53.女魔王、人間の王と会談する(原作)
本当は生成AIに、文章から四コマ漫画を生成してもらってみたり、自分の描いた四コマ漫画を綺麗にし直してもらってみたりを試そうと思っていたのですが、何故か途中でストップされちゃって最後まで描いてくれなかった(無料のMicrosoft Copilotだからかも)ので、またこの女魔王シリーズを描く事にしました。
今回は前回よりは、気合を入れて制作したいな、なんて今のところは思っています。
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・女魔王、人間の王と会談する
「――さて。
これから人間界へ“トップ会談”に向かう訳だが……、」
魔王城。そう女魔王イリスが口を開いた。不遜な表情。
「単なる“会談”とはいえ、このわたしが自ら向かうのだ。連中はどんな対応して来ると思う?」
魔王軍参謀セルシ・ボイルは数度頷く。
「魔王様は人間界でも注目を集めていますから。しっかりと準備をしているかと」
イリスは嬉しそうな表情を浮かべる。
「それは楽しみだ。連中は何を仕掛けて来るか……。下手な手段で手を出して来たら、返り討ちにしてやろう!」
――その頃、人間界。
商店街。
カメラ屋の前に人だかりができていた。
「望遠レンズ! 望遠レンズをくれ!」
望遠レンズが売れに売れていたのだ。爆売れである。
“魔界から、女魔王イリスがやって来る”
そのニュースは人間界を駆け巡っていた。当然ながら、一目見ようという者達だけでなく、写真撮影しようと躍起になる者達も多く現れた…… 現れたのだが、安全上の懸念を抱いた王国が近距離での写真撮影を禁止にしてしまったのである。
つまりは、寄ってたかって皆が写真撮影したりすれば、イリスの機嫌を損ねてしまうと心配したのである。
――ならば、遠くから写真撮影をするしかない。
そして、望遠レンズが売れまくるに至ったのであった。
誰かが叫ぶ。
「遠目での写真撮影だけじゃなく、近くでこの目にしかと焼き付けたい!」
「それ、みんな、同じなんだからな! ちゃんと効率良く回転できるように計画するぞ!」
「おお!」
……何故か謎の団結も生まれていた。
――そして、女魔王イリスがやってくる当日を迎えたのだった。
王とイリスの会談が、王城前に大広場にて行われようとしていた。
そして、
群衆が女魔王イリスを囲んでいる。ただし、一定の距離を保っている。決して傍まで近付いて来ようとはしない。
イリスは思う。
“ほほぅ。なかなか、きちんとしつけられているではないか。人間界の王国も思ったよりも侮れんようだな”
……実態。
「イリスちゃんに不快な思いは絶対にさせないぞ!」
「そうだ! 確りとアイドル自身の事を考えてこそ(注:アイドルではない)、真のファンだ!」
――ファン有志がスクラムを組んで一部の悪質なファンの暴走を抑えていたのだった。
イリスはちらりと遠くを見やった。たくさん人間達が見えたからだ。
彼女はニヤリと笑った。
“しかも、表面上は大人しくしていながら、遠くから私を写真撮影して情報収集に余念がない。まぁ、気付いているからボロは出さんがな”
――もちろん、違う。
――前述した通り、個人的な趣味の写真撮影である。
彼女の目の前には王及びにその家臣達がズラリと並んでいる。彼女を待ち構えているのだ。
“ほー”
と、彼女は思う。
“莫大な魔力を誇る魔王であるこのわたしに物怖じせず、これだけの数の家臣が集まって来るとはな。見上げた勇気だ”
……実態。
「ズルいですぞ! 王様ばかりイリスちゃんに会えて!」
家臣達が王に文句を言っていた。
王は返す。
「そんなの! トップ会談なんだから、当たり前だろうが! ワガママ言うな!」
「当たり前ではありませんぞ! トップ会談なんだから、王様だけとは限りません」
その家臣の指摘に、他の家臣も「そうだ! そうだ!」と続ける。
「我々だって言わば国のトップ! 充分にトップ会談に参加するに相応しいはずです!」
イリスの目の前には、王と家臣達がズラリと並んでいた。
“これ、何だろう?”
と、イリスは思っていた。少なくとも会談には思えない。
王が手を差し出して来る。握手を求めているのだろう。ニヤリと笑ってイリスは握手に応じる。握手に見せかけた威嚇。腹の探り合い。そう解釈したのだ。
王が言う。
「あなたとは今後も友好関係を結びたいと思っているのです」
もちろん、額面通りのはずがない。
と、彼女は考えていた。
……実態。
「フハハハ! 私は王だから、イリスちゃんと握手しちゃうもんねぇ」
家臣達が一斉にブーイングをする。
「王様だけズルい! そんなのみんな握手するに決まっているでしょーが!」
イリスは王との長めの握手を終える。
威嚇目的ならば、この長さも理解できる。彼女はそう考えていた。手を放した王はこう言った。
「この手は一生洗いません」
「……いや、洗った方が良いと思うぞ」
王との握手が終わった途端、彼女の目の前に別の手が差し出された。どうやら軍部のトップらしい。
再びイリスはニヤリと笑う。同じ様に握手に応じた。それが終わると、別の手が。今度は財務大臣。また、終わると別の手。農林大臣らしい。また別の手。別の手。別の手……
見ると、家臣達が全員並んでいる。
「……ちょっと多過ぎやせんか?」
と、彼女は思わず呟いた。
――そうして、なんだかんだで魔界と人間界のトップ会談は無事に終わったのだった。
魔界。魔王城。
イリスが腕組みをしている。
「人間どもめ。何かしら小細工を仕掛けて来るかと思ったが、ただ自らの統率力をわたし達に示しただけで、実に堂々としたものだったな……」
ウンウンと数度頷く。
それから何かを思い付いたらしく、魔王軍参謀セルシ・ボイルに指示を出す。
「人間どもに連絡を取るのだ。今度は魔界側で人間どもの王を迎えると! こちらの統率力も見せつけてやるのだ!」
「分かりました。早速、電話をします」と、セルシは返す。
数分後、
「人間界の王国から返事が来ました。
“それでは王様だけズルいのでダメ”
だそうです」
そう彼は人間界の返事を読み上げた。
「あれ、統率力は?」
と、イリスは首を傾げた。
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ちょっといつもよりは長いですが、がんばろうと思います。




