表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/101

第67話、祐也は日記の中に書かれていたものに行き着くことができました。

 病院では祐也ゆうやの体調は悪化するといけないと言うことで、ウェインは父に頼み、退院をさせて貰う代わりに、有名な医師と看護師に通いで来て貰うことにした。


 父の屋敷に戻ったウェインとくれないと、寝台で点滴を打ちつつ戻ってきた祐也に、家令以下が迎える。


「おお帰りなさいませ。何かがあったとの事ですが……」

「あぁ、とある子爵家の方がね……後で話すよ。まずは祐也と紅の部屋は……」

「整っております。お付きは……」

「祐也には看護師がつくことになっているよ。で、ジョゼフィン」

「は、はい。若君様」


 恐る恐る出てきたのはクルミ色の短い髪と瞳の少女。


「ジョゼフィン、日本語はある程度解るかな?」

「は、はい。大丈夫です‼」

「じゃぁ、ジョゼフィン。君に、この紅付きのメイドを。英語を勉強したいって言っていたからね。暇があったらよろしく頼むよ」


 微笑み、そして、不安そうな紅に、


『紅?この、メイドのジョゼフィンが、日本語を少し話すことができるから、英語を教えて貰いつつ、ここで祐也が元気になるまでいるんだよ?』

『ウェインさんは?』

『領地の事もあるし、ちょっと忙しいけれど、時々ヴィヴィも来るから……あ、僕も手配がすんだら戻ってくるからね?皆や、もしかしたら父に会うと思うけど、大丈夫だよ、優しい人だから』


よしよしと頭を撫でる。




 そして、兄の祐也の病室の隣が紅の部屋になったのだが、


『え、えぇぇぇぇ‼フリル、レース‼リボン~⁉あの剣とか、槍とか~‼』

『こ、こちらは客間ですので、そういったものは、防犯上と言うか、お客様に危害が及ばないようにおかれておりません。紅様』

『わぁぁ、日本語上手だね~‼ジョゼフィン。紅で良いよ?うち……私は、ふつーの一般人だから』

『そんな‼お屋敷の客人にそんなことは……』

『う~ん……じゃぁ、英語教えてくれるんでしょう?その時はレディとかなしで、紅って呼んでね?紅って呼びにくいでしょ?ね?』


可愛らしい少女の言葉にほだされたのだった。




 そして、看護しに許可を貰い、疲れたら休むと言うことで日記を読んでいた祐也は、


『えっ?』


そこには大きく、


Changelingチェンジリング


と言う文字があり、


「我が妻キャロラインは、美しい女性でアイルランド出身だ。本当に美しいが、私の元に嫁いだ時に、不安げに何度も『elfエルフ』や『Fairiesフェアリーズ』を気にする。彼女とは婚約して結婚した。大変な美貌の持ち主だと聞いていたからである。望んで、嫁いでくる筈が、何故か来てくれず、やきもきしていたのだが、ようやく嫁いできてくれた。美しい妻……愛おしい子を産んでほしい……」


「キャロラインに子供が出来た‼とても嬉しいことだ‼だが不安そうな表情をする。『大丈夫だ、私が守る』そう何度も繰り返し安堵させる。子供が生まれたら、跡継ぎならば本当に嬉しいことだ‼」


「子供が生まれた‼嬉しい‼妻に良く似た跡取り息子だ‼と喜んだのもつかの間、ランズ・エンドから馬の蹄の音がして、『約束の子供を貰いに来た。代わりにこの子を育てるが良い』と言う声がして、ベッドの上には、似ても似つかぬぎょろっとした瞳のトロールの赤ん坊がいた。愕然とする。『Changeling』?何故だ?どう言うことだ⁉」


「泣き伏して目を合わせようとしない妻に、問い詰めた。すると、アイルランドでは美しい女性を連れ去り、妖精の花嫁、もしくは妖精の子供の乳母にさせられると言う伝説があるという。妻や親族は信じていなかったのだが、結婚の直前に妖精にさらわれ、花嫁にされたのだと言う。『自分には婚約者がいる。近づいたら自害する‼』と、身に帯びていた小刀で拒絶し続けた。そして、根負けした相手が『では、お前が結婚し生まれた息子を奪いに行く。そして、代わりにelf、フェアリー、トロールの子を置いていこう。美しい妻よ。大人しく身を任せれば、良かったものを……この呪いはお前の子々孫々……男児が途絶えるまで続いていくだろう』そう言われたのだと……。そんな、バカなことはあり得ない。妻を責める事は出来ない。私の為に、心を尽くしてくれたのだ」


「トロールの子供を追い出し、どうにかして息子を取り戻したいと思うが、妻はこれ以上呪われてはと泣き伏してしまう。しかし、このままでも、この家が絶えてしまう。私の子に跡を継がせたい。私と妻の子だ‼」




 看護師が少し離れたところにいる為、言うこともできず、日本語で呟く。


『チェンジリング………取り替え子か……穐斗あきとは詳しいと思うけど……アーサー王伝説は、妖精と密接だし……待てよ。アーサー王は亡くなるとされた時に妖精の国に……行った訳で、亡くなっていなかった。アーサー王は多分、とても美しい人間で、チェンジリング……現世うつしよでは偽物がトロールであったとしても良い訳だ……』


 ノートに書き込みつつ思う。


『でも、このチェンジリングが、穐斗にどう影響しているんだ?……そう言えば、実の父親がチェンジリングで戻ってきたっていってたよな……どうやってだ?どれに、戻ってきて奇行って……いつ連れ去られたんだ?』




 気になることを書き込み、そして、次のページに進むのだった。

ようやくですぅぅぅ~‼


実は、これが書きたかったんです‼

短く切った場合は出てきてませんネタです。


イギリスのヴェールズ地方では、子供の取り替え子で、フェアリー、トロール、エルフの子供と取り替えられるのですが、アイルランドでは美しい人(男女とも)が連れ去られるといわれていたそうです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ