表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『W.A.R.』  作者: sethy
STAGE 2
104/332

12

 吹き込んできた風は、どことなく湿っぽく、肌に張りつくような粘り気があった。


 だが、それだけだった。何が見えたわけでもない。俊哉の視界いっぱいに広がったのは、墨汁を垂らしたかのように、のっぺりとした闇だった。どこまでも広く続く、闇。


 扉の外は、畳一畳分ぐらいのバルコニーになっていた。どこかの建物の、何階かのバルコニー。俊哉は呆然とした思いでそこに足をつけると、目の前の手すりまで歩み寄った。


 暗さになれた瞳が、濃淡なく見えた景色を、次第に色分けし始めていた。


 中心に一直線の横線が引かれると、それより上に見える世界が心持ち、白んで見えた。同じ種類の漆黒に間違いなかったが、その黒の上に薄いベールのようなものがかかっている。それより下に見える世界では、時折何かが蠢いていた。


 さらによく見ようと俊哉は手すりから身を乗り出した。


 その時だ。自分がいる建物を支えている土台が目に入ったのは。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ