えば、米農家がトラクターなどを導入して、労働力が余ったとしましょう。その余った労働力で野菜を生産するようにしたなら、野菜を生産した分、経済成長しています。野菜の取引が増えるのですから、当然、通貨も新たに供給しなくてはなりません。そして、これを“成長通貨”と呼びます。更に通貨は循環しているので、野菜を買う為に支払った通貨は労働賃金として戻ってきます。つまり、支出も増えるけど、収入も増えるのです。
この話を、ペロブスカイト太陽電池に当て嵌めてみましょうか。
ペロブスカイト太陽電池という新たな生産物を増やせるので、“成長通貨”を発行できます。ですから、最初の一回目に関しては、成長通貨でまかなえます。二回目以降はお金を徴収しますが(公共料金でも税金でも構いません)収入も増えるので大きな問題にはなりません。
仮に新たに増やすのが、輸入も減らせず、輸出も増やせない生産物であったのなら、この方法は使えません。が、前述した通り、ペロブスカイト太陽電池は原材料の一部を国内でまかなえ、仮に輸出に成功しなくても、エネルギー資源の輸入を減らせることはほぼ確実なので条件に当て嵌まります。
つまり、マクロ経済を考えるのなら、多少の効率の悪さは問題にならないのです。
さて。
先の話で、実はスキップしてしまった重要な点があります。ペロブスカイト太陽電池は現段階では、効率がそれほど良くはありません。ですから、何も工夫をしないままではペロブスカイト太陽電池を利用している人達にだけ、負担が集中してしまいます。これではペロブスカイト太陽電池を活用する人は現れないでしょう。
そこで、この問題をクリアする為、ペロブスカイト太陽電池の料金を国民全体で負担しましょう。便宜上、“負担”という表現を使いましたが、実際には支出も増える分、収入も増えるので致命的な問題にはなりません。
これは現在、再エネ賦課金として用いられている方法とほぼ同じです。
時折、マクロ経済を理解せず、これが国民の負担になっていると勘違いしている人がいますが、再エネ賦課金は国内を通貨が巡るようになるので、原油や天然ガスなどのエネルギー資源の輸入による富(通貨)の国外流出を防いでくれています。
つまり、むしろ国民の負担は減っているのですね。
ペロブスカイト太陽電池だけを例に説明して来ましたが、ここで説明した方法は、他にも応用が可能です。ペロブスカイト太陽電池よりも耐久性と寿命に優れていると言われているCIGS系太陽電池にでも使えますし、中国に対抗する為のレアアースの採掘にも応用ができます。
どんどん円安が進行し、日本社会が後退し続けれているという警告を聞くようになって久しいですが、こういった工夫をすればいくらでも打開できます。
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なんて原作を考えてみましたが、正直、作れる自信がありません。頓挫したら、ごめんなさい。




