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『W.A.R.』  作者: sethy
STAGE 1
92/332

87

 白人の男が何か怒鳴っている。


 今度はゆっくりと視線を戻した俊哉に、声を上げながら白人が近づいて来た。


 その傍らには依然拳銃を握り締めたままの黒人が立っている。


 その映像が、ゆっくりと光を失っていくのを、俊哉は見た。


 状況が理解できず、突発的に過度な恐怖に晒された頭が、限界に達したのだった。


 意識を保っていられない。


 ここで気を失えば、もう目覚めることはないかもしれない。


 踏み込んできた外人たちの目的もわからない状態では、これが生の終わりとなるかもしれなかった。


 頭の片隅で警鐘が鳴り、両親や友人たちの顔が脳裏を過ぎったが、それでも意識が劇的に覚醒することはなかった。


 白人がまた何かを叫んだのが聞こえたが、それが最後だった。


 俊哉の意識は、完全に闇へと落ちた。

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