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第22話、先輩たちから緊急連絡が入ってきました。

 祐也ゆうやは、初めて食べる肉に興味津々で、口にする。

 口を動かすと、呑みこみ……。


「もっと生臭いんかとおもっとった。想像よりやらかいし、すこぅし癖があるけんど、嫌な感じじゃないなぁ。うまいわ‼母さんにばあちゃん」

「ほぉか?良かったわ。もっとあるで」

「うん、だんだん‼ほら、穐斗あきとも」


 箸を置いていた穐斗が、


「祐也、ごめんね?姉ちゃんが……」

「穐斗が謝らんでかまんで。それより食べよで」

「でも……」

「ほら」


口に入れると、もごもごとして、


「うまぁぁ‼」

「やろ?折角おっちゃんが獲ってきてくれたんやけん。食べんと勿体ないで?」

「うん‼……あれ?スマホ?」


鳴っているスマホに近づき、取ると、


「あー‼醍醐だいご先輩‼だんだん‼……あ、ありがとうございます。ちょっと元気になりました‼」

「醍醐先輩‼」


穐斗が、


「はい、はい……え、エェェ‼先輩たちにも?ちょっと待って下さいね?」


手を押え、


「祐也。それにじいちゃんとばあちゃん、母さんにおいちゃん。どうしょうか?なんかなぁ?サークルの先輩らの家にも取材陣がきよって、困っとんやって。で、今、紅葉山公園もみじやまこうえんの駅におるんやって」

「紅葉山って……」


祐也は穐斗と顔を見合わせる。


 紅葉山公園駅は、JRの駅である。

 穐斗の実家から一番近い駅ではあるが、それから、山道を15分程度車で走る。


「ちょっと待ってや。まぁ、一回だけ3人と、ここに来た時に送って貰った駅やけど……」

「迎えにいかんと‼」


 立ち上がろうとする穐斗に、祐也が、


「母さん。先輩たち迎えにいってもええやろか?俺が車運転するし」

「僕が道案内する~‼」

「祐ちゃんは安心やけど、穐斗は心配やなぁ」


言いながら、鍵を取りだし、


「はい。祐ちゃん。穐斗もよろしくなぁ?」


と、言いながら手渡す。


「はい、じゃぁ、いってこうわい‼」

「いってこうわい……って、あれ?祐也。ぴょこぴょこしよるよ~?」

「あぁ、鶴姫つるひめも来るんか?おとなしゅうしとんで?」

弁慶べんけい義経よしつねもいきたいって」

「はぁぁ?まぁ、先輩たちは平気やけどな。行くか~?」


 二人と3頭が出ていくのを、


「いっといでや~」


と4人は見送る。


「二人の先輩って……」

「あぁ、3人よ。一人がほんっとかわええ女の子で、スゥちゃん。スゥちゃんの旦那さんのひなちゃん。ひなちゃんの親友が醍醐くんや」

「DAIGO言うて、あのテレビの?」

「アホか‼」


 猟の犬はもう飼っていないものの、銃は置いている麒一郎きいちろうは、拳で殴る。


「京都の醍醐。醍醐寺の醍醐や。蛍を見にきとったやろが、穐斗の先輩や言うて。小さい女の子と眼鏡をかけたきりっとした坊主と、もう一人……」

「あぁ、綺麗な顔した兄ちゃんな。頼りなさそな感じの……」

「お前は絶対に、アホや」


 麒一郎は呆れ果て、晴海はるみは、


「あの醍醐くんはなぁ、京都の有名な和菓子のお店の松尾まつのおの坊っちゃんやで?」

「松尾……言うて、エェェ‼あの?前に、テレビで交渉しても予約と、常連優先とかいうんか?」

「そうそう。本人も相当なおいしいお菓子を作ってくれてなぁ?」


息子同様和菓子党の風遊ふゆである。


「ホントにええ子やで。でも、こもたなぁ……夏樹のせぇで、こがいなことになってしもて……あぁ、3人の部屋はどないしよか……新婚のスゥちゃんとひなちゃん言うんも、いけんし……今日はスゥちゃんとうちが寝て、上にひなちゃんと醍醐くん、穐斗と祐ちゃんやなぁ」


 立ちあがり、


「まっちゃん。こっちの客用布団。持ってくの手伝わんかいね」

「いっつもわをつこうて、お前は鬼か‼」

「ハイハイ。後で、酒おのみや」


恋愛感情のない幼馴染みは、顎で使われるのである。

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