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ハーレム?逆ハー?

ヒーロー女子と美化委員

作者: まこと

「あの、さっき調理実習の時に作ったんですけど、甘い物はお好きですか?もし良かったらその、受け取ってください!!!」



「ありがとう、甘いの・・・大好きなんだ!」



「はぅー♡大好きだなんてそんな・・・♡」


「ちょっと!私だって渡したいんだから早くどいてよ!」

「あんたこそどきなさいよ!」



皆さんこんにちは。大道(だいどう) 理央(りお)です。

一応


































女です。



「ちょっと貰いすぎなんじゃない?そんなに食べれんの?」

廊下から教室の中に入り、琴音の待つ机へと腰掛ける。

「何だか断りきれなくって。」

苦笑いしながらその中の一つにかぶりつく。


「理央見てると乙ゲーと言うよりギャルゲー見てる気分よ・・・。あいつらよりも理央の方が攻略キャラしっくり来てんじゃない?それならあたしもヒロインとして行動するし」




あー、皆さんお気づきでしょうか?

感がいい人はお分かりですよね?


実はここは「君と恋する」という乙女ゲームの世界なのです。まぁ私はそんなゲームは知らないのですが。

私の目の前に座る可愛い女の子「岩中(いわなか) 琴音(ことね)」が前世の記憶を持った転生者で、立場上ヒロインらしいのですが、全く攻略する気は無いそうです。逆にけなし出す今日このごろ(笑)



「琴音はさ、好きな人がいるの?」

「っっっ!はぁ?何急に?!」

「んー、ちょっと気になっただけ?ご飯食べよ!」


「「「いただきまーーす!!」」」



あれ?なんか声が多い気がする。


「ちょっと、なんであんたがここにいるのよ!『宮日(みやび) (とら)』」


琴音が指さした先には攻略キャラだったはずの放送委員がいた。

「俺だって、理央さんとご飯食べたいから!」


流石は攻略キャラ。満面の笑みをした瞬間周りで見ていた女の子たちが倒れていった。

このままここで食べるわけにもいかず、私たちは食堂へ移動した。



「俺理央さんとお近付きになりたいんだけど、・・・琴音さんがすんごい睨んでくる。」

「ご飯食べたら速く教室に戻ればいいじゃない!理央には触らせないわよ!!」



ご飯が食べ終わってもなお、2人で対戦している。

そんな姿を見た私は、いつこんなに仲良くなったのだろうと眠い頭で考えていた。

(・・・ま、いっか。)


「理央!ちょっと喉乾いたから自販で飲みもん買ってきて!それまでにコイツを黙らせておくから。」


琴音の目が血走って相当怒っているそうなので、私は頷き席を離れた。



「琴音の好きな飲みもんって、外の自販しかないんだよね・・・。」

私は少し目を覚ましつつ、三人分の飲み物を購入する。

すると花壇の方からなにやら声がした。

気になって近づくとそこには二人の男女がいた。

女の子の方は赤く染まっており、相手の男性に告白しているらしい。

「邪魔しちゃ悪いな・・・」


そう思いその場を離れようとすると男が急に苛立ったように話し出した。


「・・・うるせぇんだよ。・・・お前しつこい。・・・俺はお前みたいなブスが嫌い。どっか行け。」


「あれ?あの人どっかで・・・」

「あれって、美化委員の『松坂 日向』じゃない。」

「うわっ!・・・びっくりした。あれ?宮日君は?」

「うっさいから殴ってこっち来た。」

可哀想な宮日君・・・。琴音空手で黒帯なのに。


「それより花いじってる時とは随分違うわね。」

「どんな風に?」

「花にはめっちゃ優しげに微笑んでるのよ、あのキャラ。」

「へー、そうなんだ。」


「それにしても攻略キャラ様々ね。口悪すぎるけど、告白じゃない!」


私たちの会話中も女の子は涙を流しながらも、必死に食いついていた。


「でもなんか、雰囲気が、」


「・・・すきなの!私と・・・」

「・・・・・・うるせぇな!」

 

男はそんな女の子に苛立ち殴りかかろうとした。

「・・・!ちょ、理央?」



「っいや!」


 ガッ!!




「もう辞めなよ。」

(間に合った・・・。見ててよかったかも。)


素早く飛び出て、男の降った手を止めるのに成功した。

女の子は涙目になりながらもその様子を驚いた顔で見ている。


「・・・なんだ、お前。」

「たまたま通りかかっただけだけどさ、それ以上彼女を傷つけるのは可哀想だよ。言葉の刃はなかなか治らない。暴力なんてもっての他だ。それに、」


彼に向き直って彼の両手を掴む。


「君の花を扱う手を人を傷つけるために使うのは勿体なくはないかい?こんな素敵な手が可哀想だな!」


そう言いながら、私は女の子の方を向く。

「君、大丈夫?ごめんね、見てられなくて・・・。余計なおせっかいなのは分かってるんだけど。私は君の一途な所は素敵だと思うし、恋してる子はとっても可愛いと思う。だから、泣かないで?ね!」


そう言って微笑めむと彼女は真っ赤になりながら「は、はいっ!」っと言ってどっかえ言ってしまった。



「ちょっと!理央急にびっくりしたじゃない!?て、大丈夫?」

「ごめん、ごめん。琴音ありがとう、大丈夫だよ!」


行こっかっと言って、私たちは美化委員の人を置いて教室に帰っていった。(あのままいたら琴音が彼に喧嘩を売りそうだったので。)




 そして翌日・・・。

「・・・俺も一緒に食べる」


 こうしてまた一人「松坂 日向」が攻略されました。


「・・・・・・理央・・・好き。」

どうでしたでしょうか?

誤字などおかしな所ありましたら、コメントお願いします。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

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