4話目:おさんぽ#0
続きものです
登場人物:わたし
頭の中
家に帰って2日目がたった。
今日は脳みその中で泳がなかった。
色々考えてみたけど、やっぱり今の脳みその中はちょっと無空間すぎるよ。
今のところわたししか活動してないよ、あそこ。
魚はまだ眠ってるし……。
どうすれば、賑やかになるかな?
そういえば、脳みその中には音楽とかないのよねえ。とりあえず海の中の音は禁止。
ということで今回は雨の音をセットしてから頭の中に行くことにした。
でも 海の中じゃあ雨は降らない
だから仕方なく、わたしは海の中じゃなくて知らない住宅街を歩くことにした。
こつこつ
こつこつ
しらない住宅街。
脳みそじゃない頭の中。
レースの傘をさして、いつものロリィタ服に着替えたら、とことこ歩く
今日は黄色のレインブーツ。
レインブーツで歩く度に
ぺちゃぺちゃという音が鳴るのがたのしくて、
たのしい。
雨の中歩くなんて現実ならできないから嬉しいな、そんなことをしたら先生やおかあさんに怒られちゃうし。
知らない建物
知らない住宅街
脳内で勝手に増築されたステージ。
知らないところはちょっと怖いけど、今のわたしはいざとなれば怪物にだってなれるもんね。
いつのまにかスキップしてる。
歩くってこんなにもたのしいんだ。新発見。
歩く
歩く
水溜まり 見つめたくて足止める。
綺麗なたまり場、心まで透けてしまいそう?
見つめる
わたし:……?
わたし:水たまりになにか見えたような
何だか違和感を感じたので、顔をどぱんと水溜まりに入れてみる。今思い返すと大胆だなあ。
顔が汚れるから今は絶対したくないけど。
そしたら大変、水溜まりはなんと海へと繋がっていたのだ。
わたし:わっ
これはおどろき。
頭と脳みそはリンクしてるから、何処にいてもすぐ脳に飛び込めるようになっているらしい。今回は水溜まりが脳とのつながりになっていたんだ。
水溜まりから海を覗いていると、
わたしが好きな漫画のキャラクターがやってきて手を振ってくれて、それがとても嬉しくて、挨拶代わりにオレンジ飴を上げた。
わたしがだいすきなオレンジ飴、とっても可愛いのでヨロコんでくれるといいな。
運動してる子にオレンジ飴1個はボリュームが少なすぎるかなあなんて思ったけど、喜んでくれたみたい。
それが嬉しくて、雨もオレンジになっちゃった。
○○くんはぺこりとお辞儀をすると、
○○〇〇くんと何処かに行ってしまった。
わたしもそろそろ行こうかな。
水たまりから顔を出すと、頭の中に戻る。
雨を舐める。オレンジの味がした。