29.チョロいぞ悪魔坂さん!
今回は久々に四コマ形式で行きたいと思います。理由は単に描きたくなったから。多分、コミカライズにチャレンジするようになって実用レベルになっているのは四コマ漫画形式の方だと思う……
まずは原作から作ります。
・チョロいぞ悪魔坂さん!
明日、街で催し物がある。当然、カップルも多く参加するだろう。
カップルを別れさせる使命を負った悪魔坂デビ美さんは、その催し物に集まったカップルの邪魔をする計画を立てていた。
が、彼女をよく知る天使沢キュピ美さんは、当たり前のようにそれを予想していたのだった。
高校の放課後、
「明日、カップルの邪魔をする気?」
天使沢キュピ美さんはカップルを多く成立させる使命を負っているから、悪魔坂さんを捨て置けない。悪魔坂さんを抑える為に来た決まっている。
「ふふん。あんたが何をしようが無駄よ。私はカップルを破滅においやる!」
腕を組んで不敵な笑みで彼女はそう返した。すかさず、それに天使沢さんは返す。
「その催し物で、サイトー君とのデートをセッティングしてあげましょうか?」
悪魔坂さんは即答する。「のったわ!」と。
――チョロい。
下校の途中、
「ふんふふーん でぇと、でぇと」とスキップしている悪魔坂さんに、突然、謎の影が話しかけて来た。
「随分とご機嫌だな、悪魔坂デビ美よ」
悪魔坂さんは目を見開く。
「あなたは、魔王様」
魔王様は問いかける。
「よもや、使命を忘れてはいないだろうな?」
「もちろんです、魔王様」と、悪魔坂さんは自信たっぷりに答える。
「サイトー君とのデートです」
――忘れてる。
「違うだろうが! カップルを邪魔するのがお前の使命!」
魔王様のツッコミを受けると、悪魔坂さんは言う。
「では、サイトー君とのデートの後で」
「ならーん! 夜中になってしまうだろうが!」
「チッ」とそれに悪魔坂さん。
「お前、今、舌打ちしなかったか?」
「してません」
一度、目を逸らしてから悪魔坂さんは言う。
「でも、夜中の方がむしろカップルの本番では?」
「………」
少し考える魔王様。
「ダメだ! お前はまだ18歳になってないのだぞ?」
意外に真面目な魔王様。
魔王様に怒られても、悪魔坂さんは納得していない模様。無言で見つめ合う二人。膠着状態。
そこにいつの間にかやって来たのかいきなり天使沢さんが話しかけた。
「悪魔坂さんが、サイトー君とくっつけば、人間同士のカップルは減るのでは?」
それを聞いて、ちょっと固まる魔王様。
「なるほど!」
――魔王様もチョロかった。
これで行こうと思います。




