50/332
45
俊哉は、自分が世界一のプレイヤーと言われることを、明らかに嫌っていた。
理由は、はっきりしていた。
その世界一のプレイヤーになった男に撃墜されて、俊哉の『W.A.R.』第一回世界大会は、予選敗退という結果で終わったのだ。
操縦桿を握りながら、怖い、と感じたのは、あの時だけだ。
全世界で数百万人単位のプレイヤー人口を持つオンラインフライトシュミレーションゲーム『W.A.R.』が、その頂点に立つプレイヤーを決める大会を開催する。
そんな話が持ち上がったのは、今から一年ほど前のことだ。
大会は、まず『W.A.R.』を開発、配信、運営しているユニオンソフト社が、全プレイヤーの中から成績上位者を選別し、出場許可証を電子メールで送ることから始められた。
この出場許可証を受け取ったプレイヤーには、同時に特別なミッションが配信された。
これをクリアし、その成績上位者だけが、さらに次の段階へと進める、といった方式だった。




