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フリー台本集  作者: nite
1/7

男性一人向け、サラリーマンの電車

登場人物:男性、独身、サラリーマン(26)


通常かっこ「」が肉声で、二重かっこ『』が心の声です

(会社からの帰りの電車の中、満員の車内で立っている)


肉声「はぁ…〈ため息〉腹減った…」


心の声『ああ、疲れすぎて声に出てしまった。周囲に変な風に見られていなければいいけど』


周囲をこっそり見渡して誰にも見られていないことに安堵する


『まあ僕のことを見ている人なんていないよな。皆自分のことで精いっぱいだもんな』


『今日は帰る前にコンビニに行って夜ご飯を買わないと…ああでももうそれも面倒だな……何も食べずに寝てしまってもいいかな…』


自分の考え方にハッとする


『だめだだめだ!そんなことをしたら倒れてしまう!やっぱ疲れてるときは変な考えしか生まれないな…空腹は敵なんて…ははっ〈乾いた笑い〉、よく言えてるよ本当に』


電車が少し大きめに揺れて隣の人の肩にぶつかる


「おっと、失礼しました」


相手は謝ることもなく手元のスマホを見続けている


『よくスマホ触りながらこんな満員電車で立ってられるもんだ。ゲームか?まあ僕の言葉に気付かないっていうのもどうかとは思うけどさ』


『この電車に乗ってる人はみんな他人のことなんか気にしてない。それに僕だけが疲れてるわけじゃない。分かってる…分かってるんだ…』


ふとぶつかった相手のスマホの画面が視界に入る。それは連絡アプリだった。帰る旨のことを家族に伝えている様子だった


『ああ、この子は家族に連絡しているのか。僕には誰にも連絡する相手がいないからな…』


『家に帰ったら一人でご飯を食べて、寝て、そして起きる…一体僕は何をしてるんだろう…』


電車が次の降車駅を伝える。自分が降りる駅だ


『ああ、次で降りないとな。(皮肉気に)一人で、ね』


『寂しくなんかないけど…婚活、してみようかなぁ…』


end

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