表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/101

第26話、祐也は実は、海外生活経験者です。

 落ち着いた部屋のなかで、ふと、政和まさかずが、


「祐坊。英語しゃべれるんか?」

「あぁ、うん。俺、小さい頃からオーストラリアと、カナダ、香港とか転々としよったんよ」

「えぇ‼聞いてないで?」


穐斗あきとに、苦笑する。


「あぁ、俺、今の家は、実の母親の兄ちゃんの家で、養子なんよ」

「エェェ‼」

「でも、たいぎょうなことやのうて、実の父親が、世界中飛び回るサラリーマン。で、母親は都会に出ていって、出会って結婚したんやけど、ついていくのも大変やけんなぁ……父親は英語もフランス語も中国語もそれなりにできたし、俺も子供やけんの。外に行ったら何かしら遊んで、言葉は覚える。でも、母親は言葉は通じん、全く環境に馴染めん上に、父親と喧嘩するようになって、日本に帰ってしもて、最後には離婚や。で、俺は父親に引き取られたんやけど、子育てしつつも大変で、再婚。でも、向こうにも子供がおって馴染めずにおったら、家の親父が来てくれてなぁ。で、『帰るで‼』言うて。兄貴も妹も、兄弟や言うてくれとるわ。母さんもな」


 あはは~‼


祐也ゆうやは笑う。


「一番長いことおったんは、カナダで、フランス語と英語が混在しとるし、香港もほとんど英語やけど、中国語も話とったし、スラングが多いんはオーストラリアやなぁ。さっきのもそれや」

「『アレク』が『馬鹿』って言うの、初めて知りましたよ」


 醍醐だいごの呟きに、


「オーストラリアもニュージーランドも、イングランドの属国と言うか、昔は、イングランドで罪を犯した犯罪者が流された流刑地やけんね。一応、女王陛下にイングランドの女王を戴いとるけど、関係ないって感じやったで。それに、オーストラリアは広いし、結構一人旅したで」

「エェェ‼そんなこと出来たの~‼」

「うーん?ぐれるのも面倒やろ?それに、家には父親ほとんどおらんし、お母さんって呼ぶな言われたしなぁ……。で、父親の違う兄弟ってのも、嫌がらせするんだよなぁ。で、言い返したりやり返したら、お母さんって呼ぶなって言った人が殴るし、父親に告げ口で、ボコボコやったしなぁ……」


呟いた一言に、周囲はシーンとする。


 ハッとして、


「あ、ごめんなさい。じいちゃん、ばあちゃん、母さんやおっちゃん、先輩に穐斗あきともおるのに……」

「……ごめんなぁ……祐ちゃん。知らんかった……喋らせてしもうて、ごめんなぁ」


泣きながら風遊ふゆは祐也を抱き締める。


「いや、かまんのよ。母さん。一応、母親は再婚しとるんやけど、時々手紙でも電話でも言うて、言うとったんや。でも、俺は連絡先取り上げられてお金ものうてかけられんかった。で、ヒッチハイカーになって、色んなとこ行ってきたわ。車に乗せて貰う代わりに、力仕事とかな。で、あちこち転々としとったんや。そしたら、母親が何回家に電話かけても俺が出てこんし、父親も『知るか』とか言いよったんやと。で、父さんがな様子を見に来てくれて、首都と反対側でヒッチハイクしよった俺を見つけてくれて、で、父親が俺の育児放棄しとる言うて訴えて、親権を再婚しとる母親じゃのうて、父さんに移してもろてな?こっちに戻ってきたんや。中学になっとったんやけど、勉強全然してないけんの~。いかん言うて猛勉強よ。それに兄貴には『言いたいことがあるんやったら、日本語で言え‼代わりに俺は英語で返したラァ‼』言うて、下手な英語と日本語で口喧嘩よ」


 祐也は風遊を抱き締め返す。


「で、体力はあるし体はでかいけん、近所のおっちゃんが柔道の道場をやりよって、通い始めたんや。言葉も解らんけど身ぶり手振りや、仲間にこれはこう言うて教えてもろてな。代わりに英語教えて、なかようなったんや。仲間外れなんてのうてな。それに、家には家族はおるし、あぁ、何て幸せなんやって思うとらい。兄貴は俺が英語もフランス語もできるけん言うて、海外留学を勧めてくれたけんど、かまん言うたんや。父さんと母さんは黙っとったんやけんど、父親が日本に戻ってきとんやと。そんで、また離婚したらしいわ。で、嫁さんとの間には子供が生まれんかって、俺を引き取りたい言うていよるらしい。で兄貴がぶん殴ったんやと」


 祐也は笑う。


「何時もは喧嘩ばっかりや。でも、身勝手な父親に『何勝手なこと言いよんで‼祐也は俺の弟や‼あんたは子育てひとつせずに、元の嫁の言い分ばっかり聞いて、祐也を殴る蹴るして、金も渡さん、おばさんとの連絡手段まで取り上げて、祐也はどこにいっとったんぞ‼祐也はこっちに来た頃、怯えとったんぞ‼殴られる、怒鳴られる、どうしよう言うて、泣きよったんじゃ‼そうしたんは誰ぞ‼お前やろが‼』言うて、俺とちごうてやせ形の兄貴が殴って、父さんに止められて母さんが『祐也は家の子です。あんたんとこの子じゃない。もう二度とこんといて。来たら、裁判起こすけんな‼お帰りや‼』言うて。嬉しかったわ」

「優しいなぁ、祐ちゃんのお母さんは」

「風遊母さんもや。初対面の俺に、穐斗と変わらんように可愛がってくれた。ええこやなぁって。じいちゃんもばあちゃんも、まっちゃんおっちゃんも先輩たちも、穐斗も俺は大好きや。やからなぁ……俺、ここに住みたいわ。あ、大学があるけん、その間は実家におって、休みの間とか戻って、色々したい。いかんかなぁ?」


 祐也の問いかけに、麒一郎きいちろうが、


「甘いこたぁないぞ?ここは、過疎の地域。わかっとろが?本当は穐斗も街にと思とった」

「えぇ?じいちゃん?ぼく、ここに住むんで?」

「何いよんぞ?車の運転もろくにできんのに」

「うぅぅ……が、頑張るもん‼」

「無理じゃ」

「じゃぁ、俺が車運転できますし‼もんてきても‼」


もう一度問いかける祐也に、


「お前が、清水の家の苦労を背負ってどうすんぞ?お前と穐斗に遺せるんは、二束三文の手入れのできんなった山に、あるんは家族が食べる程度の畑に田んぼ、それになぁ?まだわしらは普通に動けるが、後10年もしてみい。この口が達者のじじいとばあさんの介護やぞ?それにこの地域にはお前位の年のおなごはみんな、町にでてしもた」

「それでもえぇ‼俺は、ここに生きたいんや‼じいちゃん‼」

「僕も‼おる‼絶対おるけんな‼」


穐斗も必死に宣言したのだった。

一応、今ではほとんど言われていませんが、元々、オーストラリアは、罪人の流刑地と言われていました。罪を犯した人が、連れていかれて開拓していくといった感じです。

現住民族の方もおられたため、かなり激しいこともあったかと思います。


すみません。

この辺りは小学校時代の記憶です。

ですが、現在はとても経済も発展し素敵なところです。

カンガルーにコアラもいいですが、オーストラリアのタスマニアにいってみたいです。

肉じゃなくて、タスマニアの動物を~‼


ニュージーランドは、指輪物語などの映画の撮影があった、美しい国です。

いってみたいです~‼


で、カナダは、確かフランス語だったと……曖昧ですみません。

香港は、イギリス最大の不名誉な戦争、アヘン戦争で、中国の清から取り上げた地域で、現在は中国に返還されていますが、中国語と英語が入り乱れる地域です。


では、よろしくお願いいたします‼

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ