32.女魔王は心を読む能力を持っていた(原作)
玉砕覚悟ですが、少しはアクションシーンにも挑戦してみようと思って、それ用の原作を今回は作ります。
ほぼほぼ失敗すると思っているので、失敗しても誤魔化せるような内容にします。
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・女魔王は心を読む能力を持っていた
1.読心術
なんやかんや色々あって、勇者パーティと女魔王達は山頂で闘っていた。なんでそんな場所でとか、なんでたったそれだけで闘っているんだとか、ちょっと色々と不自然な気がしないでもないが、そこは見逃して欲しい。ほんと、お願いします。
他の者は部下に任せ、女魔王は勇者と一騎打ちをしていた。しかしなんだか勇者の動きがおかしい。本気で彼女を倒そうとしているようには思えない。だから女魔王はこのように考えた。
“動きがおかしい。ふふん…… さては、何か策があるな”
にやりと彼女は笑う。
“しかし、どんな策があろうが無駄な事。何故なら、私には心を読む能力があるからな!”
目を剥く。
“さあ! どんな策を立てているのか読んでやろう!”
剣を構えた勇者に向けて、女魔王は読心術を使った。すると、彼はこう思っていた。
“女魔王、超可愛い!”
女魔王は思わず固まる。
勇者は剣を振って来た。ただ、力が入っているようには思えない。
“ほんと、可愛い”
“ウルトラ可愛い”
“傷つけたくない”
真っ赤になった女魔王はフルフルと震える。
「“可愛い可愛い”連呼するなぁ!」
2.エロい装備
勇者は首を傾げる。
「連呼? 何の話です?」
女魔王は“しまった”と思う。読心術を持っている事がバレたら警戒をされる。
「こっちの話だ気にするな」と返す。すると勇者は、
“ビックリした。可愛いと思っている事がバレたのかと思った”
などと思う。そして、それから、
“ワンチャンあるかもしれないと思っているのもバレたのかと思った”
などと続けて来る。
勇者は力の入っていない剣戟を繰り出して来る。隙だらけだが、女魔王はなんとなく反撃ができない。
“女魔王の衣装って、なんかエロいし、誘っているのかもしれない! そういうアレなのかもしれない! って思っているのもバレたかと思った”
そして、そう勇者がそう思っているのを読んだ瞬間に、彼女は、
「ちがーう!」
と返した。
「この装備は魔法で防御力を上げ、重さを極力減らした合理的なものであって、決してそういうアレではない! 断じて違う!」
返した後で“ハッ”と我に返る。
“しまった! 思わずツッコミを入れてしまった。読心術がバレてしまう”
だが、特に気にした様子を見せずに勇者は疑わしそうに返す。
「本当ですかぁ?」
「本当だ! 部下からそう説明を受けている!」
「なるほど。ならば信頼しましょう」
言い終えると、勇者は再び剣を構えた。女魔王は彼の心を読む。
“部下に騙されて、エロい格好をさせられている女魔王。超可愛い!”
「ちがーう!」
3.もう帰れお前ら!
女魔王は剣を構えた勇者を見ながら思う。
“相変わらず、本気ではない。可愛いと連呼している。このままでは戦いにならん!”
そこで部下が戦っている女僧侶に目をやった。
“あっちならば問題なさそうだな。魔王が戦う相手は勇者でなくては締まらんが、この際だ。致し方ない”
そう思うと部下に指示を出す。
「おい。交代だ」
チラッと部下は勇者を見る。
「嫌です。男じゃないですか。マッチング対象外ですよ」
「合コンのノリか。いいから替われ」
そして、今度は彼女は女僧侶と対峙した。読心術を使う。
“女魔王、超可愛い!”
女魔王はツッコミを入れた。
「お前もかぁぁ! もう帰れお前ら!」
――帰ったという。
オマケ
女魔王は部下に尋ねる。
「この装備、騙していないよな?」
部下、何も応えない。
「なんか、言え」
***
これでいこうと思います。




