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三人が何かを話し始めた。が、すべて流暢な英語のため、日本人の高校生でしかない俊哉には、何を話しているのかほとんどわからない。断片的に知っている単語が出てきたとしても、その意味を考える間に、ネイティブな会話はどんどん先に進んでしまう。何かの準備をしているようなことを話している、とだけわかったが、俊哉の知りたいこの場所のことや、自分がここにいる理由はまるでわからなかった。
きれいな日本語で話しかけてきた、日本人に見える白衣の男も、異国の言葉を話し始めると、まるで別人に見えた。
突然孤立した状態に戻された。
こうなると、目覚めた時と同じ不安が蘇ってくる。
ここはどこなのか。
どこへ向かっているのか。
やはり自分も殺されるのではないか。
頭には初めて目にした、殺された人間の顔が浮かび、淀んでいくその目が浮かんだ。
脳にこびりついたそのイメージが、不安を加速させる。




