45/332
40
その時、初めて考えた。
なぜなのか。
なぜ楽しいと感じる学校に朝から向かおうとしないのか。
なぜ遅刻してまでも、ただだらだらとこうして会話をしているだけの時間を過ごすのか。
来たくないからです。
咄嗟に言葉が思い浮ばず、俊哉は思わずそう答えてしまった。
担任が驚きのあまり口を半開きにした顔は、いまでも忘れられない。
ところがこの会話、クラスの違う康平や真治、直人にもあったらしく、三人とも俊哉と同じく、来たくないからです、と各々の担任に答えたらしい。
後で笑い話になったが、俊哉は未だに時折考える。
なぜなのか。
その明確な答えは、まだ出ていない。
ただ、こうして四人で会話している時間を、どうやら自分は、学校で授業を受けているより楽しいと感じているらしい。それだけは、確かだった。




