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『W.A.R.』  作者: sethy
STAGE 1
83/332

78

 くそ、なんでだ。


 どうしてだ。


 恐怖に支配された俊哉の頭の中では、その言葉が繰り返されていた。


 意味がわからない。


 今朝もごく普通に起きて、母親といつものやりとりをした。


 いつも通りのメンバーで、いつも通りに程よくサボり、いつも通り由利と言葉を交わした。


 いつも通りの充足感がそこにあり、いつも通りの空虚感と過ごす時間もあった。


 そしていつも通りに帰宅したのだ。


 ならば、いつも通りの夕方、いつも通りの夜が待っていて当然ではないのか。


 いつも通りにパソコンに向かい、いつも通りにヴァーチャルの空を飛ぶ。


 その予定だったではないか。


 なら、この状況はなんだ。


 そこまで考え、再び母の姿が浮んだ。


 母もこの男に殺されたのだろうか。


 たぶんそうだ。


 視界には入っていないが、おそらくこの家のどこかで、血の海に沈んでいる。


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