70/332
65
康平はあの大柄通りのバスケットボール部。真治はサッカー部で、直人は由利とは同じ吹奏楽部。
皆、それぞれに打ち込む部活動を持っていて、皆、それぞれに重要な役を担っている。
部活動がない日の常ならば、このぐらいの時間になると、誰からともなくメールが飛び交って、また朝と同じように公園集合、となるのだが、今日はそうではないらしい。特に属している部活動のない俊哉は、それだけを確認すると、携帯をポケットに戻した。
寂しさには足りない、やはり空虚と呼ぶべき感覚が、胸を競り上がってくる。
ならば自分も、打ち込める部活動を探したらいい、と毎日のように思ってみても、それだけの何かが自分にはなかった。
あるとすれば、やはり『W.A.R.』なのかも知れなかったが、そこにも空虚さが存在することは事実だった。
それでも頭の中では、既に今日のフライトをイメージし始めているから不思議だった。
これが何かに打ち込む、のめり込む、夢中になるということであるのならば、疑いようもない感覚なのだが。




