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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

合コンで気を付けること

作者: 水戸 祥平

「この間の男、ホント気持ち悪かったよね。」

ミカに共感を求めた。

「あのメガネのデブでしょ?汗ダクでキモ過ぎて、すっげぇ笑っちゃったしね。いくら金持ちだからって相手できねーつーの。」

3ヶ月前の話だったが、ミカは直ぐに見当がついていた。

「私、岸田君に凄い怒ったもん。何で人数合わせでもあんなヤツを合コンに呼ぶんだよって」

3ヵ月前の合コンは、私が岸田にお金持ちを連れてきてってお願いした合コンだった。岸田を注意していた事を改めてミカに伝えた。

「でも、今回の面子良かったよね。特に三井君。」

ミカも今回の合コンには、満足しているようだった。

「ミカ、だいぶ三井君にアタックしてたけど、どうだったの?」

本当は、私も三井にアプローチしたかったが、ミカが珍しく本気モードだったから、譲ったのだ。だから、私も結果が気になっていた。

「彼ね~けっこうシャイで可愛いの。女性経験があんまりないみたいだから、リードしてあげてるのよ」

私は、心の中で舌打ちをした。いつも私は、上手くいかない。友達ばっかりが上手くいって嫉妬心が高まったが、グッと堪え、聞きたくもない事を尋ねた。

「いいじゃん。次に会う約束したの?」

「今週の土曜日に会う約束してるよ。結果は、報告するからね。あとさ~・・・」

その後、ミカから他愛のない話を聞かされたが、腹が立っていたせいか、耳に入ってこなかった。


今週の土曜日の夜、なぜか三井君から電話があった。

「もしもし、実は今日、ミカちゃんと会ってたんだけど、ミカちゃん怒って帰っちゃってさ~。本当に困ったよ」

「今日、ミカと会ってたんだ。でも、上手くいかなかったんだね。なんで、怒って帰っちゃったの?」

私は、ミカと三井が会っていることを知りながら、知らないふりをして三井に尋ねた。

「実は、恥ずかしいんだけどさ。ケイコちゃんの事が気になっててその相談をしたら、怒って帰っちゃってさ。直接言えばって怒られちゃって。」

私は、嬉しくなって答えた。

「そうなんだ~。ありがとう。」

三井は、続けた。

「合コンの時は、ミカちゃんとしか喋れなくて後悔してたんだよ。もし、良かったらさ明日空いてる?」

予定は埋まっていたが、彼のことが気になっていたこともあり、私は、都合をつけて彼と会うことにした。

ミカは、彼に振られたことが悔しくて私に何の連絡もしてこなかったのだと納得した。


次の日

彼とランチをする約束をして、私の家まで車で迎えに来てくれた。

彼は、スポーツタイプの高級車で私を迎えに来てくれた。

「実はさ、今日俺の手料理をご馳走しようと思ってさ。いいかな?」

「良いよ。食べてみたい。」

初めてのデートで彼の家に行くのに抵抗はあったが、高級車を見て彼の家に興味を持ちOKした。

案の定、高層の高級マンションの駐車場に車を止め、丁寧なエスコートを受け、最上階の部屋へ着いた。三井の部屋は、とても広く窓から東京タワーが見えるような好立地なマンションで、モノトーンのオシャレな部屋にしている。部屋の奥から良いにおいがしている。

私は、テンションが上がり、彼に尋ねた。

「すごいお家に住んでるね。こんなお家に入るの初めて。すごく美味しそうなにおいがするね。もうご飯作ってあるんだ?」

「昨日からシチューを煮込んでおいたから、張り切って作っちゃったよ。すぐ準備するからちょっと待っててね」

彼が、奥のキッチンに向かい、シチューを取り分け、キレイなお皿にとりわけ、私の前に出してくれた。

「ありがとう!すごくおいしそうだね!食べてもいい?」

彼は、微笑みながら答えた。

「もちろん。」

「いただきまーす!」

私は、元気よく挨拶し、シチューを口にした。

食べたことのない肉の感触に少し驚き彼に尋ねた。

「おいしいね。すごく料理上手だね。でもこのお肉食べたことないんだけど、何のお肉?」

「ミカちゃんのだよ」

彼は笑いながら答えた。

「いやいや止めてよ。変な冗談言わないでよ。本当は、何のお肉?」

戸惑いながら再度尋ねた。

彼は。真顔で答えた

「だから、ミカちゃんの肉だって言ってんだろ」

私は、気持ち悪くなり飲み込んだ肉を吐き出した。

彼は、続けた。

「友達は、美味かったか?」

私は、震えながら涙声で答えた。

「あんた頭おかしいんじゃないの!本当にミカを殺したの!?」

彼は、真顔で答えた。

「お前とミカは、俺の後輩の前で、プライドをズタズタに傷つけた。よってお前らを殺してやることにしたんだよ。せっかく殺すんだったら、人間がどんな味がするのか、試したまでの話だよ。お前も人間を食べられて良かったな。意外と旨いよな?」

訳が分からなかった。私もミカも、三井に恨まれるようなことは、全くしていない。なぜ、こんな仕打ちを受けるのか理解できなかった。真意を尋ねた。

「私とミカがあんたに何をしたのよ!」

彼は、淡々と答える。

「お前、まだ気付かないのか。俺は、倉田だ。覚えてないか?お前達が、馬鹿にしたメガネのデブだよ。」

私は、全てが直結したが、三井は、倉田という人物と似ても似つかない顔であることから彼の言っていることが全く理解できなかった。もう一度尋ねた。

「顔も体系も全然違うじゃない?あんたと倉田とじゃあ全く繋がらないじゃないのよ!」

彼は、鼻で笑うように答えた。

「顔と体を整形したんだよ。初めは、お前達を殺す気はなかった。見返してやってそれから打ち明ける程度で済ませてやろうと思ってたくらいだった。しかし、前の合コンで俺の前で、俺のことをdisっただろ。」

彼は、小刻みに震えながら続けた。

「そのとき、俺は・・顔や体系を変えるほど傷ついたのに・・お前達は、まだ俺のことを・・・お前達を絶対に許せない!!って思ったんだよ。まぁおかげで容姿を変えて俺は、女にもてるようになったことは、感謝してるけどな。だが、殺してやる」

私は、必死でお願いした。

「お願い!殺さないで!!今では本当に悪いと思っているから、本当に許して。なんでもするから、許してください。」

「じゃあ土下座して謝れ」

彼は、私に真顔で命令した。

「本当に傷つけてすみませんでした。」

私は、懇願した。

「こう言ってますけど、どうしますか?」

彼は、誰かに声を掛けた。

「とっても面白かったよ。いいだろう。仕方ない。許してやる」

三井の視線の先から聞こえた。振り返り、爆笑した者の姿を確認した。

倉田がお腹を抱えながら、笑っているのが分かった。

私は、怒りながら三井を問い詰めた

「あんた、整形したんじゃなかったの?」

「そんなのウソに決まってんだろ。すべては、倉田さんから指示を受けてやったまでのこと」

笑いながら三井は、答えた。

私は、激高した。

「ふざけんじゃないわよ!!あんた達こんなことしていいと思ってんの!警察に言ってやるから。」

倉田は、言った。

「やっぱりこいつ達は、自分の命を守るために詫びることをするが、本当の意味で反省などしていない事がよくわかった。このまま何も言わず、帰っていたら許してやったが、こいつもこうなったな三井。」

三井は、答えた。

「こいつも殺りますか?」

私は、震えながら尋ねた。

「ミカは、死んでないんでしょ。」

三井は、答えた。

「いいやミカは、殺したよ。お前が食べた肉は鹿肉だったがミカは、殺したよ。」

私は、震えながら必死でお願いした。

「本当に反省しています。誰にも言いませんから、助けてください。」

倉田は、笑いながら答えた。

「お前は、ついさっき土下座して命乞いをして、ものの10秒で警察に言ってやるって言ったんだぞ。

お前は、そんなヤツを信じることができるか?」

私は、何も答えることができなかった。




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