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だが、『W.A.R.』という作品は完全に別格だった。
毎週新しく配信される多種多様な空戦ミッションを心待ちにしているし、新規に登録される実在の機体の情報は、導入前から仕入れるようにしている。
『W.A.R.』専用の、実際の戦闘機のコクピットを模したサイドスティックとスロットルレバー、フットペダルからなるコントローラーも、約一か月分のアルバイト代をはたいて購入したものだ。
元々、家庭用ゲーム機にあるフライトシミュレーションソフトが好きだった、という土壌があることは認める。
だがそれでも、ここまでのめり込むとは、自分自身思っていなかった。
どうせやるなら一番を目指しなさい。
『W.A.R.』というゲームに対してなら、俊哉はその言葉に従って懸命になれる気がしていた。たとえそれが娯楽でしかないとわかっていたとしても。




