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正確には制服の首元を掴まれ、男に無理やり立たされたのだが、その浮遊感は立たされた、というよりも、投げられた感覚に近かった。
自分と体格の変わらない男に、どうしてこれだけの力がある。やっぱり外人ってのは、食ってるものが違うのか。
背中から、今まで味わったことのない強烈な痛みが響いていたが、俊哉の頭に浮んだのは、そんな緊張感のない感想だけだった。
強すぎる痛みが意識を朦朧とさせ始めていた。
吊り上げられた身体を抵抗のために動かそうとしたが、どう動かしても背中の痛みしか伝わってこない。本当に動いているかすら、怪しくなってきた。
と、突然、新たな浮遊感が俊哉の身体を包んだ。




