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第53話、パディントン駅は、テディベアファンには垂涎の聖地です。

 パディントン駅は、ロンドンのパディントン地区にある駅である。

 世界的に有名なテディベアのお話は、『くまのプーさん(WINNIE the pooh)』、『パディントン・ベア』、『ルパート・ベア』等があるが、これは3つともイングランドのお話である。


 それぞれテディベアであり、ディズニー映画のプーさんはぬいぐるみっぽくアレンジされているが、元々テディベアであり、原作のイラストもテディベアである。

 パディントンも、くれないの今いるパディントン駅でいた熊(テディベアから着想している)を家族に迎えた一家と、駅の名前をつけて貰ったパディントンが巻き込まれ、巻き起こすとても楽しい物語である。




 しかし、プーさんは有名だが、パディントンベアを余りよく知らない……もしくはプーさんのディズニーのイラストはしっていても、原作は知らないという人もいる。

 紅もその一人で、


「熊や……何で熊がおるんかなぁ?」


兄の祐也ゆうやを待っている間に、豪快な妹の紅が、熊のぬいぐるみ……テディベア……や銅像をみる。

 それで、近くを歩いていた女性に突撃し、身ぶり手振りで、


『Hi! bear、pretty、name please‼』


 指で示し尋ねると、ニッコリと、


「『熊のパディントン』よ?」

「『熊のパディントン』……キュート‼book……」


たどたどしくではあるが、本を読んでみたいと言った紅に、女性は本屋に連れていって、示す。


「わぁ!可愛い‼それに……『くまのプーさん』『くまのルパート』……わぁ、可愛い。でも、皆熊ですか?」

「皆テディベアよ。いらっしゃい」


 一冊を女性がもって、奥に入っていくと、本とその奥に飾られていたパディントンベアを購入し、


「パディントンを可愛がってね。それと絵本も、読んでみてね」


と手渡された。


「えぇぇぇ‼お金……」

「構わないわ。それよりも、イングランドの旅を楽しんでね?お嬢さん」


 じゃぁと手を振って別れた女性に、


「あ、ありがとう‼」


と手を振り返す。

 渡されたぬいぐるみを持つとごつごつしており、がっしりしっかりその上小さいのに想像以上に重く、


「テディベアって言ってたよねぇ。テディベアって……熊のぬいぐるみやろ?ぬいぐるみはフワフワやのに、やけど、この子はガッシリや。でも、かっこえぇなぁ。パディントンベア‼本も読んでみたいけど、ゆうにいちゃんまっとこかなぁ……」


パディントンベアをだっこして、ナデナデしつつ待つ紅の前に、豪華な車が止まる。

 出てきたのが、二人の青年。

 一人が、道行く人が振り返るこのイングランドの若手実力派俳優ウェインに、その弟のお騒がせ俳優ではなく、一人の青年。


『わぁぁん‼ゆう兄ちゃん‼』

『ここで喋りよる暇はない‼中はいれ~‼』


と、急いで3人は入って車は出ていった。


『わーん‼ゆうにいちゃぁぁん‼会いたかったよー‼』


 兄に飛び付く妹に、


『それよりも、お前なぁ?突撃するなや。お前、英語ほとんど喋れんやろが』

『それは笑顔と、単語で乗り越えたらすむ‼あ、そうや~‼ゆうにいちゃん。みて‼あのね、あの駅の熊みて、あの子はって単語と身ぶり手振りで教えてもろたんよ。そしたらね』


バッグの中から、『熊のパディントン』の第一巻の原書と、テディベアを出す。


『本を見たい言うて頼んだら、本屋さんに連れていってくれて、可愛い~‼って言うたらうてくれた‼』

『はぁぁ‼初対面の人に、そんなこと頼んだんか‼』

『違うよー‼お金払いますって言いかけたら、パディントンベア可愛がってね、本も読んでみてねって言ってた……多分‼』


 多分……その一言に、祐也にウェインも方言は解らないにしろ、ある程度聞きとり呆気に取られる。

 勇者である。


『す、すごいね。えっと、紅ちゃんだっけ?僕はガウェイン。ウェインって呼んでくれるかな?』

『……ゆうにいちゃん‼ガウェイン日本語しゃべれるん?』

『あぁ、標準語はある程度』

『えぇぇぇ‼もっと高慢ちきで、根性悪のあのアホ弟と一緒やとおもとった~‼』


 その一言に、落ち込むウェインに、慌てて、


「ごめん‼ウェイン‼家の妹、気が強くて、負けず嫌いで、嫌いだって思ったら、とことん嫌うタイプで、モルドレッドをテレビでみて、キモッ……気持ち悪いって思ったみたいなんだよ‼」

『だって、アイツ、ブッサイク‼演技も下手、根性悪い。うちとおない年の癖に、あの態度‼ぶん殴ってやりたいわ‼あきちゃんいじめて‼ゆうにいちゃん‼良いやろ?最近なぁ、おばちゃんの前の旦那の写真をまとに貼り付けて、練習しよったら、センセに『集中力が上がって良いですね‼』って誉められたわ』

『的?』

『あ、ガウェインさん。うち、弓道……日本の弓やね。習いよるんよ。国体……毎年行われる国の体育大会に出場したんよ。今17やけん、来年高校卒業したら、大学いくんよ。家の兄弟は、ゆうにいちゃん以外特待や、頭悪いんばっかりやけんな』


 アハハ‼


笑う少女。

 その横で、祐也が説明する。


「一応、俺には二つ上の兄貴の一平いっぺいと、二つ下のこの紅と、その二つつ下にひめがいて、俺は普通に受験したんだよ。でも、兄貴と妹二人は高校も大学も特待……その得意な競技を打ち込んでくれる代わりに、本来の入学試験とかなしで進学できる生徒に選ばれてるんだ」

「それはすごいね。あぁ、父の屋敷だ。紅ちゃんのドレスもあるかな?」


 車は屋敷の門をくぐったのだった。

ランズ・エンド(Land's End)ですが、文字通り、大地の終わりという感じで、昔は私は北の端と思っていました。

でも、調べていたところ、西の端で、ビックリした覚えがあります。

一応調べた内容ですが、


ランズ・エンド……コンウォール語でPenn an Wlas。イングランドのコンウォール州の西端にあるペンウィズ半島の突端にある岬。

そのまた突端のDr Syntax's Hedadは『イングランド本土の最西端』である。


とあります。


パディントン駅は、Paddington Stationです。


よろしくお願いいたします。

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