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思わず、舌打ちをした。
近すぎる。
目標の状態を確認し、ドームの存在に気を取られ、進入角度の選択に時間がかかった。手間取った、という意識はなかったが、コンマ数秒の判断の遅れがあったと認めざるを得ない。
この距離では攻撃後、渓谷の岩盤に叩きつけられることになる。
そう判断した〝ソーサラー〟は操縦桿を引いた。
その瞬間だった。
〝ソーサラー〟はレーダー上に、異常な動きをするものを見た。
自機に急速に接近する三角の表示。
航空機を示すその表示は自機と重なり、一瞬で追い抜いていった。
なんだ、と思う間もなく、目の前に迫っていた目標施設が炎を吹き上げた。
HUDに『mission complete』の文字が表示される。
誰かが目標に攻撃し、成功したのだ。
だが、一体誰が。




