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内部は広大な空間だった。
高い天井を見上げ、俊哉は一瞬、高校の体育館を思い出した。だが広さはその比ではない。
体育館をイメージさせたのは、両壁の天井近くに張り出した廊下の存在だ。キャットウォークと言っただろうか。鉄柵と、そこを歩く人影がその存在を伝えたが、その位置は俊哉が日頃目にしている体育館のそれにしてはあまりにも高すぎた。ごく一般的な一軒家にすれば、屋根の頂上辺りまであるだろう。それほど高い位置に張り出した廊下が、広い空間をぐるりと一周、取り囲んでいるようだった。
『ようだった』というのは、見えない部分は想像する他ない、という意味だ。
キャットウォークがどこまで続いていて、どこから折り返してきて、両壁に存在するのか。そのすべてを一度に目にすることはできなかった。奥の方までは見えないのだ。扉の内部はそれほど長く、広い空間だった。




