表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/101

第45話、イングランドと日本にて……パパの黒さはバッチリです。

 ネットを通して貰ったお陰で、日向ひなた醍醐だいごと直接連絡できるようになる。


「はぁ?戻らんってどう言うことや‼」


 義理の息子と書いて子犬と読む穐斗あきとを守る醍醐にとって、子犬の飼育係である祐也ゆうやが戻ってくると思っていたらしい。


「醍醐先輩‼すみません‼本当は戻れと、日向先輩に言われたんです」

「ほな‼」

「今戻っても、穐斗の病気の原因が解りません‼原因さえ分かれば、何とかなるはずです‼それに、ウェインとそのお母さんのモルガーナさんが、穐斗の父親方の血筋に言い伝えがあると、それを徹底的に調べてみたいんです‼じゃないと、穐斗の病気は治らないです‼」


 醍醐はしばらく考え込み、そして、


「……本当に帰ってくるんか?祐也。穐斗はあての子や‼性別がどうであろうと、穐斗はいよった。『一度だけでいいんよ。ドレス着て、一緒に写真とる‼』そういうとった。穐斗は今本当にたたこおとる。必死に、眠りから起きようとしているのか、それとも、自分と向きおうてるんかは分からへん。ほやけどえぇか?穐斗が望むんを、逃げたら‼」

「逃げません‼醍醐先輩‼向き合っています‼どういう結果になるかは解りません‼でも一緒に写真だけじゃなく、一緒に生きる道を探したいんです‼だから、お願いします‼こちらで調べさせて下さい‼」

「……解りました。その代わり、何も結果がありませんじゃ許さないですよ?良いですね?」

「はい‼」

「あぁ、それと裁判の方、示談も相手側から提示しているようですよ」

「えぇと、どの件でしょうか?沢山あって……」


たった数日の間で、自分は一気に変わってしまった気がする。

 そして……、


「テレビ局側からの件ですね。後は、知っていると思いますが、あのMEGメグは日本から逃亡して、その父親と甥もそちらにいっているそうです。その為に、国際弁護士に大原さんがお願いしたそうですよ」

「大きくなりましたね……」

「大学側の退学問題も、学長の退任と慰謝料と復学と言う形でしょうか」

「復学しても、多分通わないでしょう、俺。先輩もじゃないですか?」


即答する。


「当然です。まだ婚約前ですが、将来の妻と可愛い子犬……いえ、子供を置いて大学に戻りませんよ。まぁ、あの大学の図書館は魅力的でしたが……」

「……あ、そう言えば。先輩。穐斗が住んでいたマンションの近くに古書店があるのご存じですか?」

「あぁ、ありますね。入ったことがないんです。家は、逆でしたし……」

「あそこには、地域の本がボコボコありましたよ。文庫の本の半分が専門書関係でした」

「それは……どうするんです?急に」


 怪訝そうに問いかける醍醐に、


「図書館作りませんか?下の道沿いの空き家に。私設図書館ですが、地域の人には無料で、他の人は有料。専門書から古い本、雑誌。で、そこで、風遊さんのハーブティとクッキーを有料で提供するんです。でも、大きな室内に椅子が多くて、おしゃべり出来るように」

「……ふーん。ひなはどう思います?」

「いや、俺は、お前が実家ののれんわけて貰って、和菓子を置けと思った」

「それは無理や‼どれだけ修業せなあかんか……私が作っているのは、手習いなんですよ‼」

「図書館の管理は、俺に任せてもらえたら嬉しいな」

「ひなの好みは中国史……」

「他にも、お前や祐也に聞くわ‼」


日向は、


「まぁ、こっちのネットを繋いだ。ある程度調べたら送るようにする。それに俺がいるから祐也は逃げない。だからそっちを頼んだ。お前の結納は無理だが、結婚式までには戻る」

「解りました。まぁ、そういうことで、祐也。信じてますよ」

「はい‼」


電話は切れたのだった。


「……醍醐の黒さがパワーアップしてたな」

「アハハ……大学の近くの穐斗の家を引き払うんでしょうね」

「俺の家も……まぁ、誰かに貸してもいいか。醍醐にまた連絡しよう」


 二人は囁いたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ