閑話休題、穐斗がいなくなり、日本は大騒ぎになりました。
所で、日本では、日向から連絡を受けた醍醐が、日本にいる穐斗の様子がおかしいことを主治医に連絡した。
そして、診察をしようと聴診器を当てたとたん、穐斗の体がみるみる小さくなっていき、一株の植物に変化した。
「あ、穐斗‼」
本物ではないとはいえ、目の前で姿を変えた息子に、風遊は立ちくらみを起こす。
「な、何だって⁉こ、っこれは‼」
慌てふためく主治医に、醍醐は、
「せ、先生‼どう言うことなんです⁉な、何で、穐斗が⁉」
「い、いや、いや……わ、分からん‼どう言うことなんで⁉エェェ？」
主治医の横では真っ青を通り越して蒼白の看護師もいる。
すると、醍醐のスマホが鳴り、
「おい‼穐斗は、いるか？」
日向の声に醍醐は、
「先生。イングランドにいる友人です。……あぁ、ひな‼穐斗がおかしいから、主治医の先生に見て貰っていたんです。そうしたら、何か……植物になってしまって……どういうことか私も、先生方も動揺して……」
「それが、テレビを。テレビを見てくれないか？」
「テレビ？」
ぎくしゃくとした動きで看護師がテレビをつける。
「Changelingです‼現代の妖精物語‼」
テレビで叫ぶ声に、
「Changeling？どういうこと？」
「MEGは、実は妖精で取り替え子だったんだ。本当の、穐斗のお姉さんはマーガレットさんと言うんだが、妖精に連れていかれていた‼しかも、モルガーナさんよりも年上の人から、果ては５才程の子まで、あの、アルテミス卿の子供が何人も‼」
「ちょ、ちょっと待って‼風遊」
ベッドに休ませて、メモに書き始める。
「MEGが取り替え子で、本物のマーガレットさんが戻ってきた。で、穐斗のお父さんが何？」
書き込んでいく。
「はぁ？何人……で、ちょっとまち‼穐斗、双子って、ちょっと……穐斗が、兄弟の代わりに自分がって……穐斗が妖精に連れ去られた‼」
「あ、穐斗ぉぉ‼」
話を深く聞いていない……演技ができないだろうと敢えて教えなかった風遊が完全に気絶し、
「お、お母さん‼清水さん‼」
主治医は風遊をみる。
「……戻ってきたのは取り替え子や、実の父親が妖精に渡した女の子達……と、穐斗の双子の妹の蛍。穐斗は消えてしまった……って言うんか？こっちは、何か植物が残っただけや⁉どうして‼」
「こっちは、マーガレットさんを始め、10人程いるんだ、女性が５才位の女の子も。でもまともに話ができるのが、マーガレットさんと蛍や。でも二人も弱っていて、それにマーガレットさんはさきさんに抱きついて離れないし、蛍は寝込んでいて、祐也が看病してる」
「は？さき兄さん？何で？」
「ん？何があったのか納得したいって。で、色々手を尽くしてくれている。二人でいたらうるさいのに、さきさん一人だと物静かと言うか口数が全くなし。でも、こっちにあるもので、お菓子を作って、小さい子が喜んで……おわっ！」
『にーたーん‼だっこ‼』
『コーンフラワー（cornflower）‼グーはダメ‼痛かったぞ～？パーで‼』
『んーと、パー？』
スマホの向こうでは、日向がコーンフラワーと言う子供に言葉を教えているらしい。
『良くできました。コーンフラワーはお利口』
『おいこう？』
『いいこいいこだよ』
醍醐が聞いていると、日向が父親で、子供を可愛がっているように聞こえる。
「おーい、ひな、どうなっているんです？」
「あ、悪い。一番小さなコーンフラワーって言う名前の子供が、目を覚まして……。で、父親の引き起こしたことにモルガーナさんが……。旦那さんのガラハッドさんとウェインが頑張ってる。それとヴィヴィアン、紅も」
「そうなんですかと言うよりも‼穐斗の‼探すことはできないんですか‼」
「……姉妹の代わりにと……行ってしまったから」
「そんな‼まずは。こちらも捜索願い出します‼先生や看護師さんが証人です‼それで‼」
二三確認し、電話は切れた。
「まずは、先生‼看護師さん‼警察を‼」
静かな病院が大騒ぎになったのだった。
コーンフラワー（cornflower）は矢車菊です。
ルビーとサファイアは同じ石ですが、 構成により色が変わります。
ルビーは真紅。それ以外はサファイアと言いますが、一般的に珍重されるのはブルーサファイア。
そのいろを説明する時に『矢車菊のブルー』と言うのです。
ちなみに刹那の誕生石です。
ブルーサファイア好きです(*^_^*)
いえ、買ってと言うのではないですよ(／ロ゜)／
そして、穐斗の代理だった植物ですが、他の子は皆花の名前ですが、多肉植物の『テディベア』と言う品種です。
探しているのですが見つからないのです。
頑張ってうちのこにしたいです。
