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『W.A.R.』  作者: sethy
STAGE 1
58/332

53

 ええ腕やった。ネットではあったことないな。


 同年代の男がそう言って歩み寄ってきたのは、その試合終了直後だった。


 生まれも育ちも東京の俊哉とは違う、心持ち、西の方角を意識させるイントネーションで話す男は、俊哉に握手を求めた。


 それが〝ライオンハート〟だった。


 あっさり葬っておいて、いい腕だ、もないと思ったが、それをきっかけに〝ライオンハート〟とはオンライン上で会い、共に『W.A.R.』の空を飛ぶようになった。一時期はお互いログインする時間を決め、共同でなければミッションに挑まない頃もあった。


 予選会があったのは半年前だったが、東アジア圏の代表になった〝ライオンハート〟には、必然的に注目が集まった。多くのプレイヤーが〝ライオンハート〟の操作技術を一目見ようとし、一緒に飛ぶことを願った時期でもあった。


 そんな中、多くの時間を共に飛び続ける〝ライオンハート〟の相棒……〝ソーサラー〟というタックネームにも、注目が集まるようになった。

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