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0.はじめに

 小説家になろう作品にはコミカライズされている作品が多くあります。本屋でよく見かけるし、レビュアーさん達がレビュー動画をたくさん上げているのでご存知の方も多いでしょう。

 ただ、恐らくは皆さんが目撃しているコミカライズ作品は極一部に過ぎないと思われます。ある程度人気がないと本屋で目立った場所には置かれないでしょうし、やはりある程度人気がないとレビュアーさん達はレビューをしてはくれないでしょうから。

 僕はそういった人気のないコミカライズ作品を、偶然雑誌で見かけたことがあります。時々単行本の販促用に一話だけ雑誌に載ったりしますがそれで。その作品、読み始めは期待をしていたのです。絵から気合が入っているのが如実に感じ取れて、いかにも面白そうだったからです。

 が、読んでみて「なんだこりゃ?」って思ってしまいました。

 いえ、絵は素晴らしかったのですよ。でも、ストーリーがいわゆる他に幾らでも類話のある“なろう系テンプレ”というやつで、面白くともなんともなかったのです。もしかしたらなろう系テンプレ作品を初めて読んだのであれば楽しめたのかもしれませんが、流石にもう無理です。

 

 「うー…… 漫画家の方、原作に恵まれませんでしたねぇ…」

 

 なんて感想を僕は持ちました。

 

 そして、その僕の感想通り、その作品はあまり売れなかったのです。

 

 原作を担当した、そのなろう作家の方、他の作品も知っているのですが、内容はやっぱりなろう系テンプレでした。正直、まんが原作には向いていないのじゃないかと思います。……と言うか、ですね。

 小説家になろうで、ランキング上位に入る最も効率の良いやり方は、キャッチ―なタイトルでできる限り目立って、偶然ポイントを稼げたら続きを書く…… という粗製乱造方式であるらしいです。だから、話の内容もあまり考えられていないものが多い。つまり、一作品一作品にそれほどのコストはかけていないってことです。ですから、小説家になろうで宣伝されている以外で、恐らく、なろうテンプレ作品をコミカライズするメリットはないでしょう。

 が、しかし、そんな熱量の少ない完成度の低い作品を、コミカライズ担当の方は漫画にしないといけないんです。そして漫画を制作するのは、物凄い労力がかかります。しかも、下手すれば、その作品の人気がその人の人生を左右しかねないんです。

 

 ――いくら何でも、これはちょっと可哀想じゃあありませんか?

 

 器用なコミカライズ担当の方だと、独自の工夫を施して(原作はシリアスなのにコメディに変えたり、原作にないシーンや設定を追加したり)、オリジナル要素を加えた上で魅力的な話にしたりもしているようですが、それほど器用ではなかったり、そもそも改変を許されていなかったのなら泣き寝入りするしかありません。

 

 そこで僕は考えたのです。

 ならば、小説家になろうを『はじめからコミカライズされた作品が評価を受ける』というシステムにしてしまえば良いのではないか?と。

 小説作品の項目に、“コミカライズを許可する”というフラグを設け、そこにチェックされた作品に関しては、小説になろう内においてのみコミカライズをして良い事にするのですね。つまりは、新たに“コミカライズ部門”を創設するという話です。

 これならコミカライズ担当者が自由に作品を選べます。

 コミカライズされた作品がポイントを得る上で有利になるシステムにすれば、小説を書く人達は、コミカライズ能力のある人に選んでもらえるように努力をするでしょう。すると“粗製乱造”ではなく、確りと作品を仕上げるようになるはずです。小説家になろうは世間一般でクオリティが低いと評価される場合が多いのですが、このようなシステムにすればそれが改善するかもしれません。

 

 ――ただし、この案には少しばかり問題があります。

 ……コミカライズ部門が創設できるほど、作品が集まらないかもしれないんです。先にも述べましたが、コミカライズには労力がかかりますからね。

 また、コミカライズをしてもらえるほどの知名度がない人は、大きく不利になってしまうかもしれません。何かしら突破口があった方が良いのは明白でしょう。

 

 そこで更に僕は考えました。

 

 「コストをかけずに、自分でコミカライズできるようになれば良いのじゃないだろうか?」

 

 と。

 

 そう考えたのにはちゃんと根拠があります。僕は絵を描くのですが、ぶっちゃけあまり巧くはありません。ですが、そんな僕でもパソコンのお絵描きソフトなどのツールを上手に工夫すれば、比較的労力をかけずに、

 挿絵(By みてみん)

 こんな感じのイラストを描く事ができるのです(この絵、実は30分もかかっていません。ま、サービスが終了したあるお絵描き掲示板の機能を使って描いているので、今はこのタッチで描くのはもう無理なのですがね)。

 

 実際にできた実績があるのですから、色々と工夫していけば、コミカライズだってコストをかけずにできるようになるかもしれないじゃないですか。

 なので、「ちょっとチャレンジしてみようかなぁ?」なんて気になったのです。そして、その方法をこのエッセイ(?)で公開してみようと。

 もちろん、楽して制作したコミカライズのクオリティは、プロには遠く及ばないでしょうけどね。

 理想としては、それでセルフ・コミカライズする人が増えて、「人気が出た作品を、プロが本格的にコミカライズする」なんてネット文化が醸成できたらな、などと思っています。

 いえ、可能性はほぼ0だとは思うのですがね。それでも、まぁ、簡単に言ってしまえば「楽しそう!」なので。

 

 では、次からは具体的にコミカライズをしていきたいと思います。

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