63/332
58
「俊哉、また遅刻?」
学校で会えば会話も弾み、バカ騒ぎもするが、それ以外ではまったく遊んだりしない友人というのもいる。
俊哉の場合、そういった友人が本当に多かった。特に異性が多い。
世間一般の判断基準から見て、イケメンに分類してもらえないまでも、どうにか通常のレベルを超えているらしい容姿と、面倒を避けているだけなのに、優しいと判断されがちな性格を両親に感謝しつつ、笑顔で話しかけてくる女子たちと朝の挨拶を交わす。
「いくらうちの高校がユルいからって、いい加減お母さん呼ばれちゃうんじゃない?」
中でもいま、俊哉の傍に立つ伊東由利とは付き合いが長い。
中学校の頃からの腐れ縁というやつなのだが、俊哉自身、悪いと思ってはいなかった。特別な好意を抱かないまでも、由利はそれこそ世間一般の判断基準から見て、通常のレベルを十分に超えていたし、性格も良い。




