探偵と天使
初めて書いた小説です。
凄く読みずらいかと思いますがよろしくお願いしますo(^-^)o
第一章「探偵の過去」
「もう、寛二早く、今度はあれ乗ろうよ。」
一人の女性が言った。
長い髪ジーパンをはき服はTシャツ、その女性の名は浜谷桜。「分かった、分かったよ桜、そんなに急いで行く事ないだろう。」
そういうのは本を片手に持ち高い身長、髪は薄い茶髪の男、そう桜の恋人でもある谷村寛二だった。
「もう寛二ったら〜とろいよ。」と桜。
「うるさいなぁ、もう年寄りなの俺は分かる。」と寛二。
「そんなのどうでもいいの、ただ私は寛二と遊び・・・・・・」桜は最後まで言葉を続ける事が出来なかった。
「何だよ。」と寛二は言った。桜は、十秒位黙ったままだったが急に笑顔になり寛二の背中を叩いた。
「ったー。いてぇだろう。」と寛二。
「そんなのどうでもいいの。さぁ早く行きましょ。」と桜は言って寛二の手を持った。
「えっ。」と寛二。
「良いでしょ。デート位、それに逆らうと約束破りになるよ。」と桜は言った。
「何が。」と寛二。
「言ったでしょう。私が剣道の試合で優勝したら、何でも言うことを聞いてやるって。」
恥ずかしそうに桜は言った。
「そんな事言ったっけ。」と寛二。
「言ったよ。それより、昼食にしない。」と桜。
「さっきあれ乗ろうって言ったじゃない。」と寛二。
「良いの。寛二と話してたらお腹空いちゃった。さぁ行こうよ。」
桜はそう言って寛二の手を引いた。
寛二は慌て後を追った。
ただのカップルにしか見えないが、ある事件をきっかけに不思議なカップルになってしまう。そう探偵と天使のように・・・・・・・・・・・・・・・・・
「お待ちどうさま。」
桜がそう言って持ってきたのがフランクフルト二本にコーラ。それにポテト二つだった。
「お〜旨そう。さぁ食うぞ。」と寛二は嬉しそうに言った。
桜は笑っていた。
「もう、寛二ったら得意分野は食べることと事件だけね。」
「うるせぇ、食わないと仕事出来ないんだよ。」
また桜は笑った。
「何が可笑しいんだよ。」
寛二は恥ずかしそうに言った。
「だって、ほっぺたについてるもん。」
桜は笑ってそう言った。
「何処?」
寛二は手で自分のほっぺたに手を当てた。
「私がとったあげる。」
桜はそう言ってほっぺたを持っていたティッシュで拭いた。
「この後どうする?」
寛二は少し嬉しそうに言った。
「この後はねぇ、あのジェットコースターに並んでいる間に私がお土産を買って、その後一緒にジェットコースター乗るの。で・・・・・・・・・その後、花火を見て電車でkz駅まで帰って、そこから二人で歩いて帰るの。」と桜は笑って言った。
「結局、俺は順番待ちかよ。」寛二はため息をついた。
「約束破るの?」
桜は怖い顔で寛二を見る。
「はい、並びます・・・・・・」寛二はビビりながら言う。
「じゃあ行くとしますかぁ。」桜は怖い顔から急に笑顔になって言った。
「・・・・・・・・・・・・・・・仕方ないなぁ〜。」
寛二は嫌そうに小声で言った。
結局桜の言った通りにその後は進んでいた。寛二がジェットコースターに並んでいる間桜はお土産を買いに行って、帰ってきた頃にはもうすぐでジェットコースターに乗れそうだった。
その後はジェットコースターを楽しみ、花火も一番前で見た。そして帰りの電車の中、二人は仲良く電車の中で頭どうしをぶつけながら寝ていた。
kz駅に到着する直前に二人は起きて急いで電車を降りた。
二人は顔を見合って笑った。
「帰ろっかぁ」と桜は笑顔でいった。
「そうしますか。」と寛二。
その後二人は駅を出て暗い道を二人で手を繋いで帰った。
「いつまで続けるの?」
寛二は恥ずかしそうに言う。
「良いの、良いの。それよりまた行こうね。」
桜はやたらと嬉しいそうだった。
寛二は照れていた。
家まで後2km位の所で事件は起きた。
細い道ではあるがいつも通っている道だった。
「二人は早く言ってよ。」
桜はそう言いながら後ろを向いた。
すると、後ろから白い車が突っ込んできた。
「え!」と寛二。
一瞬の出来事だった。
寛二が気が付くと上には桜がいた。
寛二は桜が上に居てくれたおかげで助かった。
しかし桜は違う。
白い車のナンバープレートが桜の頭に当たり二人とも病院に運ばれたが桜は頭部強打により死亡。
「寛二、大好きだよ。」これが寛二が聞いた最後の桜の言葉だった。
寛二は、病院のベッドで泣いていた。
第二章「探偵」
それから一年後、寛二は高校二年生になっていた。
「え〜、これで授業を終わります。」と体育教師の清原先生。生徒からは(きよちゃん先生)などと呼ばれている。
「さぁ飯、飯。」
寛二が体育館から三階の教室に戻ろうとした時だった。
「あの〜。」
一人の女性が声をかけてきた。
「告白なら、断るよ。」
寛二は女性から声をかけられると必ずこういう。
「嫌、違うんです。」
その女性は言った。
「じゃあ何?急いでるから早くして。」
寛二の頭の中は昼食の事でいっぱいだった。
「はい、実は今日朝来たらこんな手紙が入ってたんです。」
そう女性は言うと一枚の紙を寛二に渡した。
○○○○へ
君に話したいことがあるんだ。放課後、(てくあダあ)の下で待ってる。
○○○○より
「何処だかさっぱり分からなくて。」
(確かによく分からない。この暗号を作った奴を紹介して欲しいくらいだ。)
寛二はそう思った。
「いつも帰り道に通る場所とか、ある?例えば公園とか?」
寛二は女性に聞いた。
「公園なら、昔よく仲の良かった男の子と遊んでました。時計台の針が5と0になったら、帰ってきなさいってよく母に言われました。」
女性はまるで昨日起きた出来事のように話した。
「時計台かぁ〜〜〜〜〜〜、あっ、分かった。」
寛二は暗号を見ながら言った。「何が分かったんですか?」
女性は言う。
「今日の放課後、その公園に行ってみて下さい。もしかしたら、昔仲の良かった男の子に会えるかも知れませんよ。」
寛二は嬉しそうにそう言う教室に入ってしまった。
女性は寛二の言う通りに放課後時計台のある公園に行ったらしい。
女性の話によると、昔仲の良かった男の子が手紙の差出人で、告白されたそうだ。
彼は高校生探偵。
これまでも数多くの難事件を解決に導いてくれた。
けど今は違う。
理由は分からないが、おそらく、一年前のあの事件がきっかけであろう。
そう大切な人を亡くしてしまったから・・・・・・・・・・・
昼食がすみ一人窓の方を見ているとこれまた一人の女性が話しかけてきた。
「おい、探偵マニア。一人で窓の外を見て青春かい?」
「うるせぇなぁ薫。大富豪の娘に俺の気持ちなんて分からねぇよ。」
ニヤニヤしながら、話しかけてくる桜の友達、薫に寛二は言った。
「何言ってるの。私は、桜のかわりにあんたをかまってあげてんの。わかる。」
薫は言った。
「お前、今、何て言った?」
寛二は怒った顔で薫を睨んだ。「だから・・・・・・・えっ・・・・・・桜のかわりに・・・・・・・・・・・・・」
と薫は言う。
薫は少しビビっていた。
「いい加減にしろ、薫!もうあいつの事で悲しみたくないんだ。」
寛二は叫んだ。
周囲の人が黙って寛二と薫を見た。
「ごめん。」
薫は泣きそうになりながら言った。
「もういい。あっち行ってろ。」
と寛二は言った。
もう彼女の事は思い出したくない。絶対に嫌だ。でも、必ず俺の心の奥底には彼女が最後に言った、(大好きだよ。)という言葉がある。
消したくても消せない、悲しくて切ない思い出だった。
「よ〜し、お前ら早く座れよ。」
教室に入ってきた担任の中山健司先生が言った。
「よ〜し、じゃあ始めるぞ。」
中山先生の号令。
どうやら(よ〜し)は中山先生の口癖らしい。
こうしてこの日の最後の授業が始まった。
寛二はボ〜ッと授業を聞いていた。
周囲には寝ている人や携帯電話でメールしている人、漫画を読んでいる人などもいた。
寛二はやはりさっき怒ったしまった薫の事を心配していた。
「谷村この問題やってみろ。」中山先生は眠りそうになっている寛二に言った。
しかし寛二は半分気を失ってるため聞こえていなかった。
「谷村!!」
中山先生は寛二に向かって叫んだ。
「は・・・・はいっ」
寛二は慌て答える。
寛二の驚きに周囲の生徒は笑顔を見せた。
寛二も少しだが照れていた。
"キ〜ンコ〜ン・カ〜ンコ〜ン"授業が終わるチャイムがなった。
「ほら、見ろ。谷村が遅いからチャイムなってもうたやろ。まぁいいわ、次回最初谷村な。」先生はそう言うと教室から出ていった。
教室の笑いは授業が終わっても続いていた。
その後寛二は終令を終わらして家に帰った。
そう、家で待ち続けている。(奇跡)という者も知らずに・・・・・・・・
空の国では桜が老人と話をしていた。
「私はお前を地上に返す事が出来る。」
老人は桜に言った。
「本当ですか?」
桜は老人に驚きながら言った。
第三章「天国からの贈り物」
「但し条件が、ある。」
老人は桜にそう言った。
「何ですか?」
桜は少し不安になっていた。
「君には地上にいる、君の恋人と一緒に未来で起きる事件を解決してもらう。それが出来なければ・・・・・・・・・・・」「出来なければ・・・・・?」桜は老人に続いて言った。
「君はこの世界にも、地上の世界にも居られなくなる。」
老人は桜に真剣に言った。
桜は悩んだ。
(解決出来たら、寛二とまた一緒に暮らせる。でももし失敗したら・・・・・・・・あぁ〜もうどうしよ。)
「どうする?」
老人は桜に言った。
「私やります。寛二ともう一度暮らせる可能性があるのなら、やります。私。」
桜は腹をくぐった。
「分かった。じゃあ、目を瞑りなさい。」
老人は笑顔でそう言った。
桜は少し体全身の力を抜き、老人の言う通りに目を閉じた。
桜の目に映ったのは、過去の自分。
・・・・・まだ生きたい・・・・・・・・・
「もう目を開けていいぞ。」
桜の耳に老人の声が入ってきた。
桜は言うとおりに目を開けた。しかし、周囲は真っ暗である。「いいか、君は君の恋人にしか見えていない。君の姿をみてきっと驚くだろう。必ず会ったら事情を説明するんだ。いいな。」
老人の声がした。
「はい。でも、何処へ行けば・・・・・・・・・」
桜は少し怖がっていた。
「まっすぐ、まっすぐ行きなさい。」
その後老人の声は消えた。
気が付くと桜は大きな扉の前で立っていた。
「どうすれば。」
しかし、もう老人の声はなかった。
「仕方ない・・・・・・・・開けよう。」
桜は少しビビりながらも扉を開けた。
桜の目に映ったのは見慣れた部屋だった・・・・・・・・・・・
一方寛二は桜が老人と話をしているとき学校から帰ってくる途中だった。
「はぁ〜。」
寛二はため息を溢した。
(桜は今、どうしてるかなぁ。薫、怒ってないだろうか。)
寛二はそんな事を考えていた。「ただいま。」
寛二はそう言うが家には誰もいない。
寛二が靴を脱いでリビングに向かった時。
「ワン、ワン」
寛二が飼っている愛犬の武蔵がよってきた。
「お〜元気かぁ〜武蔵。」
寛二は武蔵に餌をやった後、自分の部屋に向かった。
部屋に入ると、ベットに倒れ込んだ。
(一年前までは、賑やかだったのに。桜〜戻って来てくれないかなぁ。)
寛二はそう思いながら目を閉じた。
「寛二、寛二。」
寛二の耳に聞き慣れた声が入ってきた。
「桜?」
寛二は寝ぼけながらそう言った。
「そうだよ。起きて寛二。」
桜の声がまた寛二の耳に入ってきた。
「桜〜」
寛二はフラフラしながら腰を上げた。
「おはよう。寛二。」
寛二の目には桜の姿が映っていた。
「お前。桜か?」
寛二は少し寝ぼけている。
「そうだよ。」
目の前にいる桜が寛二に言った。
「嘘だろ。」
やっと寛二は目を覚ました。
「嘘じゃないよ寛二。会いたかった。」
桜はそう言うと寛二を抱き締めた。
寛二にとっては奇跡としか思えなかった。
「でも、何で・・・・・・・・・・一年前に死んだはずじゃ・・・・・・・まさか夢か夢なのか?」
寛二はまだ目の前にある現実を受け止めていない。
「落ち着いて寛二。生き返った訳じゃないの。」
桜は焦りながら言った。
「どういう事だ。」
寛二は少し落ち着いて言った。「え〜とねぇよく聞いて、寛二。」
桜はそういうと、全てを話始めた。天国の老人の事、どうして生き返ったかなど、寛二に全てを話した。
「じゃあ、未来で起きる事件を俺と桜で解決出来れば、また一緒に暮らせるってわけか?」
寛二は言った。
「そうよ。やる?」
桜は素直に寛二に聞いた。
「当たり前だろ。また桜と一緒に学校行けるなら、死んでも解決してやるよ。それが俺の、嫌探偵の仕事だからな。」
寛二はそう言った。
とても嬉しそうだった。
こうして二人は未来で起きる事件を解決する事となった。
第四章「事件予告」
桜はこの日寛二の家で眠りについた。
「お休み。」
寛二はそう言ったが桜はもう寝ていた。
(一体、俺はどんな事件を解決しなければならないのだろうか・・・・・・・・・・・・・・・)寛二はそう思いながら目を閉じた。
次の日
「おはよう。」
桜はそう言って起きたが隣に寝ていたはずの寛二はいなかった。
「寛二・・・・・・・・・・・?」
桜はそう呟きながら、一階に降りた。玄関の前で武蔵が餌を食べていた。
「おはよう。武蔵。」
桜は笑顔で武蔵に言ったが、反応は無かった。
(そうか、寛二以外の皆は私の事見えないんだ・・・・・・・・)桜は少し寂しくなった。
「おはよう、寛二。」
その後桜は、リビングに入った。
「おはよう、桜。」
キッチンでは、寛二が朝食を作っていた。
「まだ、ここにいるつもりなの寛二。」
桜は椅子に座り寛二に言った。「何が。」
寛二は料理をしながら桜に聞いた。
「寛二の両親が亡くなって大分立つのに、一人じゃ寂しくない。」
桜は寛二に聞いた。
「大丈夫だよ。うるさい親が居なくなって今は嬉しい位だから。それに・・・・・・・・・・・・・」
「それに・・・・・・・・・・・?」
桜は寛二に聞いた。
「今はお前がいる。さぁ飯食お。」
寛二は桜に笑顔でそう答えると、朝食をテーブルに置いた。
「うん。美味しいそう。」
桜は少し安心していた。
「ところで桜、飯食えんの。」寛二は桜に聞いた。
「まぁ大丈夫でしょ。」
桜は寛二に言った。
「なら良いけど。俺、飯食ったら、武蔵の散歩行くから、インターホンなっても出るな。上でDVDでも見てろ。」
寛二はそう言うと朝食を食べ始めた。
「わかった。」
桜もそう言うと朝食を食べ始めた。
その後、寛二は武蔵の散歩に出かけた。
「今日も良い天気になりそうだ。そう思わないか武蔵。」
寛二の言葉に反応した武蔵は(ワン、ワン)と鳴いていた。
その頃桜は家で一本の電話と格闘していた。
(プルプル、プルプル、プルプル・・・・・・・)
家に鳴り響く電話の音。
「とったら駄目。とったら駄目。」
桜は自分にそう言い聞かせた。 (プルプル、プルプル、プルプル・・・・・・・・・・・・・・・)
それでもひつこく鳴る電話。
遂に桜は我慢出来ずに電話をとってしまった。
「はいもしもし。」
「寛二君か?」
電話の主は低い声の男だった。
「いえ、違います。寛二、今外出してて今、私一人なんです。何かご用件があるなら伝えときますが?」
桜は久しぶりの電話のやり取りだったので少し緊張していた。「じゃあ良い。寛二君に覚悟をしておけと伝えてくれ。また電話する。」
低い声の男はそう言うと電話を切った。
「は〜、びっくりした。」
桜は少し落ち着きながら言った。
「ただいま。」
家の扉が開いた。
寛二が帰ってきたのだった。
「何かあったか桜。」
凄く機嫌が良い武蔵を檻に入れながら寛二は言った。
「あ・・・・・嫌・・・・別に。」
桜は少し焦っていた。
「まさか、電話に出たとかないよな。」
さすが探偵、勘は鋭い。
「ごめんなさい。」
桜は正直に言った。
「ハァ〜。で誰だった。」
寛二は溜め息をつき、言った。「知らない人だった。でも寛二の事は知ってたみたいだよ。」桜は椅子に座りながら言った。「どんなやつだった?」
寛二は真剣な顔で言った。
「低い声の男だったの。(寛二はいるか?)って聞いてきたからいませ〜ん。って言ったら、覚悟しておけって言って電話切られた。」
桜は小声で言った。
「ふ〜ん。覚悟しておけってか。まぁいいや。用があったらまた連絡くるだろうし。それより電話鳴っても出るな。知りあいだったらまずいから。」
「は〜い。」
寛二の言葉に桜は元気に返事をした。
寛二は呆れていた。
その後、寛二は二階の自分の部屋でパソコンで小説を作っていた。
「寛二〜暇だよ〜」
一階から桜の声が聞こえて来た。
「もう、うるさいなぁ。」
まぁそんなこんなやってるうちに1日が終わった。
次の日の朝・・・・・・・・・「おはよう。」
昨夜、寛二の母が前に使っていた部屋で寝ていた桜が起きてきた。
「おはようございます。お客様。朝食のお飲み物はどうなさいます。牛乳、コーヒー、ミルクティそれともオレンジジュース?」
寛二は桜を完全におちょくっていた。
「オレンジジュースで良いよ。」
桜は呆れていた。
「かしこまりました。」
「もう寛二ったら。」
寛二の接客に桜は笑った。
つられて寛二も笑った。
その時。
(プルプル、プルプル、プルプル)
突然電話が鳴った。
「誰だろうこんなに朝早くに。」
寛二はそう呟きながら電話に出た。
「はいもしもし。」
「寛二か?」
電話の主は昨日桜と話したと思われる、声の低い男だった。
「何の用だ。」
寛二はその男に言った。
「私も探偵でね。依頼を受けてるんだよ。君協力して欲しいんだ。」
電話の主は言った。
「内容しだいだ。」
寛二は少し怒りながら言った。「事件の依頼はこうだ。君の高校の生徒を誘拐したという依頼だ。」
男はそう言いながら笑っていた。
「意味が分からないな。」
寛二は冷静に言った。
「依頼者は君の高校の関係者を殺すと言っている。どうする?寛二君?」
男は続けて言った。
「分かった。引き受けよう。犯人の詳しい情報を教えて欲しい。」
寛二はそう言った。
凄く寛二は冷静だった。
「そんなの自分で調べろ。」
男はそう言うと電話を切った。「ふ〜。」
寛二は溜め息をついた。
「誰だったの?」
心配そうに桜は近づいてきて言った。
「分からない。多分昨日、桜と話した奴だ。」
寛二は桜に言った。
「知り合いじゃあなかったの。」
桜は驚きながら言った。
「あぁ、殺しの予告までしてきた。」
寛二は少し焦っていた。
「殺しって・・・・・まさか・・・・・」
桜は何かを思い出したように言った。
「そうだ。桜が言ってた未来で起きる事件が起きようとしている。とにかく、クラスの連中が危ないかも知れない。中山先生に電話してクラスの連中を集めてもらうから。」
寛二はそう言うと電話をかけ始めた。
この時寛二は思っていた。
(望むところだ・・・・・・・)と。
第五章
「二人足りないクラス」 二人は学校に向かった。
「ハァ〜久しぶりの学校だよ。皆元気かなぁ。」
桜はニコニコしながら言った。
「俺以外の人には桜の事見えない。残念だけど、会えることは出来るけど、会話とかは出来ないよ。」
「分かってるよ。会えるだけで十分だよ。」寛二の言葉に桜は優しく答えた。
寛二のクラスに入ってみると、もうそこには生徒が集まっていた。先生は生徒の人数を数えていた。
「来たか谷村、お前を入れて全員だ。」
中山先生が寛二に言った。
「すみません。ありがとうございます。」
寛二が中山先生にお礼を言っている後ろで桜が呟く。
「私・・・・・・忘れてるよ、先生〜。」
「でも、事件の話は本当なんだろうな?」
桜の言葉を一切気にせず、中山先生は言った。
「ハイ、間違いありません。」寛二も桜の相手を一切しなかった。
「分かった。今から説明するから、席に座りなさい。」
中山先生の指示通り寛二は席に座った。
桜は寛二の後ろでしょんぼり立っている。
「今日、ここに全員集めたのには理由があります。」
先生が話始めると(何だよ、早く言え!)とか(そうだよ帰りたいんだから!)などと生徒が文句を言い始めた。
「静かに!良いか、今日の朝早くにこの地域で殺人事件が起きた。犯人は今も逃走している。危ないから、家で大人しくしてろ。」
先生が大声で喋った。
「ハァ〜い。」
生徒は一瞬黙り込んだが、ある生徒の声で空気ががらりと変わった。
「よろしい。帰るときも、複数で帰ること、それでは解散。」先生のこの一声で生徒は一斉に帰った。
この時、寛二は思った。
(薫がいない・・・・・・・・・・・・)と。
「寛二君、これで良いんだなぁ。」
中山先生が、椅子に座っている寛二に近づいてきて言った。
「嫌、千音畤がいません。」
寛二は中山先生を睨めつけながら言った。
「千音畤君か、彼女は君が来る前に連絡を入れておいた。風邪で寝込んでいるらしい。親がそう言ってた。」
中山先生がそう言うと寛二は「失礼します。」と言ってクラスを出た。
桜は寛二の後を追った。
「ちょっと、何処行くの?寛二。」
門の前で寛二を捕まえた桜はハァハァと息をたてながら言った。
「薫の家だよ。」
寛二は焦りながら言った。
「どうして、薫るは風邪で寝込んでいるって言ってたでしょ。先生が。」
少し落ち着いた桜は言った。
「先生はおそらく嘘をついている。」
寛二は言った。
「どうして?」
桜は不思議そうに言った。
「薫の家はあいつ一人だよ。両親は外国行っててな。」
寛二はそう言った。
「そうか。でも何で?」
桜は小声で言った。
「知らねぇよ。とりあえず行くぞ。」
寛二はそう言うと桜の手を握っていった。
しかし、桜は動こうとしなかった。
「どうした、桜?」
少し焦りながら寛二は言った。「先生・・・・・・・私の事忘れてた・・・・・・」
桜は泣きそうななりながら言った。
「えっ。」
寛二は小声で言った。
「私の事、死んでから話したことある!?皆どうせ私なんか忘れてるのよ。」
桜は泣きながら言った。
「それは違うよ。」
寛二は優しく言った。
「どうしてそう言えるの?寛二?教えてよ。」
まだ桜は泣いていた。
「お前の事を忘れているやつなんかいないよ。皆の心の奥にお前との思い出を大切にしまってる。」
寛二は優しい声で言った。
「本当?」
桜は小さな声で言った。
「たまには探偵マニヤを信じろよ。」
寛二は笑いながら言う。
「うん。」
桜は寛二の言葉で笑顔を取り戻した。
「とりあえず、薫が心配だ。行こ!事件解決してまた一緒に学校行くんだろ。」
寛二はそう言いながら、桜の手を握った。
「うん。」
桜はそう言うと寛二の後を走っていった。
二人は薫の家の前にいた。
桜はインターホンに手を伸ばした。
「ちょっと待て。俺が押す。」寛二は桜を止め、インターホンを鳴らした。
「ハイ、どなたですか?」
家の中から薫の母親が出てきて言った。
「薫さんと同じクラスの谷村寛二です。薫さんいますか?」
寛二は笑顔で言った。
「今、あいにく家にいないんです。何かあるなら伝えときますが?」
薫の母親は心配そうに寛二に言った。
(やっぱり・・・・・・)
寛二はこの時、こう思っていた。
「何処に行ったか分かりますか?」
寛二は薫の母親に睨めつけながら言った。
「何か薫について知ってるんですか?」
寛二が何か知ってる事を感じた母親は寛二に言った。
「詳しい話を教えてください。」寛二がそう言うと薫の母親は
「分かりました。どうぞ中に入ってください。」と言って寛二を中に入れた。
桜も寛二の後に薫の家に入った。
第六章
「千音畤家」
「薫は二日前に友達の家に行ったきる帰ってこないんです。」薫の母親は言った。
「やっぱり・・・・・・・・・・・」
寛二は溜め息をついた。
「何か知ってるなら、教えてください。私、心配で心配で。」薫の母親は小声で言った。
「えぇわかりました。」
寛二は、そう言った後薫の母親に全てを話した。
自分の家にクラスメイトを誘拐したと言う電話があったこと、電話の相手が殺害予告をしてきた事を。
「じゃあまさか、娘が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
薫の母親はますます心配そうな顔をした。
「可能性がないとは言えません。」
寛二ははっきりと言った。
「イタズラの可能性は・・・・・・・・・・?」
「分かりません。ただ可能性として低いです。」
寛二は言った。
「どうしてですか?」
母親は言った。
「イタズラなら薫はもう連絡が取れてるか、見つかってるはずです。しかし、二日間も連絡が取れないとなると。イタズラの可能性は下がるだけです。」
寛二は説明した。
「でも・・・・・・・・・・」母親黙り込んだ。
「それに、もう友達を無くしたくないんです。」
急に寛二が言うので薫の母親も後ろにいた桜も驚いていた。
「友達・・・・・・・・・・」寛二の耳に桜の声が入ってきた。
「友達ですか?」
母親は小声で言った。
「もう、嫌なんです。目の前で友達が失われるのが。だから、薫は必ず見つけます。」
寛二は言った。
「分かりました。お願いします。」
母親は一礼をして寛二に言った。
「何か手がかりになるようなものは、ありませんか?手紙とか。」
寛二は母親に聞いた。
「そう言えば・・・・・・・」薫母親はそう言うとリビングから出ていった。
「何、泣いてんだよ桜。」
隣で泣いていた桜に寛二は言った。
「だって、寛二が良いこと言うから。」
桜は寛二の服で泪をふいていた。
「やめろ。桜!」
寛二は凄く嫌そうに言った。
その後、薫の母が一枚の手紙を持って入ってきた。
「それは・・・・・」
寛二は不思議そうに呟く。
「これが昨日、郵便受けに入ってたんです。文章は薫の字のようだけど(NKYM4A)の意味が分からなくて悩んでいたんです。」
薫の母は頭を抱え込みながら言った。
「そうですが、NKYM4A・・・・・・・・・NKYM4A・・・・・・・・・・・・」
寛二は悩んだ。
第7章「薫の行方」
その頃、薫は倉庫のような場所で意識を取り戻した。
「った〜。たくどうして私がこんな目に合わなきゃ駄目なの。」
薫一人でブツブツと文句を言っていた。
彼女はロープのような物で手足を縛られていた。
立ち上がろうと、するがすぐに倒れてしまう。
「も〜このロープさえ切れれば。」
薫はそう言いながら周囲を見渡す。
しかし、ロープを切れそうな物はみあたらなかった。
その時だった。
薫がいる部屋の扉が開いた。
中に入って来たのは、仮面を被った男だった。
「あんた何者?」
薫はその男に向かって言った。「やぁはじめまして。薫さん。私はkです。よろしく。」
仮面を被った男は言った。
「だから何者なのあんた!で!私をどうするつもりなの?答えなさい。」
「まぁそう慌てるなぁ。君と大切な二人のお友達は仲良く天国に行くんだから。」
仮面を被った男は笑いながら言った。
薫は自分の腰を見る。
そこには爆弾が仕掛けられていた。
「キャ〜!」
薫は叫んだ。
「そうだよ。その苦しみ・・・・・・・僕はそれが好きなんだ。」
仮面を被った男は笑いながら言う。
「うるさい。きっと寛二が今頃私を探してくれてる。」
薫は泣きそうになりながら言った。
「来ないよ。寛二は。」
仮面を被った男は笑いながらそう言うと外へ出ていった。
「も〜どうして私がこんな目に合わなきゃ駄目なのよ〜寛二〜早く来てよ〜。」
「もう少し恋愛しとけば良かった。」
叫んでいた薫は諦めて言った。その頃仮面を被った男は外で電話をしていた。
そう探偵と天使に・・・・・・・・
第八章「手紙の内容と犯人からの電話」
その頃、寛二は母親が持ってきた手紙を読んでいた。
母さんへ 父さんへ
NKYM4Aの家に行ってくる。心配しないで、大丈夫だから。
薫より。
「何か他にありませんでしたか。ほら何かいつもと違うなぁ〜とか。」
寛二は母親に笑顔を見せながら言った。
「一つだけおかしい事があるんです。」母親は言った。
「何がおかしいんですか?」
寛二は母親に聞いた。
後ろで桜も寛二と母親の話を聞いている。
「父親が薫、嫌いなんです。」
「父親が嫌い・・・・・」
寛二は母親の言葉を繰り返し言った。
「ハイ。夫は単身赴任で3年に一度位しか帰ってこないんです。それに・・・・・・・・」
薫の母親は黙り込んだ。
「それに何ですか?」
寛二は母親聞いた。
「ハイ。前に夫が帰ってきたときに空き巣に入られまして。」
「空き巣ですか?」
薫の母親は続けた。
「ハイ。その時、私は買い物に出かけていて、家には薫と夫だけでした。薫がまだ幼い頃だったので、凄く空き巣に怖がっちゃいまして、夫に助けを求めたんですが、何しろ夫は気の弱い性格何で、空き巣に殴られてそのまま気絶しちゃったみたいなんです。」
「じゃあ、それ以来薫は・・・・・・・・・・・・」
寛二は呟いた。
「ハイ夫を信じなくなったみたいで。だから手紙に(父さんへ)見たいに書かないと思うんです。」
母親は言った。
「なるほど・・・・・」
寛二がそう呟いた時だった。
“プルプル プルプル ”
寛二の携帯電話がなった。
「ちょっと失礼。」
寛二はそう言うと廊下に出ていった。もちろん桜も一緒だ。
「はい。もしもし。」と寛二。
「高校生探偵の谷村寛二君元気か?kだ。」
電話の主は言った。
おそらく、この間の奴だと寛二は感ずいた。
「この間の奴か?何の用だ。」寛二は怒鳴り散らして言った。「そうだ。ところで依頼者はもう、1人君のクラスの生徒を誘拐したと言っている。さぁどおする。探偵君?」
kと名乗る男は言った。
「どういうことだ。薫はお前が誘拐したのか?」
寛二は言う。
「さぁなぁ〜。後、依頼者からの殺害予告がきた。また連絡する。」
kと名乗る男はそう言って電話を切った。
「くっそ〜。」
寛二は言った。
「誰からだったの?」
桜は心配そうに寛二に言った。「大丈夫ですか?」
桜の言葉と同時にリビングから薫の母親が出てきて言った。
「犯人からの電話です。薫さんは誘拐されました。」
寛二は薫の母親にそうはっきり言った。
「嘘でしょ。薫が・・・・薫が・・・・・」
薫の母親は気絶しそうになりながら、言った。
「大丈夫です。必ず薫はつれて帰ります。心配しないで下さい。」
寛二は、薫の母親を支えながら言った。
「お願いします。薫を・・・・助けて下さい。」
薫の母親は寛二に抱きつきながら言った。
「分かってます。」
寛二はそう言うと、桜をつれて薫の家から出た。
第九章
「NKYM4A」
「くっそ〜(NKYM4A)の意味が全くわかんねぇ。」
家に帰ってからも寛二は(NKYM4A)の解読に頭を悩ませていた。
その頃桜は台所で夕食を作っていた。
「NKYM4Aってコードネームかなぁ?」
桜はあくびをしながら言った。
「わからない。NKYM4Aに秘密は必ず、この事件の犯人いや、俺に電話してきたkと名乗った探偵の正体だとは分かってるんだ。」
寛二は桜の方を見ながら言った。
「えっ!ちょっと待って寛二!それは違うと思うよ。NKYM4Aはkって探偵に依頼してきた依頼人なんでしょ。kはまた別人だと思うけど。」
桜は驚きながら言った。
「それは違う。依頼人は俺のクラスメイトを一人誘拐して殺人予告をした。と俺達に思わせたかったんだ。実際は依頼人なんて居なかったんだ。kがクラスメイトの薫を誘拐し、殺人予告をしてるんだ。」
寛二は桜に言った。
「じゃあ何で!kはそんなことする必要があるの?」
桜は寛二に近づいて言った。
「分からない。でも、その可能性の方が高いだろう。捜査を撹乱させるためか、他の犯人の目的なのか・・・・・・・・・・」
寛二はさらに頭を悩ませてしまった。
「今日はもう辞めようよ。」
一旦沈黙が続いた部屋に桜の声が響いた。
「どうしたんだよ。急に・・・・・・・・・・・・・」
桜の言葉に驚きながら寛二は言った。
「寛二の悪い癖だよ。考えすぎな所。一旦今日は落ち着いてまた明日から考えよ。」
桜は寛二に笑みを浮かばせながら言った。
「・・・・・そうだな。よ〜し飯食うぞ。」
少し黙り込んでいた寛二は開き直ったかのように言った。
「うん。」
桜は笑顔で言った。
その後二人は夕食始めた。
「ねぇ寛二。」
夕食中二人はこんな事を話していた。
「うん?」と寛二。
「生き返ったら知り合いのいない遠くの地域でまた音楽を始めたいの。」と桜は言った。
「どうして?」と寛二。
「この地域に暮らしてたら薫とかビックリしてまた気絶するよ。だから・・・・・・・・」
と桜。
「確かにそうだな・・・・・
寛二は中2の時の事を思い出した。
「でしょう。そんなんで迷惑かけたくないし。」
桜は少し考えながら言った。
「沖縄なんてどうだ。」
寛二は元気付けるように桜に言った。
「あ〜良いね。」
桜はまた笑顔を取り戻した。
「今、どんな唄作ってるんだ?」
寛二は桜に言った。
「【君がくれた思い出】って曲。」
桜は答えた。
「もう出来てるのか?」
寛二は言った。
「う〜ん。歌詞は出来てるんだけど、まだ歌えない。」
桜は答えた。
「じゃあ事件を解決して、生き返ってから聞いてやるよ。」
寛二がそう答えると・・・・
「本当に!?本当に聞いてくれる!?」
桜のテンションが急に上がった。
「あぁ約束する。」
寛二はテンションの上がる桜に笑顔で言った。
「よ〜し。頑張って完成させよ!」
桜に気合いがはいった。
「その勢いよい。NKYM4Aの解読の方にもまわしてくれたらなぁ。」
寛二は嫌みったらしく言った。
「ハァ〜イ。」
桜は笑みを浮かばせながら言った。
桜にとってとても大切な約束になった。
その後二人はNKYM4Aの解読に頭を悩ませていたが解読に近づけることさえ出来なかった。
「もう遅いし今日は寝よ。」
寛二は桜に言った。
「そうだね。明日も学校だし、ハァ〜眠たい。」
桜のあくびする姿に少し笑えた。
「お休み〜」
桜はそう言いながら部屋に入っていった。
「お休み〜。」
寛二はそう言ったもののその後二・三時間NKYM4Aについて考えた。
明日、起きる事件の事も知らずに・・・・・
第十章
「事件」
次の日も学校で二人は、(NKYM4A)について頭を悩ませていた。
「おい!!!お前大丈夫か!?独り言なんて・・・・」
そう他の生徒から言われてもしかたない。
寛二は桜と話してるつもりだが、ほかの生徒には桜が見えないので寛二が1人で話してるようにほかから見られるのだ。
「あぁ・・・大丈夫だ・・・心配すんな・・・・」
寛二に話しかけてくる生徒一人一人に答える姿を見て桜は大笑いしていた。
こんな感じで二人は昼休みを向かえた。
「しゃ〜飯や〜。」
二人は屋上で昼飯を食べようとしていた。
ここは、桜と寛二の二人だけしかいない。
二人が見つけた秘密の場所なのだ。
「うん。食べよ。」
桜は、笑いながら言った。「なんで、笑うんだよ〜。」
寛二が恥ずかしながら言った。
「だって、面白いんだも〜ん。」
また、桜は笑いながら言った。
昼食も終わり、教室に戻ろうとした時だった。
「生徒は、全員校庭に出なさい。緊急事態です。これは避難訓練ではありません。すみやかに校庭に出なさい。」防犯サイレンとともに放送が流れた。
防犯サイレンが流れる廊下を生徒が小走りで走っていた。
その一方寛二と桜は先生たちの向かう方向に進んでいた。
「あっ!!中山先生!!!」
桜の指差した方向を見ると中山先生を初め色々な先生方が集まっていた。
寛二と桜は先生方が集まる部屋の扉の目に座り込んで黙って話を聞いていた。
「殺されたのは、一体・・・・・・?」
中山先生がそう聞いた後、ほかの先生がこう答えた。
「体育教師の、清原先生です・・・・・」桜は、怖くなって少し怯えてしまった。
その時に偶然扉に手を当ててしまい音が鳴った。
「誰だ!!!」
それに気がついた中山先生が叫んだ。
(バ〜カ・・・・)
寛二はそう思いながらため息をついた後
立ち上がって姿を見せた。「谷村君どうして・・・・」
寛二の姿を見た中山先生が驚きながら言った。
「それより、清原先生は死んだんですか?」と寛二は言った。
桜は足を震わせながら、寛二の後ろに立っていた。
「何を言ってるのかねぇ?早く外に出なさい。」
教頭先生は言った。
「分かりました・・・」
寛二のいさぎよさに桜は驚きを隠せなかった。
だがその時・・・・
「ちょっと待ちなさい。寛二君・・・」
寛二を止めたのは、校長先生だった。
「どういうことですか?先生・・・・・・?」
教頭先生は、慌てて言った。「まぁこれを見てからにしなさい。」
校長先生はそういいながら、清原先生の携帯電話取って寛二に見せた。
携帯電話にはこうかかれていた。
寛二君、これじゃあ全然面白くないよ。もっと本気出そうよ。面白いものをやろう警察をね。
kより
「この寛二君って言うのは君のことじゃないのかねぇ。」
校長が言った。
「そ・・・・それは・・・・」
寛二は言葉をなくした。
「まぁ今、我々があ〜だこうだ言っても仕方ありませんよ。警察を呼びましょう。」
その後寛二は、中山先生に連れて行かれて校庭に出た。
桜も一緒に言った。第十一章「桜からの願い」
「ねぇ寛二・・・・・・・・」桜は頭を抱え込みながらボーッとしている寛二に言った。
あの後、学校では全校緊急集会が行われ全校生徒全員下校になった。
しかし寛二は、携帯電話に残っていたメッセージから寛二は事件に何らかの形で残っているのでは無いかと疑われ会議室で警察の調べが終わるまで待たされていた。
「何・・・・・・・?」
寛二はボーッとしながら答えた。
「やっぱりあの・・・あの事・・・・・・・薫の事を警察に言った方が良いんじゃない。」
桜は思いきって言った。
「何で?」
寛二はまだボーッとしている。
「確かに寛二の気持ち分かるよ。でもあの携帯電話の画面に出てたでしょ。あの文章が本当なら絶対もう一人、もう一人死ぬかも知れないんだよ。寛二はもう死ぬのは見たくないんでしょ。誰も死なせたくないんでしょ。」
桜は泣きそうになりながら言った。
「そうだけど・・・・・・・・・・・・そうだけど警察は俺の事を信じていない。俺は警察の力なんか借りない・・・・・・・・・」
寛二は小声で言った。
「いい加減にしてよ!寛二!」桜はそう言いながら寛二を右手で殴った。
「どうして殴るんだよ。桜!?」
寛二は少し驚きながら言った。
「どうして・・・・・・・・・・どうしていつも寛二はそうなの!?簡単な事件はスラスラ解けちゃうのに難しい事件になると一人で抱え込んで一人で悩むの?あなたは一人じゃないでしょ。一人ぼっち何かじゃないよ寛二!私だっている。警察だって確かに寛二にとっては頼りないかも知れないけどいないよりはましじゃない。どうして人を信じるって事をしないの?ねぇ寛二!」
久しぶりに桜はめちゃくちゃ怒った。
「ごめん・・・・・・・桜・・・・・・」
寛二は泣きそうになりながら言った。
初めてだった。
寛二の泣き顔を見るのが・・・・桜にとって初めてだった。
「信じてよ・・・・・寛二・・・・・少しは私達を・・・・・・・・・」
桜も泣きそうだった。
「そうだな。ずっと一人で悩んでた。たまには人を信じるってのも悪くないかぁ。」
寛二は先ほどとは大きく違い笑顔でいった。
「ありがとう。寛二・・・・・・・・・」
桜も少し笑顔になれた。
「一つ約束はする。」
寛二は言った。
「えっ、何?」
桜は泪を拭きながら言った。
「俺がお前を生き返らせる。」寛二は堂々と言った。
「楽しみにしてる。」
桜は笑顔でいった。
寛二の言葉がいつまでも桜の心に響いていた。
会議室の扉が開いた。
「寛二君、警察が来てる。早く君も来て話しをするんだ。」
中山先生が会議室の入り口からそういうと寛二は桜と一緒に事件現場に向かった。
そこにはもうすでに何人か人だかりができていた。
警察官がとにかくたくさんいた。
桜は寛二の手をしっかり握っていたが寛二が手を揺らすと、何かに気付いたように廊下に出ていった。
「え〜っと君が高校生探偵の谷村寛二君だね。早速だけど詳しく聞かしてくれないか、何があったかを・・・・・・・」
凄く年老いたベテラン刑事が言った。
「分かりました。」
寛二はそう答え、今まで起きた事を全て話した。
kと名乗る、人物からの誘拐、殺人予告。千音畤薫がkに誘拐されたこと。全てを話した。
「じゃあ、誘拐されたは、今何処にいるかも不明なのか?」
中山先生が言った。
「ハイ、薫の母親に会って話をしてきました。その時電話がなったんです。kからでした。彼は(NKYM4A)という、暗号を出してきました。更に僕の学校の関係者を一人殺すとも言ってました。実際に殺人予告通りに事件が起きてしまった訳です。画面の内容が真実なら犯人はもう一人殺します。」
寛二はおそるおそる言った。
「という事は犯人は一人って事かぁ・・・・・・・・・・・・・・よし!皆さん、ご協力ありがとうございました。後は警察官の仕事です。皆さんはお帰り下さい。後、寛二君は犯人から連絡がありしだい警察に報告するように。いいね。」
さっきのベテラン刑事が言った。
「分かりました。」
寛二はそういうとすんなり教室を出て桜と一緒に学校を後にした。
第十一章「二回目の犯行」
寛二が時計を見るともう夜の9時になっていた。
「ちゃんと言えた寛二?」
桜は寛二に言った。
「ちゃんと言えたさ。大丈夫。」
寛二が笑顔で桜に答えたので桜は凄く嬉しくなれた。
「良かった。いつもの寛二に戻って。」
桜は笑顔で寛二に言った。
「早く帰ろ。明日も学校だから。」
二人はその後、急ぎ足で帰った。
「お休み寛二。」
桜はそういうと部屋に入って行った。
「あぁお休み。」
その日も寛二は「NKYM4A」について考えていた。
そんなときだった。
‘プルプル、プルプル’
寛二のいる部屋に電話の音が鳴り響いた。
「ハイ、もしもし。」
寛二がそう答えると同時に桜が部屋から出てきた。
「Kだ。」
Kと名乗る男からだった。
「何の用だ。」
寛二が怒りながら言った。
その様子を桜が心配そうに見ていた。
「依頼者からの殺人予告が来たので報告しておく。」
Kは言った。
「お前が学校の先生を殺したのか?」
寛二は言った。
「探偵君、どうしたんだ。殺人を止める事が出来なかったじゃないか?」
Kは急にわけの分からないことを言い出した。
「お前が殺したのかって聞いてるんだよ!」
「寛二落ち着いて。」
寛二が余りにも大きな声を出したのでビックリした桜は言った。
「寛二はまだ若い。まだお子ちゃまだ。そんなんじゃ私には勝てない。」
Kは笑いながら言った。
「どういう事だ。」
寛二は冷静になりながら言った。
「まだ分からないのか。これは君と私の運命をかけた戦いなんだよ。」
Kは笑いながら言った。
「意味が分からないな。」
寛二は言った。
「明日の午後一時に人をもう一人殺す。一秒の狂いもなく。君は殺害現場を探してくれ。そこに僕もいるだろう。タイムリミットは放課後。君がもしその場所を見つけることができなかったら。学校を爆発させる。次々と爆発する学校の中で生徒達は混乱し逃げ場を失う。どうだい想像するだけでも、興奮するだろ。」
そして電話は切れた。
「薫もいた。」
寛二の耳に薫の声が聞こえていた。
「嘘でしょ。薫は?薫は大丈夫なの寛二?」
桜は心配そうにいった。
「分からない。心配すんな。必ず薫は助けるから。殺人もさせねぇ。それに・・・・・・・・・・・」
寛二は言った。
「それに・・・・・・・?」
桜は小声で言う。
「生き返ってまた一緒に暮らすんだろ。」
寛二は言った。
「分かった。信じるよ、寛二を。」
桜はそう言うと部屋に戻って行った。
(爆発は少しヤバイな。)
寛二はこの時こう思っていた。
次の日・・・・・・・・・・・
「今日は集会だから昼休みには校庭にすぐに集まれよ。」
中山先生だ。
「ねぇ寛二午後一時に殺人が怒るって本当なの?」
桜は寛二に言った。
「kはそう言ってた。午後一時、一秒の狂いもなく殺人を起こすって。」
寛二は少し焦っていた。
「でも、午後一時ってちょうど集会が終わるところだから、殺人をしようにも、周りに人が沢山いるから目立ってすぐに分かっちゃうよ。」
桜は寛二の顔を見ながら言った。
「それなんだよ・・・・・・・・・・・どうしてkはそんな時に殺人予告何か起こすんだろうって・・・・・・・・・・・・・・・」
寛二はさらに頭を悩ませた。
結局、集会の時間を向かえてしまった。
集会ではまず生徒会の話、部活の表彰式等が行われていた。
午後12時55分。
「え〜。凄く悲しい話なので静かに聞くように・・・・・・・・・・・・・」
校長先生の話だ。
(どうしたk仕掛けて来いよ。)
寛二はこの時こう思っていた。
「今回、非常に残念な事に我が校で清原先生が何者かによって殺害されました。」
誰も知らなかった情報だったので、辺りは騒がしくなっていた。
午後12時59分。
(残り一分・・・・・・・・・・・・・・)
寛二は心の中でカウントしていた。
「清原先生は皆さんも知っての通り、凄く優しい先生でした・・・・・・・・・」
校長先生の話は続く。
その後、生徒、教職員による黙祷が行われていた。
(どうしたk・・・・・仕掛けて来いよ。)
午後一時になった。
しかし何も起きない。
「何も起きないよ寛二。どういう事?」
桜はそう言った。
その後、何も起こることなく、無事に集会は終わった。
第十八章
「NKYM4A解読」
その後、二人は殺人が起こっていないか学校中を探した。
「薫大丈夫かなぁ・・・・・」
桜は心配そうに言った。
「なぁ、桜。」
寛二が急に呟いたので桜は少し驚きながら答えた。
「なに?」
「分かった。NKYM4Aの意味が・・・・・・・・・・・・・・・・誰が犯人かも、全て謎が解けた。」寛二は笑いながら言った。
「嘘でしょ。寛二。誰なの犯人は。」
桜は驚きながら言った。
その時だった。
‘ド〜ン’
第十九章
「爆発」
爆発と共に学校中が揺れていた。
そして、警報ベルが再び鳴り響いていた。
「来たか。」
寛二はそう呟きながら窓の方を見た。
「寛二やばくない。これって・・・・・・・・・・・」
桜は泣きそうになりながら言う。
「あぁ、Kが仕掛けて来やがった。」
二人が見ていたのは、火の海となった、一階だった。
「どうしよ・・・・・・・・・・・・」
桜は言う。
「薫と犯人を探しに行こう。」
その時だった。
‘プルプル’
寛二の電話が鳴った。
「もしもし。」
寛二は電話に出た。
「Kだ。三階の視聴覚教室で待ってる。」
電話はKからだった。
電話はすぐに切れた。
「行こう、薫が待ってる。」
寛二の言葉に桜は頷いた。
「うん。」
二人は三階に向かった。
薫と犯人が待ってる三階に・・・・・・・・・・・・・・・・第二十章
「犯人」
「ついたぞ。」
二人は三階にいた。
「中に入るの。」
辺りは先ほど違い、生徒は皆避難していたのでとてめ静かだった。
「中で薫が待ってるから。助けに行かないと。」
寛二はそう言うと視聴覚教室の扉をあけた。
「・・・・・・暗いねぇ。」
中は凄く真っ暗だった。
「し、静かに。誰かいる。」
寛二は凄く焦っていた。
「よく来たね寛二君。」
部屋中に響く男の声と共に明かりがついた。
「やっぱりあなたでしたか。先生・・・・・・・・・」
「嘘でしょ。」
桜は呟いた。
「そうだよ。僕だよ。」
二人の目の前にいたのは、倒れている薫と中山先生だった。
「NKYM4Aがどうして私だと分かった。」
中山先生が言った。
「簡単な事でした。あなたの名前は中山。全てア段のひらがなでできている。4Aっていうのはア段を意味してるんだ。NKYMのNはナ・ニ・ヌ・ネ・ノだからア段はナ。他のK、Y、Mも同じようにするとKはカ、Yはヤ、そしてMはマを表す。だからあなたになるんだ。」
「お見事だ。寛二君。やっぱり君は凄い。」
寛二の推理を聞いていた、中山先生が笑いながら言った。
「でも、どうしてこんな事を・・・・・・・」
寛二が一番気になっていた事だった。
「君には生きてて欲しくなかった・・・・・・・・・・・・・・・・」
中山先生は話始めた。
第二十一章「理由」
「桜君の事は君がよく知ってるだろ。」
中山先生は言った。
「交通事故の事か?」
寛二も桜も驚いていた。
「あの事故の車に乗っていたのは僕なんだよ。」
中山先生は笑いながら言った。
「どういう事だ。」
「あのとき僕は学校帰りだった。君達を見たとき、確かに気おつけようと思った。少し広い場所に出たら声をかけようと思った。だが、あの時車のアクセルが効かなくなって・・・・気が付いたら君達二人がたおれていたのが目に入ってきたのだよ。」
「嘘だろ。」
中山先生の言葉に驚きを隠せなかった寛二は呟いた。
「本当だ。あの後君達は気絶していて分からなかったと思うけど、僕は恐くなって逃げたんだ。そしたら桜君が死んだってニュースで流れたから、ばれたらばいと思ってこの計画をたてた。この事故いや、ひき逃げに関わった全ての人間を殺そうと決めたんだ。自分のために、自分の未来のために・・・・・・・・・・・・」
笑いながら中山先生は言った。
「たったそんな事で色々な人に迷惑かけたって言うのか、無実の清原先生、爆発で逃げまとう生徒達、それがお前の計画なのか!」
寛二は怒っていた。
「そうだよ。桜君が死んでからこっち全く良いことなんてない。ひき逃げの取り調べから逃げ、学校でも散々苦労してやっと計画が実行出来たんだ。そして、この計画はもうすぐ終わりを向かえる。見ろ!」
薫が中山先生の隣で気絶していた。
薫の腰には爆弾が巻かれていた。
「辞めろ!関係ないだろ、薫は!」
二人はは少し焦っていた。
「関係ないだだって、ふざんけるなよ、寛二君。君を苦しめたいんだよ。君の知り合いを全て無くし君が苦労しみ泣き叫ぶ所を見たいんだよ。君の両親が死んだ時みたいにね。」
我慢が出来なくなった寛二は中山先生に襲いかかろうとした。
「おっと。動くなよ。」
中山先生はそう言うと、薫の頭に銃口を向けた。
「辞めろ!」
寛二は叫んだ。
「ハァハァハァハァハァハァ!そうだ、そうだ、そうだよ寛二君。君の苦労しみなんて楽しいんだ。この爆弾はね寛二君、彼女の心臓停止と共に爆発する仕組みになってるんだ。彼女が死ねば皆死ぬ、さぁどうする?寛二君。」
中山先生はそう言うと寛二に銃口を向けた。
「寛二・・・・・・・・どうするの、寛二・・・・・・・・」
桜は泣きそうになりながら言った。
第二十ニ章「天使、復活と死」
「寛二君、君も死になよ。」
中山先生は笑いながら言った。彼はもう意識はほぼ無いと言ってもおかしくなかった。
「先生、もう辞めましょうよ。こんなことしても無駄なだけです。」
「うるさい!どうせ、皆死ぬんだ。君から死ね!死んでか桜とまた一緒に暮らしていけば良いんだ!寛二君。」
寛二の言葉をよそに笑いながら言った中山先生は寛二に向けていた銃の引き金を引いた。
「さようなら・・・・・・」
その時だった。
信じられないが、目の前に桜の姿があった。
「どうして・・・・桜君が・・・・・・・・・」
桜が急に現れたので驚いた中山先生は腰を抜かしてしまった。
「さ・・・・・桜?」
寛二はおそるおそる倒れている桜に近ずいて行った。
「ごめん。寛二。また死んじゃった。」
小声で笑いながら桜は言った。
「嘘だろ、嫌だよ、桜!また生き返って歌聞かしてくれるんだろ桜!」
寛二は桜を見ながら泣き叫んだ。
「ごめん。寛二。本当にごめん。寛二。約束守れなかった・・・・・・・・・」
桜はそう言葉を残すと息を引き取った。
「桜〜!」
寛二は泣き叫んだ。
桜は寛二の目の前で光輝き、空へと消えていった。
残ったのは三人の生存者と火の海だった。
「薫・・・・・・」
寛二は泣きながら薫の方を見てみると薫は目を覚ましていた。
「寛二、大丈夫?」
薫は小声で言った。
「大丈夫だ、桜が助けてくれた。今、助けてやるからな。心配すんな。」
寛二はそう言うと薫の腰に巻かれている爆弾を見ていた。
「一分切ってる・・・・・・・・・・・・・」
寛二は爆弾のタイマーが一分を切ってる事に気が付いた。
「どうするの寛二・・・・・・・・・・私、まだ死にたくないよ・・・・・」
薫は泣きながら寛二に抱きついた。
「うるさい!じっとしてろ。今、外してやるから。」
寛二はそう言うと爆弾を解体し始めた。
第二十三章「天使の魔法」
「くそ!爆弾が止まらない。」
寛二は凄く焦っていた。
「どうするの寛二・・・・・・・・・・・・・・・後、四十秒しかないよ・・・・寛二・・・・・・寛二!」
薫は泣きながら言った。
「くそ!桜に約束したのにくそ!」
寛二は小声で言った。
「後、ニ十秒・・・・・寛二〜!」
薫は泣きながら寛二に抱きついた。
「ご・・・・・・・・・・・・・・・・・薫・・・・・・もう無理だよ。」
そう言った時だった。
・・・・・・・・・・無理じゃあないよ・・・・・・・・・・・・寛二・・・・・・・
寛二の耳に桜の声が響いた。
後、十秒を切っていた。
「寛二・・・・・・爆弾取れたよ・・・・・・・逃げよう!」
爆弾が取れた事に気づいた薫が寛二に言うが寛二はぼ〜っとしていた。
「寛二・・・・・・?」
いつのまにか爆弾のタイマーが動かなかくなっていた。
「じっとしてろ、薫。」
寛二は小声で言った。
周りは火の海、もうどうすることも出来なくなっていた。
・・・・・・・・・どうするんだ・・・・・・桜・・・・・・・・・
寛二はそう思った。
・・・・・・・・目を瞑って信じて・・・・・・・・・・・・・・・絶対に助かるって・・・・・・・・・・・
「寛二・・・・・・・・」
薫は小声で寛二に言った。
「目を瞑って信じるんだ。必ず助かるって・・・・・・・・・」
寛二は薫にそう言った。
「分かった。私、寛二信じるね。」
薫はそういうと目を瞑った。
・・・・・ありがとう・・・・・・・今まで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
寛二の耳に桜の声が響いた後、二人は気を失った。
第二十四章
「解決」
その後寛二は病院のベッドで目を覚ました。
「桜のお母さん・・・・・・・・・ここは・・・・・・・・・・・・・・」
寛二はベッドから起き上がりながら言った。
「ここは、病院よ。大丈夫。」
桜の母親が笑顔でいった。
「薫は・・・・」
一番気になっていたことだった。
「大丈夫。君と薫ちゃんはあのとき、学校の裏にある公園で倒れていたっていって知り合いが言ってたわ。その知り合いが車でここまで連れてきてくれたって。薫ちゃんは、腕と足に少し火傷をおっただけで他は大丈夫だったみたいよ。奇跡だって言ってたわ。」
その後も桜の母親が気絶していたとき何があったか全て教えてくれた。
「中山先生は・・・・・・・・・・・・」
(確かにあの時中山先生は二人より少し離れていた場所にいた。)寛二はそう思って聞いた。
「死んだって。学校事焼け落ちちゃって・・・・・・・」
桜の母親が小声で言った。
「そうですか・・・・・・・・・・・」
少し沈黙が続いたが寛二があることを言い出した。
「夢の中で桜が言ってました・・・・・・・」
「えっ・・・・・?」
「お母さんに伝えてくれって。長い間ありがとうございました。これからも元気でいてねって。」
寛二の言葉に桜の母親が少し笑った。
寛二も同じだった。
そして、寛二はこう思った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・元気でな・・・・・・・ありがとう・・・・・・・・・・・・って
エピローグ「探偵と天使」
あれから二年。
寛二は大学生になり、毎日充実した生活を送っていた。
「次は・・・・・・・駅!次は・・・・・駅!」
寛二は駅から出て広場を歩いていた。
「う〜寒み。」
彼は寒がりだ。
その時だった。
‘ドン’
目の前に寛二位の女性がいた。
「ご・・・・・・・・・ごめんなさい。前見てなくて。」
彼女は桜にそっくりだった・・・・・・・・・・・・・・
08/4/20 完
いかがでしたでしょうか、自分してはまだまだだと思います。
また何か面白い小説が出来たら投稿するのでその時はよろしくお願いします。