化け物 鬼
「家の中なのに、なんでこんな化け物がいるんだよ」
「入ってくるなってば」
玄関をあけたら、唐突に出くわしてしまった。
そこにいたのは、化け物だ。
現実に、いるはずがないのに。
でもいる。
きっとやばい。
襲って来るぞ。
ほら、化け物が来た。
来たら、足早いぞ。本気をだしたら、きっと逃げられない。
今の内に、逃げなくちゃ。
うわあぁぁぁ。
こいつ家の中の構造を熟知してやがる。
もうだめだ。
逃げられない。
だけど死にたくない。
化け物から逃げなくちゃ。
一秒だって、生き延びたいんだ。
化け物に食べられたくない。
化け物に殺されたくない。
怖い。
怖い。
足が震えて、固まってしまいそうだ。
でも、頑張ろう。
頑張らなくちゃ。
近くにあった、小さいつぶつぶを掴んだ。
なんて頼りないんだろう。
こんなもので、追っ払えるはずがない。
でも効き目があるって、大人達が言ってた。
だから使ってみよう。
何もしないよりはましだ。
ダメ元で、そのつぶつぶを投げた。
「鬼は外!」
そしたら鬼の化け物は、「うわぁぁぁ! やられたー」と悲鳴をあげて、この家から去っていった。