表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

第二話 学級組織と体育事件。

俺は家を出て駅へ向かうと大樹はもう来ていた。


「鈴!うーっす。そういえば夏樹がまた来いって言ってたぞ。」


「うっす。じゃあ今日も行くかな。」


「おぉ、来い来い。まぁ電車に乗ろうぜ。」


俺と大樹は挨拶し合うと電車に乗った。一つ目の駅に行った時に高瀬さんとその友達が乗ってきた。特に面識も無いので話すことも無いので彼女たちは向こうの席に座った。

俺は大樹に合気道の基礎を聞きながら時間を潰した。そして、二つ目の駅に到着して俺と大樹はコンビニに向かった。お互いに弁当だけじゃ物足りないので何か買おうと思ったからだ。

コンビニで買い物をした後学園に向かった。今日から普通授業なので少々緊張気味に登校した。

そして俺と大樹は教室に着いた。


「うーっす」


「お、おは・・よう・・・」


俺と大樹は挨拶しながら教室に入った。大樹とは普通に話せるが、俺の精神的な病は治ってないのでおどおどしてしまった。普通に喋れるようになりたい。

周りから「うっす」とか「おはよー」って聞こえてくる。俺の中学の頃とは大違いだった。みんなフレンドリーなのだろうか?

席に座って俺は大樹とチャイムが鳴るまで他愛もない話をした。


チャイムが鳴りHRを終え、授業の準備をする。俺の今日の楽しみは体育のみだ。というか、俺は体育とパソコンを使うような授業以外は基本、出来るっちゃできるが好きではない。体育は4時間目なのでそれまでは子守唄にしか聞こえない授業を受けることになる。

ぼっーっとしてると1時間目が始まった。大樹は真面目君じゃ無いらしく、俺の方、つまり後ろを何度も振り返り話しかけてくる。大樹が話しかけてくれるのは嬉しいのだが、授業中なのであまり目立った動きはやめて欲しい。目立つと何を言われるか怖いので俺は内心ビクビクしながらも大樹とどうでも良いような事を話して授業を潰していた。


「大樹!鈴が気になるのは分かったが、今は授業中だぞ。イチャイチャするなら他の時間にしてくれ。」


数十分後、俺の考えていた最悪の事態が起こった。

怒られるならまだしも、高校の男の先生特有の悪乗りした注意が飛んできた。


「高校生活。開始二日目で終了か・・・・よりによってホモ疑惑かよ・・・」


俺は呟いた。大樹は聞こえたらしく苦笑いしながら先生に返答した。


「俺も鈴もノーマルですよ先生。」


「分かったから・・・とりあえず前を向け。授業再開するぞ。」


大樹の斜め上なフォローで、なんとか俺と大樹にホモという烙印を押されずに済んだ。そして高校初の1時間目の授業はなかなかの事件を巻き起こして終わりを告げた。

2時間目は女の先生が担当している世界史だ。先生がとてつもなく優しい声だったのでいつの間にか俺と大樹は眠りに落ちていた。

そして3時間目。3時間目はLHR。中学で言う学活だ。昨日は入学式と軽い自己紹介だけだったので、今回は本格的に学級組織を作るようだ。委員長、副委員長、議長、副議長、書記。

俺の経験上、議長と副議長は絶対と言っていいほど仕事が無い。しかし、だからといって俺が入ろうとしているわけではない。俺は何かが問題で陰口を叩かれたり、いじめにあうような事にはなりたくないので俺は無所属を貫き通すのだ。

・・・・というわけで、いざというときには大樹に盾になってもらおうと思っていた。

学級役員を決めるときにはやはり委員長からだろう。担任の先生は委員長に立候補する人を聞いた。ちなみに担任は女教師だった。


「高瀬さん向いてると思うよ?」

「だよね!高瀬さんってよく見ると委員長タイプってやつ?だもん!」

「ねぇ葵、やっちゃいなって。うまくいけば履歴書にも載るんだし」

「はーい、私、葵推薦しまーす!」

「・・・ちょっと、やめてよ。私やるって言ってないもん。もう!怒るよ?」


女子高生ノリってやつなのだろうか?いや、男子にもこういうのはあるはず。

というか、俺もそんな事されたな。あの時は掃除当番、日直、給食当番、他にも・・・・あれ?何か悲しくなってきたぞ?

などと一人で物思いにふけっていると、先生が高瀬さんにお願いした。


「高瀬さん、ごめんなさいね。やってくれるかしら?他に立候補者いないようだし・・・」


「え・・・は、はい・・・・分かりました。頑張ります・・・」


「ごめんね葵、仕事大変だったら私にも手伝わせて!」

「あ、私も手伝うよ、葵!」


ということで委員長は高瀬さんに決まった。

・・・で、残りなんだが、お決まりなんだろうか。じゃんけんになってしまった。大樹は俺が負けちゃったら大樹も何かしらに入るとは言ってくれたが。

そしてじゃんけんが始まる。


「「「「「じゃーんけーん・・・・」」」」」

「「「「「ぽん!」」」」」


・・・・なんということでしょう!昨日知り合ったばかりの子もいるチームワークの欠片もないような学級に謎の以心伝心が!

見渡せば素晴らしきグーの一致。そして今回の匠のこだわりが1つだけチョキ。

なんて現実逃避は程々にしといて、結果的に言うと俺は負けた。仕事の最も少ない副議長にしようと思ったのだが、負けた人から順にということだったので俺は副委員長になった。大樹は約束通り、どこかに就くということだったので、仕事のある書記を、俺はすすめ、大樹は書記になった。


「桐谷で、す。よ・・よろしく。た、高瀬さ、ん・・・」


「大樹だーよろしくー」


「あっ、よ、よろしくね。桐谷くん、遠賀くん。」


そして議長も決まった。


「負けちゃった~。葵、よろしく!あ、私は白木梓紗(しらきあずさ)。葵の大大大親友だよー。桐谷くんと遠賀くんもよろしくね。」


白木さんは黒髪ショートで整った顔立ち。スポーツマンて奴だ。そしてテンションの高い子だった。俺は裏表の無い子だなとは思ったけど、それは言葉の綾というものであって、人の裏の顔のせいで散々いじめられてきた俺には何とも信用出来ないものがあった。


結局、副議長は決まらなかった。しかし、誰かがチャイムが鳴った後に、「副議長って仕事無いよね。」とか「先生!副議長はいらないと思います!」だとか「4人でもいいんじゃないですか?」とか言った。

先生は「ちゃんと決めなきゃダメですよ」とか言っていたが、先生は女教師でも新米の教師。自己紹介の時に22とか言っていた。なので、結局生徒の押しに負けて、俺たちの学級組織は4人での構成となった。


・・・そして待ちに待った体育。高校では大樹がいるので、とても楽しみだ。今日の体育はクラスのレクも含めてのドッジボールだ。ドッジボールと聞くと昔を思い出す。中学の時、ドッジボールが人気だったので殆どがドッジボールだった。俺は友達に何度も足を掛けられ、転ばされ、終いにはバスケットボールまでぶつけてくる始末に。よくいじめられっ子はひ弱なイメージがあるが、俺はそうでは無かったので、バスケットボールもうまく弾いたり、正直当てられても痛くなかったのでダメージは幸い無かったが、心に深いダメージを食らった。

なんて思い出していると、途端にドッジボールが怖くなった。また俺が当てられ役なのだろうか・・・・

何て考えているといつの間にか女子がいなくなっていた。


「そういやさ、女子更衣室覗きってやる?」


「お前、なかなか古い頭してるな。妄想が一番だろ。第一見つかったら停学だぜ。」


「そうだ、葵たんからの信用を下げたくないぞ俺は!」


「葵たんとかお前キモッ。大体にして話したことも無いだろ。」


「葵たんとは頭のなかで話すんだい!」


「お前も救われねぇな。恋愛の神様は業務放棄ですかねぇ。」


「「「アハハハハハ」」」


向こうから声がした。俺の通う学園は更衣室が女子のみにあって、俺ら男は教室で運動着に着替える。パッと見て青桜学園は何でもありそうだったが、男子更衣室は無かった。まぁ必要無いが。


着替えが終わり俺と大樹は体育館へ行った。体育館にはもう女子が整列していて、男子が後からきて並ぶ形となった。

男子が揃い、授業が始まった。生徒は32人、1チーム8人の4チームを作った。俺のチームは大樹と一緒になれなかったのが少々残念んだが、高瀬さんがいた。まさかと思い、大樹のチームを見ると、白木さんがいた。俺は少し笑ってしまった。


「が・・・頑張ろうね、桐谷くん。」


「・・・・へっ!?・・・あ、う、うん。」


俺はクラスの人に頑張ろうね何て言われたのは初めての事だったので少々驚いてしまった。大樹とは離れてしまって心細かったので助かった。

そして試合が始まった。対戦表を見るとトーナメント形式になっていて、大樹のチームと戦うには決勝まで勝ち進まなきゃ戦えなかった。俺は大樹と戦いたいので頑張ってみることにした。幸い、俺にバスケットボールがぶつけられるわけでもなく、足を掛けられるわけでもなかったので、普通にやることが出来た。


「桐谷ぁー。俺、ボール投げたいからくれ。」


「あ。は、はい。」


みんなボールを避けるのに必死で逃げていく。俺はキャッチに自身があったのでずっと前衛ポジションだった。ボールは必ずと言っていいほど俺が取る羽目になるので、投げたい男子が俺に頼んできた。俺は断る理由も無かったので渡した。

俺は、取って渡す、取って渡すを続けていた。すると、


「そういや桐谷投げてねぇじゃん。わりぃ、俺達だけ投げちまって。次取ったらお前投げろよー」


「あ。う、うん。」


俺は何て良い奴なんだと思った。そもそも、前が酷すぎたのかも知れないと思えてきた。

俺はボールを取って投げるを繰り返すと敵チームの男子勢はことごとく沈んでいった。


「・・・・・あ、あれ?・・・」


「「「「「「桐谷つええええええええ」」」」」」」


味方チームの歓声があがった。俺はドッジボールが今までとは違う楽しいスポーツに思えてきた、その時だった。


「桐谷くん、やばすぎでしょー。弱くして。」


「おい、それはズルだぜ。そういうのは無しだろー。」


この会話を聞いて中学の時を思い出した。確か前にもこんな会話があった。

俺はその時ボールを遠慮なしに投げたら彼女にぶつかった。すると彼女の恋人を名乗る相手と彼女にバスケットボールをぶつけられた。そこからみんな先生の目を盗んでは俺にバスケットボールを投げてきた。次起こった時はボールを渡して俺が当てられた時は「素直でよろしい」と言われて隣の男子に蹴られた。

その記憶が蘇った俺は、


「は、はい。」


下投げでボールを投げた。当たるはずもなく相手にキャッチされる。


「「「「へ?」」」


みんなは疑問の声をあげ、相手は俺に向かってとりあえずボールを投げてきた。彼女も疑問の声をあげて首を傾げていて、かなり緩いボールが来た。俺はずっとバスケットボールを当てられるよりも1発蹴られるくらいの方がマシだったのでボールに当たった。


「・・・え?ちょっと・・・ほ、本気にしてたの?」


「桐谷ぁ。お前、あとは殆ど女子だからってのは分かるがナメすぎだろー。」


「今のノーカンにしようぜー」


「「「「「おーう(いいよー)」」」」」


こうして何も起こらないまま1試合目は終了した。大樹のチームも勝ったらしく、次は決勝で俺のチームと大樹のチームが対決だ。

時間が無いので早急に開始した。


「ううおおおらああぁぁぁぁぁぁ!」


・・・大樹の雄叫びが聞こえる。今、内野にいるのは俺と大樹だけだ。大樹が俺に全力でボールを投げてくる。


「らあああぁぁぁぁ!」


俺は、大樹との真剣勝負で周りが見えなくなっていたので自然と声が出た。

そして決着が着いた。


「・・・・おっと。あっ!やべっ!」


大樹がキャッチしようとしたボールはタイミングが合わず、胸に当たって床に落ちた。


「「「「「しゃああああああああ」」」」」


味方チームの男子勢の歓声が上がった。


「あーあ、負けちまった。」


「筋肉足りないんじゃないのか?大樹。」


「それはないな、お前よりは確実にある!」


俺と大樹はまた筋肉自慢大会のような会話になり、周りから苦笑いされながらも教室に戻った。

昼休みに大樹と昼食を食べていると、話し声が聞こえてきた。


「てかさー、桐谷のあれは驚いたわ―。」


「本当だよねー。私も本気にされると思わなかった。」


「お前に気があったんじゃないのかー?」


「ちょ、やめてよー。変な噂たったら桐谷くん可愛そうじゃん。」


「てか桐谷、なんで手加減したんだ?やっぱり気があったのかぁ?」


味方チームの一人がニヤニヤしながら聞いてきた。大樹の方を見ると大樹がこっそり俺に言った。


「・・・お前、手加減したのか。スポーツマンとしてはどうかとは思うが、まぁクラスの遊びだしな。相手も女子だし。」


俺は大樹に隠す必要も無いし、いじめられていた事は知っていたので話してみることにした。


「いや、中学んときに同じことがあってさ。投げたらバスケットボール投げられて、渡したら蹴られたから、蹴られたほうがマシかなと思ってさ。」


そう言うと大樹は苦笑いしながら答えた。


「あいつにもそう答えてみろよ。大丈夫、いじめられはしないから。」


何を言いたいのか分からなかったが、大樹を裏切るわけにもいかないので答えてみることにした。


「い・・・いや、ま、前に同じ事が、あ、あって。・・・その時は、ば、バスケットボールを投げられたか、から・・・こ、今度もま、またいじ、められると、お、思って・・・・」


大樹に説明した事よりも足りてはいないが、知らない同い年に話すのは今の俺にはこれが限界だった。

すると周りは一気に静かになった。


「・・・お、お前。その体格でいじめられてたの?う、嘘つくなって。あ、アハハ・・・・」


「い、いや、この体格にな、なったのは、高校入学、するちょっと、ま、前だから。ちゅ、中学は違う・・・」


「まじでか・・・・いやな、お前。今の体格自分で分かってるのか?身長180あるだろ?ムキムキだろ?今お前に喧嘩振ったら俺が潰されるぜ・・・・」


「嘘っ!?桐谷くんいじめられてたの?そう見えない・・・」


「つか、お前の事いじめる理由なんか無いだろ?」


「・・・・そうか、お前その体格の割にキョドってるのはそういう事だったのか。わるい、お前残念な子だとばかり思ってたわ。アハハハハハ」


「そうだよ桐谷くん、誰もいじめないって。だから仲良くしよ・・・って、き、桐谷くん!?」


「・・・おっ、お前。何で泣いてんだよ。俺が泣かせたみたいじゃないか!悪かったって!お前は残念な子じゃないって。」


味方チームの男子勢と問題があった彼女が俺に色々と予想外の言葉をかけてきた。知らないうちに俺は泣いていたらしい。気づいた頃にはもう涙は引き、スッキリしていた。俺は涙を拭くと、


「ふふっ・・・・お前、大樹と同じ事言ってるな。疑って悪かったよ。それと、これからもよろしくっ。」


思っていたよりも簡単に仲良くなることが出来た。俺は大樹以外にも普通に喋れるようになった。細かく範囲を指定すれば俺のクラスのみんなとだけだが。まぁ、世の中はいじめるあいつらのような奴ばっかりだという俺の想像は考えすぎだったらしい。みんなにもそう言われた。

そんなこんなで昼休みが終わり、5,6時間目も終了し、放課後になった。

俺たち学級委員は先生に教科書類を教室に運んでおくように頼まれ、運んでいた。


「ちょっと遠賀ー、か弱い女の子に重たいもの運ばせないでよー」


白木さんは大樹を苗字で呼び捨てにしていた。彼女はかなりフレンドリーだったからかもしれない、なぜか俺だけ君付けだが。なぜなのか聞いてみたら、彼女曰く大樹は馬鹿っぽいから呼びやすいらしい。


「ああ?白木、筋トレだ筋トレ。筋肉は素晴らしいぞー」


「大樹・・・・女子にまで筋トレ強要するなよ・・・・」


俺は大樹に呆れるようなツッコミを入れながら教科書類を運ぶ。


「ひゃっ」


階段で短い悲鳴の後にドサッ!と音がした。大樹と白木さんは職員室近くにいたので、聞こえなかったようだが、俺は聞こえたので階段に急いで向かった。

階段の踊場まで来ると高瀬さんが荷物をぶちまけて転んでいた。束を2つ分持っていたのでさすがに重かったんだろう。


「大丈夫?高瀬さん。俺1つ持つから。」


「あ、ありがとう。桐谷くん、高瀬でいいよ?同級生でさん付けされるの気まずいし。」


「ご、ごめん。じゃあ高瀬、俺が1つ持ってくよ。」


「で、でも桐谷くん2つ持ってるじゃん。悪いよ。」


「大丈夫だよ上に乗せれば。・・・さ、教室行こうよ。」


「あ、ありがとう。」


俺と高瀬は教室に向かった。高瀬が転んだ時に手を怪我していたみたいだったので、絆創膏をあげて残りの荷物を大樹と白木さんが持ってくるのを待った。

大樹達が来ると荷物は無事運び終わったので、帰る事になった。


「私達さ、一ツ葉市なんだけど遠賀と桐谷くんて電車?」


帰り際、白木さんが尋ねてきた。一ツ葉市は俺の電車通学時、俺の住んでる町の蕾菜町から1つ目の駅のとこだ。ちなみに蕾菜→一ツ葉→青桜なので俺と大樹は一緒に帰れることになる。


「桐谷くんは多分電車だよね?昨日ぶつかっちゃったし。あの時はごめんね。」


「え?なになに葵!桐谷くんと実は運命的な出会いしてたりするの!?」


「ち、違うよ梓紗ちゃん。たまたまぶつかっちゃっただけだよ。ほ、本当だよ?」


「えー?あやしいなぁ葵。」


「たまたまなの!」


俺と大樹はこの永遠と続きそうな女子トークを苦笑いで見ていたが


「まぁ、てことは遠賀も電車でしょ?いつも一緒に来てるし。じゃあ帰ろう!さぁ行こう。」


と白木さんに強引に話を進められ、流されるまま4人で帰宅することになった。

帰り道、白木さんが「学級組織の結成祝だー」とか言いながら喫茶店に突っ込んでいった。なので、俺たちは強制的に喫茶店による事になった。


「マスター、こんにちは。」


「いらっしゃい、喫茶チェリブロへようこ・・・あれ?梓紗ちゃんかい?大きくなったねぇ。」


ここのマスターは白木さんの母親の叔父さんで、よくここにパフェを食べに来てたらしい。

俺と大樹はカプチーノを頼み、高瀬はミルクティー、白木さんはチェリブロパフェを頼んだ。チェリブロパフェはここの目玉品らしい。


「お待たせ、いつものチェリブロパフェだよ。」


「待ってましたぁ!」


そう言ってマスターが持ってきたのは生クリームとアイスが桃色で、ウエファースと桃がトッピングされていた綺麗なパフェだった。

白木さんはパフェをがっつき始め、俺と大樹と高瀬は、それぞれ注文した飲み物を飲みながら微笑ましく見ていた。


「完食~」


みるみるうちに生クリームとアイスが減っていき、いつの間にか完食していた。時間も時間だったので、会計をして帰路についた。

電車に乗り、あっという間に一ツ葉市まで着いた。


「また明日~。」

「それじゃ。」


「おう~。」

「じゃあね。」


挨拶を交わすと彼女たちは電車を降りていった。そして再び電車が動き出す。


「そういえばよかったのか?今日大樹の家行く予定だったよな。」


「大丈夫。てか、俺んちなんて来ようと思えばいつでも来れるだろ?」


「そりゃそうか。」


そんな話をしているうちに電車は蕾菜町まで着いた。

大樹はとなり町なので、駅を出てちょっとは一緒だが、すぐ別れる。


「それじゃ。」


「おうっ。」


挨拶して別れた。俺も大樹も駅からそう遠くないので少し歩けば着く距離だ。

なので、すぐに家についた。今日は色々なことがあったので、夕食を食べ、風呂に入り、上がって歯磨きをしてすぐにベッドに倒れ込んだ。

倒れこんだ後、俺は寝ながら考えていた。小学、中学とあんな目に合ってきて、高校でちょっと味方されたくらいでコミュ障に見られるような喋り方が改善された。重症だと思っていたのは気のせいだったのだろうか。でも他のクラスの奴らとはうまく喋れないのでよくわからない。「俺(私)はいじめないぞ。」っていう言質が欲しいのだろうか。考えすぎるのも良く無いからと思い俺は高校生活をエンジョイしてみることにした。



鈴はそう思った後、眠りについた。もう一度だけ周りを信じてみようと思った鈴だった。


数日後・・・のように飛ばせるのはもうちょっと先の予定です。

180cmくらいで筋肉くんが主人公補正となっていますが、大工の息子ですのでこれでも問題は無いかと思いました。

次の更新は一週間以内には出来ると思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ