勇者よ、永遠に(完)
衝撃のラスト
「すまないがもう一度名前を聞いてもよいだろうか?」
ああ、やっぱりこの展開がやってきた。
「|花御堂天元明王丸義経公命武《はなみどうてんげんみょうおうまるよしつねこうのみことたけし》です」
やっぱり長いよね、この名前。
いいんだ、僕は慣れているから。
「変だ。日本人の名は苗字と名前だけの公正だったはず。ミドルネームはないはずなのだが・・・」
ああ、さすが異世界だ。
ミドルネームという発想があるのか。
だけど残念。
「大丈夫です。僕の名前は苗字と名前だけですよ」
「そ、そうか・・・」
僕はこの名前に対するリアクションに慣れている。
だから、次の展開も何となく予想がつく。
「では、勇者花御堂よ。我の」
「苗字を途中で切らないでください」
僕の苗字は|花御堂天元明王丸義経公命《はなみどうてんげんみょうおうまるよしつねこうのみこと》である。
もちろん、父と母の苗字も僕と同じだ。
「タケシと呼んでください」
「・・・では、改めて。勇者タケシよ、わr・・・!?」
ん?
「どうかしましたか?」
「なぜ召喚の魔方陣が起動しているのだ?」
何を言ってらっしゃいますか。
そんなわけないでしょう。
僕は魔王アーチ様が目を向けている自分の足元を見た。
ほ~ら、僕の足元の魔方陣はちゃんとピンク色の光を放っているではないですか。
・・・あれっ?
おかしくね?
「あの、魔王様。これはいったい?」
そういいながら目線を上げると、そこに魔王はいなかった。
「えっ?」
魔王はどこいった?
魔王城は?
僕は召喚される前にいたコンビニ前の横断歩道の上にいた。
何があったのだろうか?
僕はその場であたりを見回した。
左側には道路が真っすぐ伸びていた。
右側にはトラっkぐぅふぇ
ドーン
ある日の夕方のニュース
「今日午後1時ごろ、〇〇県〇〇市〇〇のコンビニエンスストア〇〇支店の前の横断歩道を渡っていた男性がいれ無理運転のトラックに撥ねられ、死亡しました。被害者の名前・・・!?」
しばらくの沈黙の後
「・・・名前長っげ」
衝撃(物理)のラスト