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第80話、西日が沈むのを追いかけてトラックは進みます。

一応、閑話休題を除いて80話です。

そして3月31日‼

エンディングはどこだ⁉

「まぁ、後で父親と本妻さんは、本邸にも別邸にもいられなくなって、次兄の所に行ってしまったよ。で、その前に、嫁にモーリィを貰ったと。じいたちは『モーリィに戻ってきてくれと伝えて下さい~‼』って言うが、あんなに可愛い嫁をロンドンに連れていったら、馬鹿達が‼そう思わんか?な?」


 自分達の母や、穐斗あきとの母の風遊ふゆと年の変わらないモルガーナだが、落ち着いている風でいてとても朗らかで暖かで、母性と少女のような可愛らしい女性でもある。


「一目惚れとか?」

「そりゃそうだ。あんなに美しい女性に会ったことはなかった‼それに、上品だが、わしの素性を知っている社交界の中で、全く普通に話してくれた。そうしたら、学校の同級生は『あの妖精侯爵の娘、認知されてないそうだ。よくこんな所に顔が出せる』って言うもんだから、殴り合いになって、モーリィに『何で喧嘩をしたんですか‼』って怒られて、手当てしてくれてな、で、『嫁になってくれ‼』って言った」

「即‼」


 二人はぎょっとする。

 あのウェインの父が、即プロポーズ‼


「そりゃそうだ。今でも美しいが、モーリィは本当に飛び抜けて綺麗だったんだ。で、父親と本妻さんが怒鳴るもんで『じゃぁ、跡継ぐの止める』って言ってやった。じいたちは、モーリィの表向きじゃなくあの性格を知ってたし、また今度も、変な嫁よりもモーリィがいいと、じいがいいに言って、そしたらモーリィの祖父である先代と夫人が、泣きながら『自分の娘として嫁がせる』と言ってくれたと言って、黙らせたら、父親たちは出ていったな」

「お父さん方は……?」

「ん?わしの素性や、モーリィの素性を言い触らすが、爵位は子爵で、その上、そんなに豊かな土地は持っていなかった上に浪費で土地屋敷を手放した。それを聞いて、買い取って兄に戻そうとしたら、『恥をかかす気か‼』ってな。恥よりも生活だろうに……」


 ため息をついた。


「で、最初に生まれた姪を、半ば売るようにして他国の金持ちと結婚させようとしたら、駆け落ちして、まぁ姪はここの近くの村で、モーリィに習ってる白魔女として幸せに暮らしているよ」

「それは……その姪の方は良かったですね」

「あぁ、子供も生まれてちょこちょこしとる。わしのことをじいちゃんと呼ぶぞ?で、ウェインをおじちゃん『えー?おじちゃん‼お兄ちゃんじゃないの?』とかいっとるな。そんなことを言う前に、もじもじせずにくれないにアタックして欲しいんだが……祐也ゆうやはそれを狙っているんだろう?」


 ミラー越しににやっと笑われ、首をすくめる。


「いや、お金とかを下さいじゃなくて、あの男前な性格を何とか……いえ、ちゃんと可愛いので、お眼鏡にかなった相手をとも思うんです。でも、あの性格なのである程度‼」

「あははは‼あれだけウェインが頑張っても『ゆうにいちゃん』じゃ、大変だ。でも、ウェインはちゃんと見えているから大丈夫だろう。最初は、あのモーリィに似た顔と侯爵家の跡取りと言うことで、デビューして、大丈夫か?と思ったが、本人が5才で『僕はお仕事してます‼遊んでません‼邪魔しないで‼』とパパラッチに言って、バァァっと広がった。わしもモーリィも子供たちを、一応貴族としての最低限のマナーと誇り、だがそれは、周囲にいるじいたちがいてこそだと言い聞かせて来たが、ウェインはホッとした。しかしモルドレッドは……」

「おじさんやモルガーナさんの背中を見ていたら解るんじゃないですか?俺も、父が目標です」


 祐也は言う。

 日向ひなたは、少し考え、


麒一郎きいちろうじいちゃん……かな?俺は」

「それは、麒一郎にいさんも嬉しいだろう……さて、ここまでがウェインの領地。これからが『妖精侯爵』の領地だ。準備はいいか?襲われる前に突撃するぞ‼」




 ハンドルを大きく回すと速度をあげ、トラックは走り出したのだった。

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