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『W.A.R.』  作者: sethy
STAGE 1
76/332

71

 その外人の男が、口元を吊り上げた。


 どうやら笑ったらしい。


 短く刈り込んだ茶色の髪に手をやり、大仰な仕草を取った。何かが可笑しかったらしいが、それがいったい何のことなのか、俊哉にはまったく理解できない。


 そもそもこの男は何者なのか。なぜ自分の家にいるのか。


 何一つ理解できなかった。


 大体、母さんはどうしたのか。


 そこまで考えた瞬間、驚愕に固まりかけていた身体の筋肉が、突然自由を取り戻した。


 そうだ。母さんはどうしたんだ。


 この時間ならば、家にいたはずではなかったか。


「……お前、誰だ」


 感覚を取り戻し、蠕動する喉の筋肉が、どうにかそれだけ搾り出した。自分でも驚くほどに乾いた口の中に舌が張りつく。


 男は何も答えなかった。


 ただ黙って、口を吊り上げて笑っている。


 声一つ上げずに、嗤っている。

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