交通事故からの勇者召喚、ただし・・・
初投稿です。
僕は勇者として異世界に召喚された。
最近の創作話(主にラノベ、アニメ、漫画)じゃよくある話だそうじゃないか。
主人公が事故に巻き込まれそうな瞬間に不思議な光に包まれて、気が付いたらどこぞのヨーロッパ風の大広間の中心に立っているのさ。
そしたらだよ、目の前の王様みたいなやつ、あるいはお姫様みたいなやつが言うわけさ。
「勇者様、どうかこの世界を救ってください」
そのあとに主人公の置かれている状況を主人公と読者(あるいは視聴者)のために大雑把な世界観を説明した後、魔王を倒すために勇者を魔王城へと旅立たせる。
その旅の中で主人公はいい感じの仲間とともに、いい感じの降りかかる困難に立ち向かい、いい感じで魔王城に到着する。
その間に、主人公以外を主人公にしたサイドストーリーなんかも見れちゃったりすることがある。
そんでもっと仲間とともに何とか魔王を倒してハッピーエンド・・・ってな感じかな。
なんでこんな話を僕がしているのかというと、
ズバリ、今のパターンの最初のほうを経験しちゃったからよ。
小腹がすいたからコンビニに行ったら、僕に向かってトラックが向かってきちゃったのよ。
ビックリしたよ。そのせいで動けなくなっちゃったよ。
よくさ、人間って命の危機に瀕したら周囲がゆっくり動いているように見えるって話よくあるでしょ。
僕の場合はなかったね。
トラックはきっちり時速50キロのスピードで、真っすぐ僕に向かって突っ込んできた。
ただね、これだけはよく見えたよ。
運転手さん頭がぐらんぐらん揺れてんの。
僕は思ったね。
ああ、運転手さん睡魔さんに勝てなかったんだ( ´∀` )
・・・笑い事ではない。
僕は死を覚悟したよ。
そしたらよ、包まれちゃったのよ、不思議な光に。
不思議な光に包まれて僕は若干パニクったよ。
ただね、そんな状況の中で僕はその光に対して思ったんだ。
なんでピンクやねん。
そんでもって、今の状況よ。
僕は今どこぞのヨーロッパ風の大広間の中心にいるんですよ。
で、僕の目線の先には玉座のようなものが見える。
なんで玉座ってわかったかだって?
だって、装飾が派手なんだもん。
玉座には王様らしき人が座っている。
「勇者よ・・・」
王様らしき人ではなかった、女王様らしき人だった。
「勇者」という言葉を聞いて僕は瞬間に理解した。
あのパターンのやつや、と
あのパターンとは最近はやりのうんたらかんたらあたりで言ったことだ。
あぁ、ここは異世界なのだ。
僕はこれから魔王を倒しに魔王城へ行かねばならんのだ、そう思った。
だが、僕は次の言葉で魔王城に行く必要はないと確信できた。
「勇者よ、わが魔王城へようこそ」
魔王城でした。
現地でした。
目の前の女王様みたいな人は魔王でした。