4.もうちょい練習してみよう
さて。
ハードルをかなり下げてはいますが、前回までで一応はコミカライズできそうな材料は揃ったつもりに本人はなっています。
実はコミカライズしてみようって思っているショートショートがあるのですが、まだちょっとコミpo!を応用した方法に慣れていないような気がするので、今回は練習に当てたいと思います。
普通のショートショートよりも、軽めのやつを考えてみました。
舞台は喫茶店です。
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■日本人でも落とし物を盗む
喫茶店のボックス席。男が二人だべっている。人相の悪い男が口を開いた。
「日本人が落とし物を届けるって言うけどよ。馬鹿馬鹿しいよな。日本人でもネコババくらいするっての」
向かいの男が返す。
「でも、お前、昨日、拾った財布を届けていたじゃないか」
人相の悪い男。
「だって、落とした人、可哀想じゃないか!」
向かいの男。
「うん」
――こういうのが理想だと思う。
■デート代を奢りたがる男
さっきの続き。
人相の悪い男が口を開く。
「男が奢るのが当然だと思っている女っているよな」
向かいの男は頷く。
「いるいる。めーわくだよな」
「でも、奢りたがる男もいるだろ? そういう奴が女を勘違いさせちまうんだよ」
そのタイミングで、声が響いてきた。男の声だ。
「お願いだ! 奢らせてくれ」
人相の悪い男が言う。
「おー ほらほら、ああいうの」
が、声はこう続ける。
「君は親の借金の所為で、食費すら困っているんだから無理をしないで!」
――納得の理由だった。
むしろ、募金したいくらい。
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このままじゃ、漫画にならないですから、整えていきます。
まずは一本目から。
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1コマ目
喫茶店のボックス席に座る人相の悪い男。
多少、やさぐれた表情。
台詞「日本人が落とし物を届けるって言うけどよ。馬鹿馬鹿しいよな」
2コマ目
1コマ目と同じ男。
多少、ポーズを変えて
台詞「日本人でもネコババくらいするっての」
3コマ目
向かいの男。
台詞「でも、お前、拾った財布を届けていたじゃないか」
4コマ目
やさぐれた顔の男
「だって、可哀想じゃないか!」
向かいの男。
「うん」
ナレーション。
――こういうのが理想だと思う。
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取り敢えず、これで四コマ一つ作ってみました。
ギャグマンガ日和とか、そっち方面のタッチっすね。まぁ、ちょっと違いますが。
最後のコマですが、実は最初はこーしていました。
わざと崩して描いて、感情を表現するっていうのをやろうとしたのですが、やった後で気が付きました。このタッチで、これはまったく合わない(顔もなんか小さいし)。
漫画表現だとよくわざと粗い描き方をする技法って見ますけど、あれってタッチに因るのですねー。ちゃんと考えないと駄目だって学びました。
では、続いて、二本目も。
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1コマ目
喫茶店のボックス席に座る人相の悪い男。
多少、やさぐれた表情。
台詞「男が奢るのが当然だと思っている女っているよな」
向かいの男。
「いるいる。めーわくだよな」
2コマ目
人相の悪い男。
「でも、奢りたがる男もいるだろ? そういう奴が女を勘違いさせちまうんだよ」
3コマ目
コマの外から声。
「お願いだ! 奢らせてくれ」
人相の悪い男。
「ほらほら、ああいうの」
4コマ目
コマの外からの声。
「君は親の借金の所為で、食費すら困っているんだから無理をしないで!」
二人、目をつむって黙る。
――納得の理由だった。
むしろ、募金したいくらい。
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で、がんばってみました。
なんですが、どうも同じキャラクターに見えない(笑っとけ)。それと目の細いキャラなんで目をつむっているようにもできませんでした。
まず初めに、キャラ造形を確り決めておくべきですかねぇ…… てぇか、もうちょっと気合入れて似せられるように努力するべきでしたかねぇ?
ただ、あまりがんばり過ぎると、“できるだけコストをかけない”ってコンセプトに反しちゃいますが。