表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
91/101

閑話休題、モルガーナは、穐斗との話を説明しました。

 部屋を出ると、居間に向かう。

 姉妹たちのほとんどは、くれないとヴィヴィアンが対処をしてくれており、休んでいた。

 それに、ガラハッドの姪の夫婦や、庭師ガーデナーの家族も手分けして手伝ってくれている。


「お疲れ様、モーリィ」


 夫の言葉に、モルガーナは抱きつき、


「ごめんなさい……貴方……父が、父が、何てことを……」

「わしよりも、モーリィ。モーリィの姉妹がこれからどうなるかだと思うが?」

「あの……」


 一人、座っていたマーガレットが、


「私、日本の名前があると聞いています。日本に行っても良いでしょうか?」

「やめた方がいいわ‼マーガレット‼貴方のChangelingチェンジリングだった妖精は……」

「でも、ここにいるのが………辛いの。姉さん」


目を伏せる。

 MEGメグは明るいブルーだった瞳はアイスブルーで、天然パーマではなく、ヴィヴィアンとそっくりのプラチナブロンド……。


「バッシングにも遭うのは解ってるの。言われたの。でも……紅が言った、桜が見たいの」

「で、一応ちょっと、電話で相談したんです」


 日向ひなたが声をかける。


「そうしたら、さきさん……風遊ふゆさんの婚約者の兄になる紫野むらさきのさんが来るって。様子が向こうでは解らないからと」

「あ、あの、穐斗あきとは‼」


 こちらも少々汚れていた祐也ゆうやは、庭師の家のシャワーを借りて着替えをしていた。


「それが……」


 説明する。


「なっ‼」


 言葉を失う。


「でも、穐斗は‼」

「Changelingで連れ去られた……穐斗だが、出国手続きも入国審査もなしで、入るのは罪だ。父親に誘拐されてつれていかれたのは事実。それに、勝手に出国して入国、帰国にも手続きがいる。被害者だが裁判等も大変だぞ」

「じゃぁ、穐斗は‼いるじゃないですか‼」


 訴える祐也に、横で、スッパーンと脳天から手刀が叩き込まれる。

 頭を押さえうめく祐也。


『うるさいで、祐也。一応ウェインの通訳で大体分かったけど、じゃぁ、穐斗は連れ去られて、おらんなった。本当は双子やって、Changeling?それで連れていかれとった妹だけが戻ったって言うたらよかろ?』

『双子の妹‼』

『戸籍は当然ないし、実の親父が作ってない。他の人らもや。一緒に作って貰て、一応こっちの人やてしたらエエんと違うんか?双子や言うたら、かまんかまん』

『さすがは、先輩』


 誉めているのか、あきれているのか、日向の声に、


『それに、穐斗がしたいいよるのに、とめたらいけん。それに他に面倒臭い裁判して、モルガーナさんや、穐斗やその姉ちゃんらを悲しませるんはもっといけん‼これ以上、悲しい思いさせてどうするんで‼』


言い切った一平いっぺいの言葉をウェインの通訳で聞いたガラハッドは、一平に手を伸ばすと握手をする。


「ありがとう‼君の意見にわしも同じだよ‼」

『やろ?そういってくれると思ったわ』


 片言どころか、英語と日本語で通じあう筋肉族である。


「じゃぁ……穐斗は……」

「穐斗の名前はなしにして、セカンドネームは一緒のアンジュ。日本名を別につけたら?」


 頬に殴られたあとがあるウェインを、母のモルガーナは、


「ウェイン?その頬は……」

「あ、うん。後で……それよりも、名前は?どうする?」

「……ほたる……で、どうですか?」


祐也の言葉に皆は頷いたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ