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友のことを本気で心配し、余すところなく心を曝け出してくれる三人の存在を、俊哉は心の底から有難く感じた。これもあの事件のおかげといえばそうだろう。
そして、もう一人の存在と、その意味についても、あの事件を通して向き合うことになったのだ。俊哉は四人目に視線を送った。
男四人が輪になり、再会を喜び合う中には加わらず、少し遠くで、距離を置いて立っている彼女と、目が合った。その手に何かが握られている。
「これ」
小さな包みを持った由利が、俊哉の傍に歩み寄った。淡いピンク色の薄いレースに、やはりピンク色のリボンがかかった包み。
「一応、考えておいたんだ。季節外れになっちゃったけど」
突然、俊哉はあのメールを思い出した。自分に戦う力をくれたメール。守るべきものが自分にもあると教えたメール。
包みを受け取った自分の顔は、赤面しているのだろう。顔の表面が異常に熱い。
案の定、三人が冷やかす声を上げ、俊哉はしばし、反論する言葉も探せず、受け流すこともできずに由利を見ていた。
よかった、と思う。諦めないで。決して逃げないで。無理だ、無駄だと、あの空虚の中へ逃げ込んでいたら、彼女のこの笑顔にはもう会えなかったかもしれない。
「そういえば俊哉」
ふいに、冷やかすのを止めた康平が、声のトーンを落とした。
「『W.A.R.』なんだけどよ」
続いた言葉に、俊哉は戦慄した。




