103/332
11
今度はそれほど歩かなかった。
エレベータを降りてすぐ、目の前に、車のハンドルのようなものがついた鋼鉄の扉が現れた。
白衣はそのハンドルに手をかけると、全体重をかけるように回した。男に力がないのか、ハンドルが重いのか、かなり苦労してハンドルがようやく回転した。
ロックが外れた大きな音がして、扉が薄く開く。
「百聞より一見だと思う。まずは見てもらいたい」
わずかに乱れた息を隠すように、男は苦笑を浮かべて俊哉に振り返った。
この扉の向こうに、男の言う『見せたいもの』があるというのだろうか。
俊哉は言われた通りその扉に近づき、開いた。




